業界随一のスイーツ男子にして手土産の達人でもある前園真聖氏。年々増え続ける手土産リストから“今イチオシ”の3品をピックアップ!【特集 最高の手土産】

作り手や接客、店の雰囲気も、美味しさの一要素
プリンにはじまり、今では和洋問わず、あらゆるジャンルのスイーツに精通している前園氏のもとには、“美味しいモノ”が集まってくる。
「『あそこの〇〇は好きだと思うよ』といった情報もあれば、実際に商品を贈っていただくケースもあります。僕の好みを知っている人からのおすすめなので、どれも気に入って、ほぼ100%リピートしちゃいますね(笑)」
オンライン販売のみというアイテムは別にして、実店舗がある場合は、足を運ぶのが前園氏のモットー。
「レストランは、味だけでなく、シェフの人柄や接客、客層、店の雰囲気なども込みで、自分に合っているかどうかをジャッジしますよね。それと同じで、スイーツも、『こういうお店で、こういう人がつくっているんだ』と知ることで、好きという気持ちが倍増するんです。手土産にする時も、『いつもお客さんが多くて、活気のあるお店でね』といった話ができ、盛り上がります」
スイーツ男子・前園真聖の手土産3選
1. サブレショコラアラフルールドセル/Ryoura(東京)
甘さとしょっぱさが絶妙なサブレ

カカオを練りこんだ生地にチョコチップとフランス産岩塩、フルールドセルをアクセントに効かせたサブレは、やみつきになる美味しさ。¥880、個包装の焼き菓子などとの詰合せに最適なBOX¥450(Ryoura https://www.ryoura.com)
「近くを歩いていたら、スカイブルーの明るい外観の店に行列ができていて。『何屋さんだろう?』と覗いてみたらパティスリーだったので、迷わず列に並び、購入したら大正解! 以来何度もリピートしています」
前園氏を瞬く間に虜にしたパティスリー「Ryoura(リョウラ)」が、東京・用賀にオープンしたのは2015年のこと。以来10年、フランス各地で腕を磨き、帰国後は「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」などで活躍した菅又亮輔オーナーパティシエの手による美味を求め、連日訪れる人が絶えない。
「ケーキも焼き菓子も美味しいんですが、手土産にするなら『サブレショコラアラフルールドセル』がイチオシ。チョコの甘さと塩のしょっぱさが絶妙なバランスで、チョコチップのザクザク感も楽しくて、パクパクと何個でもいけちゃうんですよ。もう危険な美味しさですね(笑)。ホロッとした口溶けも、僕好みです」
サブレは他に、バニラ味やシナモンを効かせたチョコ味、メープルシュガーとくるみなど7種類。数種類を組み合わせたり、焼き菓子とセットにして贈るのもおすすめだという。
「詰合せ用のBOXも、花や動物など何種類か柄があって楽しいんですよ。とくに動物のイラストがあしらわれたものは、お子さんのいる家庭にお持ちすると、すごく喜ばれます」
2. 八雲もち/御菓子所ちもと(東京)
中田英寿も愛する老舗のロングセラー

手で触れると形が変わるほど柔らかいのに適度な弾力もある独特の食感とカシューナッツの香ばしさは、クセになる味わい。竹皮の包みにも風情が感じられる。[8個入]¥2,374(御菓子所ちもと https://chimoto-yagumomochi.com)
東急・都立大学駅にほど近い目黒通り沿いに、坪庭の向こうにのれんが揺れる、なんとも風情のある佇まいの店がある。それが、前園氏が、友人の中田英寿氏から教えてもらったという「御菓子所ちもと」だ。
「一見すると、老舗感がすごくて、敷居が高い印象がありますよね。ヒデに教えてもらってなければ、入るのを躊躇していたかもしれません(笑)。お店の中も落ち着いた和の雰囲気で、とても素敵なんですよ」
この店で、前園氏が手土産として推すのは、昭和40年の創業以来のロングセラー「八雲もち」。もち粉に上白糖と黒糖、寒天とメレンゲを混ぜた泡雪(あわゆき)に、砕いたカシューナッツを加えたオリジナル商品である。
「お餅ではあるのですが、重たい感じがまったくないんです。甘さ控えめで、黒砂糖の風味とカシューナッツの食感が効いていて、これまた何個でも食べられる(笑)。僕は、年配の方に食事に招いていただいた際の手土産として、よく利用させていただいています。ひとつずつ竹の皮に包まれているので配りやすいこと、生菓子だけど消費期限が5日間と比較的長いことのも、手土産向きだと思います」
3. 新生酪農の白いバター/新生酪農(千葉)
バゲットにも焼き芋にもと応用自在

輸入天日塩を沖縄の海水で煮立てた「沖縄の塩シママース」を使用。賞味期限の目安は製造から45日目安。[130g]¥600(新生酪農 https://sinseirakunou.com/)
前園氏の手土産リストの中で最も新しいのが、少し前に出会ったばかりのこちら。本来の味と栄養を損なわないよう、パスチャライズド製法にこだわる「新生酪農」が、低脂肪牛乳を製造する際にできる新鮮なクリームを原料につくった“白いバター”だ。
「千葉県に住む友人から、ソフトクリームが美味しいと聞いてショップにおじゃましたところ、”人気“というポップが目に留まって、自宅用に買って帰ったんです。バゲットにつけて食べてみたら、驚くくらい美味しくて! バターという名称ですが、コクがあるのに軽くてミルキーで、ホイップクリームに近い感じ。以来ハマって、トーストに塗ってみたり、焼き芋につけてみたり。最近我が家のバターは、これ一辺倒ですね」
前園氏が「ホイップクリームのよう」と称する通り、柔らかめに造られており、白い色とフレッシュ感があるのも特徴。
「リーズナブルな値段なので、周囲に『ぜひ試して』と気軽に渡せるのもいいですよね。この美味しさ、みんなに知ってもらいたい!」
前園真聖/Masakiyo Maezono
1973年鹿児島県生まれ。鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。アトランタオリンピック本大会では、チームのキャプテンとしてブラジルを破る「マイアミの奇跡」に貢献。その後日本だけでなくブラジル、韓国などの海外クラブでもプレーし、2005年に現役引退。現在は、サッカー解説などメディアに出演しながらも、サッカースクールや講演を中心に全国の子供たちにサッカーの楽しさや経験を伝えるための活動をしている。

