達人経営者たちが選ぶ、“一品入魂”のギフトをまとめてお届け! ※2023年10月掲載記事を再編。
1.日本で群を抜くファッション好き経営者の、極上ギフト3選
「贈り物を選ぶ際は、極力贈る相手の方がお持ちでなさそうだったり、他の方と贈るものが被らないように心がけています。さらにご自分では買われなそうだけど、きっとお似合いだろうと感じる華やかなデザインのものを選ぶようにしていますね。なぜならお相手は経営者の方も多く、好きなものはきっとご自身で買われているからです。何より“あ、これね”という反応より、“えっ”と驚きながら喜んでほしいですから」
日本の経営者のなかでも群を抜くファッション好きである松村厚久氏。相手が驚きつつも似合うものを見立てるには、相応のセンスが問われるだろう。
「ギフト選びの参考に、日頃の会話から好みを引きだしたり、実際にお持ちのものなどは日々チェックしているんですよ」
スポーツを愛する知人にトライしてほしい一足「ディーゼルのスニーカー」
「普段はパリッとスーツを着こなしつつ、休日はテニスなどのスポーツに興じる方だったので、デザイン性のあるこのスニーカーをプレゼントしました。実はその方の誕生日とはまったく違う、なんでもない日にお渡ししたのですが、それはお店で色々見ていたらスニーカーが私を呼んだので、思わず買ってしまったから(笑)」
サプライズ好きな松村氏らしい贈り方だ。
2.ユナイテッドアローズ創業者が選ぶ「自分の信念を託した」究極のギフト4選
重松理氏に「究極のギフトとは?」とたずねると、「相手の好みを踏まえてつくったオーダーメイド」という答えが返ってきた。
「今回のテーマで想定しているような人たちは、贈りものをされる機会が多いもの。世界中のすばらしいものを知り尽くしているうえに、何でも持っているだろうと思います。そうした方々には、世界にひとつしかない特別なものをつくり、お渡しすることが多いですね」
趣味嗜好はもちろん、最近夢中になっていることや手に入れたものなど、相手を熟知したうえで、どんなものをオーダーするか決め、素材や色、場合によってはデザインまでも考える。
手間と時間がかかるだけに、相手に想いが伝わる反面、厄介な作業にも思えるが、「いえいえ、すごく楽しいですよ。個人的なバイイングみたいなものですから」と、重松氏。
日本独自の技法が光る「印傳屋上原勇七の長財布」
オーダーメイドという究極の品に恐縮しそうな相手には、気兼ねなく受け取ってもらえるよう、あえて既製品を贈る。そんな“気遣い”も忘れない重松氏だが、その際選ぶのは日本の伝統美が息づく品だ。
なかでも、取引相手への昇進祝いといったビジネスシーンで多用しているのが、創業400年の老舗、印傳屋上原勇七の長財布。
「鹿革に漆で模様づけをするという日本独自の技法を施す甲州印伝は、江戸時代に生まれたもの。鹿皮は戦国武将の鎧にも使われていて、ビジネスという戦いを勝ち抜くという意味でもぴったりではないかと」
3.贈り物上手なBRIEFING社長が“ツテを総動員”して選ぶ鉄板ギフト3選
交友関係が広く、贈り物をする機会が多いというユニオンゲートCEOの中川有司氏。
「受け取った人に心から喜んでもらうのに必要なのは、相手のニーズや希望を見抜く察知力。共通の友人・知人から、相手が今何を欲しがっているか、すでにどんなものを持っているかなど、さりげなく情報収集しています。
経営者仲間だと秘書がつながっていることも多いですし、デパートの担当外商が同じこともあるので、時には彼らにアドバイスをもらうこともありますね」
香りもパッケージも製法もセンスが息づく「LE LABOのアロマキャンドル」
誕生日や上場、昇進祝いに留まらず、新築や転居祝いなどプライベート感の強いシーンに贈り物をすることが多い中川氏。
そこで活躍するのが、LE LABOの1.2kgサイズのアロマキャンドルだ。セレブ御用達ホテルで採用されている香りの魅力もさることながら、重厚感のある木箱入りで器はコンクリート製と、インパクトは大!
「キャンドルはデュフューザーほど香りが強くないからか、皆さんに喜んでいただけます。それに、このサイズですからね。大勢が集まる誕生日パーティーに持っていくこともあるんですが、一度も被ったことはありません(笑)」
4.サプライズ上手な“アン ミカの旦那”セオドール・ミラー厳選ギフト5選
「選ぶのは、自分が感動したもの。その感動をみんなにシェアしたいんです」と話すのは、ラグジュアリーブランドのイベントや、世界のセレブリティのキャスティングなどを手掛けるセオドール・ミラー氏。
「イベントを企画する時に、誰にどう喜んでもらえるか、イベントというよりも“エクスペリエンス”をデザインするのが僕の仕事。ギフトも同様。何か素敵なモノや美味しいモノに出合うと、その感動を自分だけに留めたくない。これを僕以上に喜ぶ人は誰だろうと思い浮かべながら、購入しておくのです」
だから誕生日などの特別な日に限らず、何気ない日に「あなたの好きそうなものを見つけたから」と渡すことも多いそうだ。
「そうやって渡すギフトは、ずっと会っていなくても、あなたのことを気にかけていたという気持ちも伝えることができますよね」
ウイスキー×コーヒー?! 「ザ・マッカランの限定品」
スコットランドを代表するシングルモルトウイスキー、ザ・マッカランのなかでも、自然とのつながりとサステナビリティの歩みに焦点を当てた限定シリーズが「ハーモニーコレクション」。
「マッカランというだけでも喜ばれますが、ウイスキー好きの経営者は多いので、もうひとひねり欲しいと思った時に出合ったのが、このコーヒーの専門家とコラボレーションして造られた『インテンスアラビカ』。
まるでコーヒー豆が入っているかのようなスモーキーな香りが本当に美味しくて、すぐに数本購入しました。今はもう入手困難みたいなので、本当に喜んでもらえます。ラベルやパッケージにはコーヒー豆の廃材を使用しているので、渡す時にそんなストーリーも伝えられるのがいいんです」
5.布袋寅泰の還暦には赤いスタンド、大地真央にはバーキン。人気デザイナーのひと味違う贈り物3選
「ギフトには相手を敬う気持ちと、相手が幸せになるようにという願いを具現化した贈り物を選ぶ」と話す、デザイナーでグラマラス代表の森田恭通氏。
贈り物を選ぶとき、相手が喜ぶことはもちろん、そこに“驚き”を加えることが、森田氏の大きな目論見であり、流儀だという。
「オリジナリティがあるものほど、ギフトは喜ばれます。前もって準備できる時は、相手の趣味や嗜好を形にしたオリジナルを僕が考え、友人のクリエイターに創ってもらいます」
布袋寅泰氏の還暦のお祝いには、赤いキャンドルスタンドを作り、ボディには布袋氏のギターの幾何学模様の柄、通称「ギタリズム柄」をデザインした。
「どこを探して買えないものなので、喜んでいただけたようです」
さり気ないセンスが光る「エルメスのプティ アッシュ」
自分が手を加えずとも、ひと捻りあるギフトを選べるのがエルメスのプティ アッシュ。もともとウィットに富んだアイテムが好きな森田氏はギフトに贈ることが多いという。
「バッグやスカーフの制作途中で生まれた“使われなかった素材”を再利用。遊び心に溢れた作品へと生まれ変わらせるというコンセプトも素敵で、差し上げた時のお相手の喜ぶ顔が最高なんです」