こんなに頑張っているのに、なぜ評価されないのか……。仕事をしていれば、一度はそう感じたことがあるだろう。しかし、その「頑張っている」という感覚は、本当に成果につながる努力なのだろうか。これまで5,000社以上に導入されてきた組織マネジメント理論「識学」では、「頑張っている」という言葉は、あくまで自分自身による自己評価にすぎないと考える。成果を出し続ける人は何が違うのか。努力が報われない理由を紐解く。【その他の記事はコチラ】

「頑張っている」は、自分で決めた評価に過ぎない
進捗の遅い同僚や成果をあげられない部下に指摘や助言をすると、「自分なりに頑張ってはいます」などと言われたことはないだろうか。
また、自分自身も仕事で行き詰まったときに「これだけ頑張っているのに…」と意気消沈することもあるだろう。
「確かにいろいろと努力しているのだと思います。でも“頑張っている”というのは、あくまでもその人自身が自分に対してする自己評価。自分ではよくやったと思っていても、客観的に見れば、求められている成果に届いていないかもしれません。
これまでもお伝えしたように、組織で働く以上、それぞれが会社から求められている成果を出す責任があります。ところが自己評価は、何が求められているかを自分で決めてしまうことになる。その結果、会社が求める成果とのズレが生まれることがある。
もし成果が上がらないのなら、それは努力が足りないのではなく、努力の方向が間違っているということなんです」
仕事するうえで指示待ちではなく、主体的に動くことはもちろん重要だ。ただし、目指す方向がズレていれば、どれだけ時間や労力をかけても成果や評価にはつながらない。努力そのものではなく、「何に向かって努力しているか」が重要なのだ。
「頑張っているのに…」と思った瞬間、成長は止まる
さらに安藤氏は、「こんなに頑張っている」という感覚そのものが、自分の行動に酔ってしまっている可能性があり、成長を妨げる原因になることもあると指摘する。
「『頑張っているのに成果が出ない』という言葉の裏には、『自分は頑張っているのだから、成果が出ないのは他に原因があるのではないか』という考えが潜んでいます。
そうなると他責思考になります。【識学12】でもお伝えしたように、他人や環境のせいにした瞬間に成長は止まります。成果が出ないのであれば、紛れもなく自分の責任だと捉えるべきです」
それでは「頑張っているのに報われない」という後ろ向きな考えから脱却するには、どうすべきなのだろうか。
「まずは他に原因を求めるのではなく、自分自身の不足や弱点と向き合うことです。そして、成果が出ていない以上、努力の仕方が間違っているのだから、違う方向に進まなければいけません。
例えば、すでに成果を上げている同僚や先輩のやり方を参考にするのもいいと思います。もしかしたら、自分とはまったく違うやり方や考え方で苦労するかもしれません。でも、ということは、やはり自分のやり方が間違っていたということ。自分の弱点を見つけ、改善する道を必ず見つけることができるはずです」
せっかくの自分の努力を「頑張っている」で終わらせないためにも、成果という客観的な事実と向き合う。その姿勢こそが、本当の成長につながるのである。
安藤広大/Kodai Ando
識学 代表取締役社長。1979年大阪府生まれ。早稲田大学卒業。大学時代はラグビー部に所属し、勝敗と向き合う厳しい環境で4年間を過ごす。NTTドコモ入社後、営業としてキャリアをスタート。上場企業への転職を経てマネジメントに携わるなかで、「人のやる気」や「人間力」に依存する組織運営に限界を感じ、識学と出合う。誤解や錯覚を排した明確なルールと仕組みによるマネジメント理論に強く共感し、事業部の立て直しでその有効性を実証。2015年に株式会社識学を設立し、創業4年足らず(3年11ヵ月)東証グロースに上場。現在は延べ5,000社以上の組織改革を支援している。組織マネジメントに関する著書は『リーダーの仮面』などベストセラー多数。「がんばっている人が、正しく報われる組織を増やしたい」という思いが、識学の根底にある。

