仕事柄多いのは開店祝い。手土産、誕生日祝い、還暦祝い、そして妻(女優・大地真央)への贈り物も。人とは違うオリジナリティのあるギフトを選ぶことにかけては、時間と手間を惜しまないというデザイナーの森田恭通氏。自らデザインしてオーダーメイドを作るほどのこだわりを見せる、森田流ギフト選びについて話を聞いた。【特集 最上級ギフト2023】
「感謝と幸せを願う思いをこめ、オリジナリティも重視します」
「ギフトには相手を敬う気持ちと、相手が幸せになるようにという願いを具現化した贈り物を選ぶ」と話す、デザイナーでグラマラス代表の森田恭通氏。
贈り物を選ぶとき、相手が喜ぶことはもちろん、そこに“驚き”を加えることが、森田氏の大きな目論見であり、流儀だという。
「オリジナリティがあるものほど、ギフトは喜ばれます。前もって準備できる時は、相手の趣味や嗜好を形にしたオリジナルを僕が考え、友人のクリエイターに創ってもらいます」
布袋寅泰氏の還暦のお祝いには、赤いキャンドルスタンドを作り、ボディには布袋氏のギターの幾何学模様の柄、通称「ギタリズム柄」をデザインした。
「どこを探して買えないものなので、喜んでいただけたようです」
さらに妻である女優・大地真央さんに結婚前にプレゼントした「バーキン」もオリジナル。
「カスタムペインターの倉科昌高さんにオーダーして、黒いバーキンにシルバーの馬を描いたファイヤーパターンにカスタムしていただき、世界にひとつのものにしてプレゼントしました」
そのためには贈る相手の趣味趣向だけでなく、近況なども徹底リサーチするという。
「その他にも例えば、歌謡曲が好きなバルニバービの佐藤裕久会長の誕生日には、CDセットを贈りました。
この時は、僕なりにお店で2時間かけて厳選した50枚ほどの昭和歌謡CDを選び、嬉しいことに、大変喜んでいただけました。
また、僕自身が撮った写真を額装したり、Tシャツにプリントしたものも、やはりオリジナルということでかなり喜んでいただけます」
品物に加えてその人のためにかけた手間や時間は確実に相手に伝わる。そんな付加価値を用意して、相手に「贈る品で相手を敬う気持ちと、その品物で相手が幸せになりますようにという願いを込め」驚きを与えるのが何より森田氏のギフト選びの流儀なのだ。
森田恭通のひと味違うギフト3選
1.さり気ないセンスが光る「エルメスのプティ アッシュ」
自分が手を加えずとも、ひと捻りあるギフトを選べるのがエルメスのプティ アッシュ。もともとウィットに富んだアイテムが好きな森田氏はギフトに贈ることが多いという。
「バッグやスカーフの制作途中で生まれた“使われなかった素材”を再利用。遊び心に溢れた作品へと生まれ変わらせるというコンセプトも素敵で、差し上げた時のお相手の喜ぶ顔が最高なんです」
2.世界的に注目を集める「ジャルダン・デ・フルールのフラワーアレンジメント」
東京・青山に試験管のような花瓶がズラリと並ぶ、まるで“実験室”のような不思議な花屋がある。注文を受けてから花を仕入れ、“究極の一点物”を作り出すオートクチュールの花屋として知られる「ジャルダン・デ・フルール」だ。
営むのは美術館やギャラリー、名だたるファッションブランドからの指名も絶えず、海外メディアも注目する世界的なフラワーアーティスト、東信(あずままこと)氏。
「店舗開店の祝い花やライブのお祝いなど、花は東さんに頼めば間違いない。日本で一番センスがいいフラワーアーティストだと思います」
森田氏が主に頼むのは色鮮やかなアレンジではなく、グリーンと白をベースにした3万円ぐらいの予算のアレンジだという。
「そんなシンプルなオーダーでさえ、極めて素晴らしい仕上がりなのが、まさに彼のオリジナリティなんです」
3.照明にこだわるデザイナーが太鼓判を押す「ソニーのグラスサウンドスピーカー」
「僕がインテリデザインの際に照明にこだわることを知っている方も多いので、手軽にあえて選ぶのがソニーの『グラスサウンドスピーカー』です。
スリムな有機ガラスのスピーカーはどんなインテリアの部屋にも合うし、邪魔しないデザイン」
有機ガラス管の全面から高域、中域、低域が水平に均一に広がる音響構造で、目の前で生演奏が行われているかのようなリアルな音が楽しめる。
さらに光の強弱を調節できるほか、音楽に光を連動させる機能も搭載。ライティングにこだわって空間をデザインする、まさに森田氏らしいギフトである。