レストランを愛してやまない秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2024」。シェフズテーブルのような料理人とゲストが一体化した“弩級の特等席”をご紹介。今回は東京・銀座の「Ginza 脇屋」。
見城「設しつらえも素晴らしい。シェフズカウンターの極み」
赤坂で3店舗を展開する、中国料理の巨匠で“厨房の哲学者”こと脇屋友詞シェフが2023年12月、自ら腕を揮うシェフズカウンターのある新店舗を銀座にオープン。創意溢れる料理を五感で楽しませてくれる。
見城 脇屋さんが65歳にして銀座に自社ビルを建ててこの店を造ったんです。1階は個室で2階は8席だけの劇場のようなオープンキッチンのカウンター席。
秋元 すべてをやり尽くした年齢になられると、お客様の顔を見ながら好きなことを突き詰めたいと思うのでしょうね。80席のレストランを8席の小さなお店にすることに決めた、フレンチの三國(清三)さんも然り。今、名料理人の「8席説」っていうのがあるんじゃないかな。
見城 確かに。ここはシェフズテーブルといった特別感ある雰囲気。シェフ自らが料理し、その説明もしてくれて和気藹々(わきあいあい)。そんな料理の音、器の響き、ソムリエの流暢な説明、客同士の会話も相まったさんざめきも心地いい。敢えてBGMを流していないのも頷ける。アートも素敵で、まさに脇屋さんの集大成!
秋元「僕と同じ歳で新たな挑戦。気合いの入った料理にただただ圧倒」
中田 僕は会話の合間の沈黙が苦手でBGMがないと不安なのですが、ここなら大丈夫かも。
小山 ヒデくんは器好きだから、素敵な器にきっと会話も弾むよ。
中田 お料理は赤坂の各店舗とだいぶ違うんですか?
見城 赤坂はオーソドックスな中国料理の最高峰。銀座は中国の伝統料理に独自の解釈も加えて新たなスペシャリテを生みだそうとしている感じ。命を削って美味しい料理を考えているシェフだと感服させられるよ。
秋元 新たな挑戦に胸を打たれます。一品一品考えながら食べるので、こっちも気合がいる。そういう意味では、『Wakiya一笑美茶樓』のような赤坂のお店とはまったく違った楽しみ方ができますね。
小山「〆の白米ご飯とおかずに感動。美味しすぎて3杯もお替わり!」
小山 僕は土鍋ご飯と、その白米にのせて食べる「麻婆たらこ」「鮭とイクラのXO醬和え」の〆に感動しました。3杯もお替わりをしてしまったくらい。
見城 赤坂3店にハイエンドな銀座。今後どう使い分けるかが『脇屋』に溺れる恍惚だね(笑)。
Ginza 脇屋/ギンザ Wakiya
3階は蕎麦好きの脇屋シェフが、中国料理の要素も交えた蕎麦割烹をプロデュース。名人高橋邦弘氏(山梨『翁』)に師事した森大和氏が店主を務める
住所:東京都中央区銀座5-10-5 スリーY’S&D 1・2F
TEL:050-3662-1535
営業時間:17:00~22:00
定休日:不定休
座席数:カウンター8席、個室1室(¥55,000のコースにて予約可、個室料は4名以下¥30,000、5名¥20,000、6名以上なし)
料金:おまかせコース¥35,000、伝統と創作特別コース¥55,000、ペアリングドリンク¥20,000
※完全予約制
この記事はGOETHE 2024年7月号「総力特集:恍惚レストラン ゲーテイスト2024」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら