業界きってのスイーツマニアで、オンラインストア「にほんものストア」でスイーツマスターとしても活躍する前園真聖氏。毎日甘いものを口にするというスイーツ伝道師の手土産セレクト術とは!?
前園真聖「おいしいものを口にすると幸せな気持ちになる」
「僕にとって手土産は、自分がおいしいと思ったものを、大切な友人たちに食べてほしくて渡すもの。おいしいものを口にすると幸せな気持ちになるじゃないですか。それをお裾分けしたいという感じですね。相手に、『おいしい! これ、どこで買えるの?』なんて言ってもらえたら、それだけで大満足です」
ホームパーティーなどその場で開けるのが前提の場合はケーキのような生菓子を持参することもあるが、基本は、相手が食べるタイミングを気にせずに済む日持ちがするスイーツを選ぶ。それは、おいしさの押し売りにならないよう、相手の状況を第一に考えてのこと。
「お返しなど気にせず純粋に楽しんでほしいので、値段もパッケージも気軽なものが多いですね。立派な袋に入っていると相手も恐縮して受け取りづらいけれど、『これ食べて』って片手でポンと渡せるようなものだと、気軽に受け取ってもらえますから」
とはいえ、“前園リスト”に並ぶのは、値段やパッケージは気軽でも、手に入れるのはハードルが高いものが主流。販売日が限られているものや期間、数量限定で予約必須のものも少なくない。そのため、手に入る時にまとめ買いし、ストック。友人に会う予定ができたら、その中から持って行くものを選ぶそうだ。
「地方にイベントや講演で出かけた際、地元のおいしいスイーツをいただくことも増えました。お返しに僕が気に入っているお菓子を送るなど、スイーツが縁で交流が始まった方もいます」
おいしいものは、幸せのお裾分けだけでなく、人と人をつなぐ術にもなるようだ。
元サッカー日本代表・前園真聖のとっておきの手土産3選
1.食通の中田英寿も魅了された
パティスリー・ナオキ「焦がしバター醤油クッキー」
前園氏がプリンを目当てに長年通っているのが、東京・駒沢と深沢にある「パティスリー・ナオキ」。
「たまたま目についた焦がしバター醤油クッキーを買ったところ、初めて体験したおいしさで。あまじょっぱくて、クセになる味なんです。2回目に買いに行った時は店になくて、オーナーに聞いたら、すぐに売り切れる人気商品だそうで。それから、まとめ買いするようになりました」
中田英寿氏にも“お裾分け”し、気に入ってもらったとか。
「1つのパッケージに7枚入りで値段も580円程度。友人が集まる際、ひとりにひとつ配るのにも向いています」
2.週に2回、オンライン販売のみの幻の味
ZAXFOX「Cheesy Poche」
富山の町の小さな洋菓子専門工房の看板アイテムとの出合いは、インスタグラム。
「スイーツ系のインスタはよくチェックするんですが、これは写真を見ただけで『おいしそうだな』と。取り寄せてみたら、大正解! 僕は、基本的にシンプルなお菓子が好きなんですが、このクッキーはまさにそれ。口の中にチーズの風味が広がり、それでいて軽やか。いくらでも食べられます」
毎週日曜と火曜の10時から、数量限定、完売次第終了という狭き門ゆえ、「当日は10時少し前からスマホ片手にスタンバイしています(笑)」。
3.かしこまった場面でも喜ばれる“とっておき”
パティスリーエトネ「和栗のテリーヌ」
気軽な手土産が信条の前園氏だが、食事に招かれるなど、かしこまった場面では、見た目も値段も重厚感のある「和栗のテリーヌ」を活用。素材本来の味を大切に、クラシカルながら驚きのあるおいしさを追求する兵庫県・芦屋のパティスリーエトネのテリーヌは、1日10本の限定販売の希少品だ。
「初めて食べた時は感動しました。栗がゴロゴロ入っていて、ものすごく濃厚なのに、重過ぎず、絶妙なバランス。よけいな材料を加えず、栗本来の甘味が生きています。実はこれも、インスタで見つけました(笑)」