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2026.11.01

町田・黒田監督、一発勝負を勝ち抜くコツ、プロとアマ、アジアと日本の違いとは

FC町田ゼルビア・黒田剛監督の思考に迫る。今回はトーナメントについて。【インタビューをすべて読む】

トーナメントで結果を出す、町田・黒田監督。一発勝負を勝ち抜くコツ、プロとアマ、アジアと日本の違いとは
黒田剛/Go Kuroda
1970年生まれ。大阪体育大学体育学部卒業後、一般企業等を経て、1994年に青森山田高校サッカー部コーチ、翌年、監督に就任。以後、全国高校サッカー選手権大会3度の優勝を含む全国大会7度の優勝。2023年からFC町田ゼルビアの監督に就任し、2023シーズンはJ2優勝、2024シーズンはJ1 3位、2025シーズンは天皇杯優勝を果たす。著書『勝つ、ではなく、負けない。 〜結果を出せず、悩んでいるリーダーへ〜』(幻冬舎)も好評。

プロとアマチュアで、トーナメントの戦い方の違いは何か

 ――天皇杯優勝、また高校サッカーでは何度も選手権を戦い、かつ、結果も出しています。そこで、プロとアマでのトーナメント戦の戦い方や監督しての采配の違いはありますか。

監督として過ごしてきた32年間で数々の全国大会を戦ってきました。もちろん就任当初から意図する結果を得られた訳ではなく、青森市内の大会ですら何度も負けた経験があります。約20年、何をやっても上手くいかず、指導者を辞めるか、続けるか、悩み苦しんでいた時期は幾度もあります。高校サッカー界の名将のもとに「勝ち方」を学びに行脚した経験もあります。

ただ高校サッカーのタイトル、プロとしてのタイトル、両面を経験してみての感想としては「タイトル獲得に采配の違いはない」ということです。

カテゴリーやスキル、プロやアマチュアなど、置かれている状況や立場に大きな違いはあるものの、チーム組織を優勝に導く行程や感覚、マネジメントに大きな違いはなかったと感じています。決勝戦などの大一番では、いかに冷静に、そして平常心で選手たちに最高のパフォーマンスを発揮させられるか否かが重要なタスクになると思います。

アジアでの戦いで感じたことは

――ACLEでは決勝トーナメント4試合を無失点で勝ち上がりました。決勝は延長の末に0-1です。振り返ってみて、いかがでしょうか。

結果的には「準優勝」で終わってしまったので、悔しさだけが残る決勝戦になってしまいました。試合の流れや展開を振り返っても、勝たなくてはならない、優勝すべき試合であったと感じています。

特にサウジアラビアでの3試合は多くの学びがありました。日本では経験できないスタジアムの雰囲気や迫力は凄まじいものがありましたし、対戦したクラブには各国を代表する選手たちが名を連ねていました。日中の気温は35度を越え、2週間の滞在はコンディション的にも難しかったと感じています。

しかし選手たちは不慣れな環境下でも、それを楽しむかのように思考し行動し、臆することなく堂々と戦ってくれました。その姿には頼もしさすら感じたくらいです。

決勝戦延長、最後は、相手に一瞬の隙を与えてしまったことで敗戦してしまいましたが、各々が肌で感じた「個の差」、特にフィジカルの差をどのように埋めていくかはこれからの課題と感じています。

一発勝負を勝ち抜くためのコツは

――トーナメントに強いチームをつくり、一発勝負を勝ち抜くためのコツは何ですか。高校サッカー、天皇杯、ACLEでの経験を踏まえ、リーグ戦とは異なる準備や相手の分析、選手の気持ちの整え方、試合中の判断について、特に重視していることを教えてください。

「一発勝負を勝ち抜くためのコツ」というものが存在するのであれば私も学んでみたいと思いますが、人それぞれ頭に描いているものは異なると思いますので、これに正解はないと思っています。ただ監督として約30年に渡る勝負経験の中で言えることは、あらゆる局面を想定し、細部にわたり抜かりなく準備し、どんな状況においても適切に動けるかどうかが大事だと思っています。

同じカップ戦でも、勝ち上がりの状況や対戦相手、スタジアムの特徴、大会の持つ本質的要素、そして個人的に経験してきた「勝負感」によってもアプローチのポイントは大きく変わってきます。勝負の「感覚」や「感性」的なところは、長年に渡る「挫折」と「成功」の繰り返しによるものが大きいのかもしれません。心を痛めた数だけ「感情」は研ぎ澄まされていきます。

また、カップ戦の特性上「一発勝負」なので、もちろん失敗は許されません。試合中に起こり得るあらゆる状況を想定し、細部にわたり選手とイメージを共有し、何が起こっても冷静に試合を進められることが重要なのです。采配に正解はなく、勝ち続けた指導者のみぞ知る感覚だと思います。

※続く

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FC町田ゼルビア大躍進の裏には、アマでもプロでも通用する、黒田流マネジメントの原理原則があった。組織・リーダー・言語化など、4つの講義を収録。結果を出せず悩んでいるリーダー必読。黒田剛著 ¥1,540/幻冬舎 
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COMPOSITION=上野直彦

PHOTOGRAPH=FCMZ

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