名だたる店のご飯のお供をフードライターの小寺慶子がピックアップ。老舗の料亭から予約困難なビリヤニ店まで「Oh! 米ゴッド」な逸品が勢揃い！ 【特集 ご飯のお供】
1．東京｜Wakiya 一笑美茶樓「麻婆たらこ」
中国料理の名手が手がける辛旨たらこに心もシビれる！
コースで提供するモダンチャイニーズを日本に広めた脇屋友詞シェフがレシピを考案。北海道・鹿部町で55年続く丸鮮道場水産のたらこのなかでも地元産スケソウダラの成熟卵を厳選。下漬けしてから数種の豆板醤や山椒などをベースにしたオリジナルの特製醤に漬けこんだ「麻婆たらこ」は、赤坂の「Wakiya 一笑美茶樓」をはじめ、脇屋シェフの集大成としてオープンした「Ginza 脇屋」でも提供。
「ぷちぷちとした食感のたらこに内包された旨みとシビレ感が口中に交互に広がりご飯が無限に進みます」
Wakiya Ichiemicharo
住所：東京都港区赤坂6-11-10
TEL：03-5574-8861
定休日：不定休
2．東京｜くじら料理 うずら「畝須（うねす）くじらベーコン」
昭和48年から愛され続ける鯨料理店の名物を堪能
東京を代表するくじら料理の名店が2023年、白金高輪に復活。名物の「くじらのはりはり鍋」と同様に、店で人気の「くじらベーコン」は脂ノリのいい下あごの畝須と呼ばれる部位を使用。滋味に富んだ珍味は、さっぱりとクセがなく、お好みで辛子をつけても。
「日本に伝わる鯨食文化を堪能できるお店の名物を自宅でも。鯨肉にはバレニンという疲労回復成分が多く含まれており、夏バテしがちなこの季節にも積極的に取り入れたい食材です。『くじらベーコン』は、上品な脂の甘みがじんわりと広がる逸品」
Kujiraryori Uzura
住所：東京都白金1-12-20
TEL：03-5421-8920
定休日：日、月曜不定休あり
3．東京｜ビリヤニ大澤「ビリヤニの素」
魔法のような万能スパイスで白米がたちまちビリヤニに！
インドやパキスタンで食べられるビリヤニの専門店。店主の大澤孝将さんは2011年に日本ビリヤニ協会を設立。肉やスパイス、米のコンビネーションでどこまでビリヤニが美味しくなるかを追求し、家庭でも気軽にその味を楽しんでもらえるようにと開発したペースト状の万能スパイス「ビリヤニの素」がインド料理ファンの間で話題に。ご飯はもちろんのこと、サバ缶や唐揚げに添えるのもお薦め。
「一から自分でビリヤニを作るのはハードルが高いですが、これさえあればいつでも名人級の味を楽しめます」
Biriyani Osawa
住所：東京都千代田区内神田1-15-12 佐藤ビルB1
TEL：非公開
定休日：不定休
4．東京｜NAOTO×ミート矢澤「肉めしのアタマ」
黒毛和牛の旨みに唸る肉めしに胃袋が歓喜！
東京・五反田に本店を構える肉好き垂涎のレストランが、食通で知られるEXILE NAOTO氏とコラボレーションした「肉めしのアタマ」を限定販売。北海道の美瑛（びえい）矢澤牧場で育てられたYAZAWA BEEFとかつお出汁のコンビネーションを楽しみたい。
「自社で肥育するYAZAWA BEEFの濃厚な味を生かすべく考え抜かれたタレの風味もパンチがあり、湯煎して炊きたてご飯のうえにのせるだけで至高の一杯に。半熟卵を合わせたり自分好みにアレンジをするのもお薦めです。まさに、おうち牛丼界のドン！」
Meat Yazawa
住所：東京都品川区西五反田2-15-13 ニューハイツ西五反田1F
TEL：03-5436-2914
定休日：無休
5．富山｜御料理 ふじ居「海老おぼろ」
心ほぐれる“富山湾の宝石”の優しい風味を存分に
ミシュランガイド北陸2021で2つ星を獲得した日本料理店。金沢や京都でも研鑽を積んだ店主の、素材を尊び丁寧に活かす心がつまった「海老おぼろ」は、富山名物の白海老と甘海老の2種を湯煎にかけて、しっとりとしたおぼろ状に。炊きたてのご飯にのせたり、おむすびの具材やオムレツに加えても。
「富山湾の恵みがひと瓶にたっぷり。ふんわりと広がる上品な海老の風味とご飯の甘みが優しく重なり合って、ひと口ごとに心が満たされます。桐箱入りは贈り物にしても喜ばれること間違いなし」
Oryouri Fujii
住所：富山県富山市東岩瀬町93
TEL：076-471-5555
定休日：月、第3火曜
6．新潟｜兄弟寿し「烏賊塩糀ふぐ子和え」
新潟で愛される郷土料理を人気鮨店がブラッシュアップ
東京で修業を積んだ2代目が腕を揮う新潟を代表する鮨店。朝獲れの魚介をはじめ、県産食材を用いたつまみや握りを目指して、国内外から多くの食通が訪れる。「烏賊塩糀ふぐ子和え」は、細切りにした真いかを半日かけて干して旨みを凝縮。酒粕漬けのふぐの卵巣と塩糀で和えた珍味のほどよい塩味に、ご飯が進むことうけあい。
「日本海で獲れるごまふぐの卵巣を酒粕で熟成させたふぐ子の粕漬けは、新潟県に古くから伝わる郷土料理のひとつ。上品な塩気とイカのしなやかな旨みが後を引きます」
Kyodaisushi
住所：新潟県新潟市中央区東堀通8番町1427-2
TEL：025-224-9581
定休日：日曜、不定休あり
7．福岡｜馳走なかむら「肉胡椒」
ミシュラン2つ星店の技がぎゅーっと凝縮
福岡を代表する正統派の懐石料理店では、常連客からの人気も高い“おもたせ”が。甘やかな脂がのった九州産の黒毛和牛のイチボに柚子胡椒を添えて、味醂や醤油と炊き上げた「肉胡椒」の賞味期限は開封後3日。“旬”と“瞬”をいただく日本料理の心をじっくり味わいたい。
「黒毛和牛ならではの甘みや旨みが上品に広がり、ぴりりとした辛みがアクセントに。黒胡椒ではなく、後味に爽やかな余韻を残す柚子胡椒を使用しているのも技ありです。食べる分だけを別皿に出して少し温めるとより美味しくなります」
Chisou Nakamura
住所：福岡県福岡市博多区対馬小路2-10
TEL：092-292-7663
定休日：日曜、祝日
小寺慶子
肉を糧に生きる肉食系フードライターとして雑誌やWebなどに執筆。趣味は肉旅（ミートリップ）と酒場で食べ物回文を考えること。「生のたらこ!? こら、頼まな！」（ごはんのお供にぴったり♡）
