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2026.05.28

日本代表コーチ・中村俊輔、早くも加えたエッセンスとメンバーに感じたこと

​2026年6月11日開幕のワールドカップ北中米大会に出場する​日本代表の中村俊輔コーチ(47)がチームに新たなエッセンスを加えている。森保一監督(57)の熱烈オファーを受け、​4月に電撃就任。本大会開幕まで​2ヵ月を切った異例のタイミングで加わったが、セットプレー担当の前田遼一コーチ(44)にアドバイスを送るなど早くも存在感を示している。【特集 2026FIFAワールドカップ

なぜ森保監督は中村俊輔を招集したのか。W杯目前、日本代表に加わった“異例人事”の裏側
第104回全国高校サッカー選手権大会の決勝、神村学園vs鹿島学園。談笑する中村俊輔氏(左)と日本代表・森保一監督。

森保監督の“熱烈オファー”で実現した電撃就任

事態が大きく動いたのは​2026年​4月初旬だった。日本代表の​3月の英国遠征後。解説者として現地入りしていた中村俊輔氏は森保監督から食事に誘われた。

会場はドイツ・デュッセルドルフのレストラン。日本代表スタッフらを交えてサッカー談義に花を咲かせる​なか、森保監督から直接コーチ就任の打診を受けた。

2023年シーズンから​3季務めた横浜FCのコーチを2025年シーズン限りで退任。ワールカップは解説者の仕事をしながら現地で最先端の世界のサッカーをインプットする時間に充てる予定だった。

本番を目前に控える時期にチームに入る影響なども考え、最初は慎重だったが、森保監督から熱い言葉で誘いを受けて心が動いた。

「森保監督から熱く力強い言葉をいただき、微々たる力ですけど、何か代表のためにできないかっていう心境に変わっていきました」

「違う角度の意見を言わないと意味がない」俊輔コーチの覚悟

その後、日本サッカー協会から正式オファーが届き、コーチ就任を受諾。4月下旬からスタッフ会議に参加して、大詰めを迎えていたワールドカップメンバーの選定作業にも加わった。

森保監督は2022年ワールドカップカタール大会後の第2次政権で、89人の選手を招集。名波浩、斉藤俊秀、長谷部誠らコーチ陣が担当制で選手の所属クラブでのプレーをチェックして、森保監督と評価をすり合わせている。

就任間もない中村コーチだが、森保監督から「いろんな角度からの意見が欲しい」と求められ、積極的に発言した。

「いい意見というか、違った角度からの意見を言わないと、ここにいる意味がない、呼ばれた意味がないと思いました。すごく内容が濃くて、これが代表のミーティングなんだなと感じました」

セットプレーとPKに注ぐ“世界基準”の発想力

森保監督からは各コーチのサポート、PK担当として期待されている。セットプレー担当の前田コーチとは具体的な練習メニューに関する意見交換を行い、CK練習で守備を置かずに攻撃の形を確認する時間を作ることを提案した。

前田コーチは「俊輔さんからは今までの自分にはない視点の話を聞かせてもらっている。守備を入れないことで、自分たちの狙いや精度をより高めることができる。守備を入れると、実戦に近い分、狙いと少し違う形にもなることがあるので」と語る。

PKに関しても、対戦国のキッカー情報などを含めた膨大なデータを持つ分析スタッフとともに準備を始めている。

「いろいろなアプローチしていこうと思っているが、選手の頭をPKのことでいっぱいにしたくない。いつ、どのような形で練習をするのがベストかという案は自分のなかにあるので、森保監督に提案して判断していただきたい」

「僕らの時より基準が高い」現在の日本代表に感じた進化

ワールドカップに向けた国内合宿は​今月、5月25日にスタートした。

中村コーチは「世界で戦っている選手たちの言葉に自信が溢れている感じはしました。僕らの時よりも基準が高くなっている」と強調し、「ワールドカップは楽しみだけど、責任も重大。プレッシャーや不安もあるが、こういう舞台を経験すればまた何かを感じることができると思う。今は大会に集中しています」と力を込めた。

チームの掲げる目標は優勝。長く日本の10番を背負い、2006年ドイツ大会、2010年南アフリカ大会と​2大会連続でワールドカップに出場した俊輔コーチの存在が最高の景色への挑戦を後押しする。

中村俊輔​/Shunsuke Nakamura 
1978年​6月24日生まれ、横浜市出身。1997年に桐光学園から横浜マリノス入り。2002年​7月にセリエAレジーナ移籍。2005年からスコットランド1部セルティック、2009年にスペイン​1部エスパニョールでプレーし、2010年2月に横浜Mに復帰。ジュビロ磐田、J2横浜FCを経て2022年に現役引退。2023年から横浜FCのコーチを務め、2025年限りで退団した。2000年、2013年にJ1リーグでMVP。国際Aマッチ98戦24得点。1m78cm、71kg。利き足は左。

TEXT=木本新也

PHOTOGRAPH=スポーツ報知/アフロ

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