2001年に5代目が生産終了となって以来、24年ぶりにホンダ「プレリュード」が復活した。F1で活躍するなどスポーティなイメージのあるホンダだが、近年のラインナップからはスポーツカーが少なくなっていた。それだけに、ホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載した新しい時代のスポーツカーへの期待が高まる。

エモーショナルなクーペ
ホンダ「プレリュード」復活! このニュースは、1982年に登場した2代目「プレリュード」を覚えている方の心に響いたはずだ。ボンネットを低くするために新設計した足回りや、運転席から助手席の背もたれを倒せるレバーなどが斬新で、バブル前夜の浮ついた空気とあいまって、“デートカー”という言葉を生みだすほどのヒット作だった。
ただしSUV全盛の今、2ドアクーペがどのように受け止められるのかは気になるところ。そもそもクーペとは何かというと、フランス語で「切る」という意味の言葉。何を切ったかというと、馬車の時代に客室の後部を切った。そうするとフォルムがシュッとして、軽くなることで速くなった。そしてここが大事な点なのだが、プライベートな空間になるから、ふたりきりで大事な話をすることができた。つまり、格好よくてガンガン走って口説けるという乗り物がクーペだった。
時は流れて、技術進歩によって背が高いクルマでも快適かつパワフルに走るようになった。それならば広々としていて見晴らしもいい、機能的なクルマを選ぶほうが賢いということでSUVとミニバンが隆盛になった。
この時代に「プレリュード」に勝機があるとしたら、クーペ本来のエモーショナルな魅力を極めることだろう。まず、スタイリングに関しては、真横から見た時のルーフラインの美しさは特筆もの。ゴツいSUVが闊歩する街中で「プレリュード」を見かけたら、ハッとさせられるに違いない。走りに関しては、“世界最速のFF車”の座に輝いたシビック「タイプR」譲りの足回りと、ホンダ独自のハイブリッドシステムの組み合わせで盤石だ。
率直に言って、今さらクーペの時代が来るとは思えない。ホンダが計画する月間販売台数もわずか300台。それでも、格好よくて速くてモテる「プレリュード」を乗り回す“ええかっこしいな大人”が元気な世の中は、活気があって面白い。
1.開発コンセプトは「UNLIMITED GLIDE」。滑空するグライダーから着想を得た。
2.車体後方にかけて、優雅な弧を描くルーフラインがデザインのハイライト。
3.シンプルかつ機能的で清潔な、ホンダらしい内装。
4.後席を倒せば9.5型のゴルフバッグをふたつ搭載可能。
5.フロントブレーキは高性能車の定番であるブレンボ製を採用。
HONDA PRELUDE

エンジン:2.0ℓ 水冷直列4気筒横置(e:HEV)
ボディサイズ:全長4520×全幅1880×全高1355mm
最高出力[エンジン]:104kW(141PS)/6000rpm
最高出力[モーター]:135kW(184PS)/5000−6000rpm
最大トルク[エンジン]:182N・m(18.6kgf・m)/4500rpm
最大トルク[モーター]:315N・m(32.1kgf・m)/0−2000rpm
燃料消費率:23.6km/L(WLTCモード)
車両重量:1460kg
価格:¥6,179,800〜
問い合わせ
ホンダお客様相談センター TEL:0120-112010








