福岡県・北九州市主催「TAKUMI KITAKYUSHU」が、2026年9月11日にリーガロイヤルホテル小倉で一夜限りの幕を開けた。100席限定、ペアリング込み10万円の席は完売。日本屈指の鮨店である「天寿し 京町店」を中心に、北九州の鮨名店の「寿司つばさ」や、「寿司もり田」、人気イタリアンの「Bekk」、予約困難な日本料理店である「TOBIUME」、鰻の名店の「田舎庵」が集結した。それぞれの料理を並べるのではなく、暖簾とジャンルを越えてひとつのコースを創造。北九州を“すしの都”として世界へ発信する、かつてない饗宴となった。

街をひとつのコースに! 北九州の美味が目を覚ます
玄界灘、響灘、周防灘の3つの海と関門海峡に囲まれ、豊かな漁場と市場をもつ福岡県・北九州市。「すしの都」としてブランド化と情報発信を進める美食の街だが、その実力を“街の価値”として世界へ届ける機会はまだ多くなかった。そこで立ちあがったのが国内外の食文化に精通する美食家、本田直之氏だ。約2年をかけて料理人たちと対話を重ね、鮨、鰻、日本料理、イタリア料理の匠を一堂に集め、北九州という街をひとつのコースに仕立てる。競演ではなく共創。この土地に息づく美意識を料理に投影する試みだ。
象徴となったのが、「天寿し 京町店」、「寿司もり田」、「寿司つばさ」による共創「天寿し前三貫」。玄海烏賊、漬け鮪、関門とらふくを、3店がそれぞれの酢飯で一貫ずつ握った。受け継ぐ源流は同じでも、シャリも仕事も味わいも異なる。さらに、蒸し鮑、小倉牛の炭火藁焼き、天然鰻と特別なシャリを合わせたひと皿まで、北九州の海と大地の恵みが、店の垣根を越えて次々と姿を変えた。
「天寿し 京町店」の天野功一氏は「他店の料理人と一緒に鮨をつくるのは初めて。私にとって料理人人生の集大成に近い」と語る。父や先代から受け継いだ“足し算の鮨”を、次代の担い手と並んで握る。その言葉と所作には、街への誇りと未来へ味をつなぐ覚悟が垣間見えた。
北九州の美味を目覚めさせたのは、匠たちの技と、この街を世界へ届けたいという熱い情熱だった。











