2025年に読まれたクルマの人気記事をまとめてお届け! ※2025年2月〜7月掲載記事を再編。

1.納期短縮で狙い目「ランドクルーザー“250”」は、ランクル“300”とどこが違うのか?【試乗】

トヨタ・ランドクルーザー“250”を街なかで目にする機会が増えてきた。相変わらず品薄状態は続いているけれど、ガソリンエンジン仕様に関しては納期がかなり短縮されているという。兄貴分にあたるランドクルーザー“300”の受注停止が続いているいま、“250”のデリバリーがスムーズになりつつある現状は、この手のクルマの購入を考えている方にとって朗報だろう。
そこで今回は、ランドクルーザー“250”のインプレッションをお伝えしたい。試乗したのは、3列シートを備える最上級グレードのZX。ランクル“250”には2.8ℓ直列4気筒ディーゼルと、2.7ℓ直列4気筒ガソリンの2種類のエンジンが存在するけれど、ZXグレードはディーゼルエンジンのみの設定となる。
ランクル“250”と対面しての第一印象は、ありきたりではあるけれど「デカい」というもの。“250”は“300”の小型版だと思われがちであるけれど、実はそれほどサイズ感は変わらないのだ。全長こそ“250”のほうが60mm短いものの、幅と高さはほとんど同じ。というのも両者の基本骨格は共通で、ホイールベース(前後の車輪の間隔)も同じなのだ。
2.リシャール・ミルが、“オートバイのロールス・ロイス”とコラボした究極バイク「RMB01」

革新的な素材や技術を積極的に取り入れ、大胆なタイムピースを生みだし続けるリシャール・ミルが、オートバイメーカーのブラフ・シューペリアとコラボした特別なバイク「RMB01」を発表した。
1919年にイギリスで設立されたブラフ・シューペリアが製造するバイクは、その高い性能と高品質な仕上がりから「オートバイのロールス・ロイス」とも形容される。
今回のコラボにあたって、リシャール・ミル氏とブラフ・シューペリアCEOのティエリー・アンリエット氏は約18ヵ月間にもわたる共同作業と12回に渡る試作を行ったという。
デザインは1910年代のアメリカで登場した史上初のレーシングバイク「ボードトラッカー」から着想。
細長いガソリンタンク、ミニマルなシート、剥き出しのエンジンなどのシンプルなデザインを現代的にアレンジし、力強いラインを強調することで疾走するヒョウのようにダイナミックなシルエットのマシンが誕生した。
3.世界中で依頼が殺到。ポルシェ911のレストアで注目される「Singer」とは

ポルシェ911のレストアで注目されるシンガーというブランド名は、創業者のロブ・ディキンソンがキャサリン・ホイールというオルタナ系ロックバンドのボーカリストだったことに由来する。アイアン・メイデンのボーカル担当のブルース・ディッキンソンはロブの従兄弟に当たるから、“シンガー”の家系だと言ってもいいかもしれない。
イギリス東部に生まれたロブはクルマも好きで、コベントリー大学でデザインを学んだ後、デザイナーとしてロータスに入社する。しかしミュージシャンの夢を諦められず、1990年にキャサリン・ホイールは音楽シーンにデビューする。
バンドで活躍していた1996年、ロブは’87年型のポルシェ911を手に入れた。その魅力に取り憑かれた彼はバンド解散後、2000年代にアメリカ西海岸に渡ってソロ活動を続けるかたわら、ポルシェのレストアにも熱中するようになった。
そして2009年、カリフォルニアにシンガー・ヴィークル・デザインを設立、モントレー・カー・ウィークに出展したポルシェ911が評判となり、レストアの依頼が殺到した。現在はイギリスにも拠点を置き、高まる需要に応える体制を整えている。
4.約5億円でも完売! スーパーカーを超える“ハイパーカー”、パガーニ「ウトピア・ロードスター」の凄さ

スーパーカーを超える、ハイパーカーと呼ばれるカテゴリーで最も成功を収めているブランドのひとつがパガーニだろう。ランボルギーニで研鑽を積んだアルゼンチン人デザイナーのオラチオ・パガーニ氏が1992年に設立した比較的新しい自動車会社であるが、1台数億円のモデルは発表した途端に完売。納車を待つウェイティングリストには、錚々たるセレブリティたちが名を連ねている。
デザイン、エンジニアリング、マーケティングなどなど、パガーニが成功した理由はいくつか挙げることができる。ただし、そうした難しいことよりももっとシンプルに、クルマの原点に回帰したことが支持されている理由ではないだろうか。
クルマが実用の道具として進化したのは、第二次大戦以降だ。戦前のクルマの黎明期、この乗り物はやんごとなき身分の人々の遊び道具だった。
誰よりも速くて遠くまで行ける、俺だけの格好いいやつを造ってくれ――。
こうしたリクエストに応えてクルマは高性能化を果たし、ジェントルマンはレースに夢中になり、サーキットは紳士淑女の社交場となった。パガーニのクルマ造りは、こうした幸せな時代に立ち返っているように思えてならない。
5.グリルがいい! ボルボの新型「XC90」を北欧で試乗してみた

数十年ぶりに降り立ったデンマークの首都コペンハーゲンの空港は過剰な広告などもなく、心地いい空気が流れていた。驚いたのは空港内各所にセブン-イレブンがあることで、店舗のみならず自動販売機まであった。同社の赤、緑、オレンジの原色ロゴがよくも悪くも目立っていたのが印象的だった。
「VOLVO」のロゴを持ったガイドに導かれ、集合場所へと徒歩で向かう。本社のスタッフからプレゼンを受けた後に、ホテルの外に数台並ぶ新車「XC90」と対面した。
「グリルがカッコいい!」
真っ先にそう感じた。資料で写真は見ていたものの、実物の顔の美しさ、精悍さはとても鮮烈だった。
「頑強で安全性が高いことを示すボルボのエンブレム(アイアンマーク)の右上にある矢印からインスパイアを受けたデザインなんです」
本社スタッフはそう話す。過去のXC90とも一線を画す、若々しいオーラとプレミアム感が融合した見事な仕上げだ。

