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2026.09.15

「結果を出したのに、なぜ異動?」希望していない部署への異動を「評価が低い」と考えなくていい!?【識学22】

営業として結果を出し、次はマネージャーを目指していた。そんななか、突然命じられたのは未経験の管理部門への異動。「自分は評価されていないのでは」と不安になるのも無理はない。だが、5,000社以上が導入する組織マネジメント理論「識学」を提唱する安藤広大氏は、「異動はチャンス。経験の数を増やす機会だ」と言う。希望していない異動を、キャリアの転機に変える考え方とは。【その他の記事はコチラ

「結果を出したのに、なぜ異動?」希望していない部署への異動を「評価が低い」と考えなくていい!?【識学22】

「希望していない部署への異動=評価が低い」ではない

【相談】希望していない部署への異動は、評価が低かったからでしょうか(30代・営業)

入社8年目です。営業として結果も出し、次はマネージャーを目指していました。ところが突然、未経験の管理部門への異動を命じられました。理由を聞いても「会社として必要だから」としか言われません。正直、「評価されていないから“飛ばされた”のでは」と考えてしまいます。こういう異動は、どう受けとめるべきでしょうか?

組織の活性化や社員の適材適所、欠員の補完など、会社が人事異動を行う理由はさまざまだ。ただ、それがこれまで積み重ねてきた経験とは異なる部署や、自分が希望していなかった部署ということもある。

そんなとき、「異動は評価が低かった結果なのではないか」と考えてしまう人もいるだろう。しかし、識学代表取締役社長の安藤広大氏は、異動を「チャンス」と捉えるべきだと話す。

「いや、異動は経験の数を増やすチャンスだと捉えるべきです。以前も、さまざまな仕事が与えられて大変だという相談者に、その仕事ができると評価されているからこそ新たな仕事が与えられるという話をしましたが、異動も同様です」

人事異動について、社員が希望を出せる会社も多い。しかし、すべてが思いどおりにいくわけではない。

「決定権がなく異動が確定しているならば、抗うのではなく、新たな部署でどう自分の力を発揮するか、そのチャンスをどう生かすか。そこが大事だと思います」

「自分では動かせないこと」より、異動先での成果に集中する

では、希望していない仕事でも、本当にチャンスと捉えることができるのか。その答えを示すのが、安藤氏自身の経験だ。

「今の僕は営業力が強そうに見えると思いますが、実はNTTドコモ時代、営業は希望していませんでした。というより、営業には行きたくなかったんです(笑)。企画系に行きたかったのに、結局営業に配属され、正直嫌でした(笑)」

希望していた仕事とは違う場所から、安藤氏のキャリアは始まった。

「でも経験が少ないうちは、どんな仕事が自分に合っているか気づかないことも多い。実際に僕も自分なりに努力をしたら、やっぱり学ぶことがたくさんありましたし。結局、やりたくなかった営業でも実績を出し続けていたら、もともとの希望部署への人事が決まったんです。ちょうど辞めるときだったので、そこには行かなかったのですが」

これまでと異なる仕事であれば、その部署が具体的にどんな業務をしているのかも、実際に経験してみなければわからない。ましてや、自分にその仕事が合っているかどうかもわからない。

だからこそ、まずはそのチャンスに飛び込んでみることが大切だという。

「数学でいう変数と定数を人生に置き換えてみれば、定数とは自分では動かせない環境など。人事もそのひとつです。自分で動かせないものをいろいろ悩むよりも、変数、いわゆる自分自身で動かすことのできることに集中したほうがいいんです」

やりたくなかった仕事でも、成果を出せば次のキャリアにつながる

安藤氏が言う「異動はチャンス」という考え方は、識学の実例からもわかる。

「識学は福島のプロバスケットボールチーム『福島ファイヤーボンズ』のマネジメントもしているのですが(※2025シーズンまで親会社として支援)、その関連事業の一つである、郡山でピラティススタジオで責任者を務めているのは、識学に入社してピラティスのトレーナーをやるとは、きっと思っていなかったでしょう。でも、躊躇せず与えられた役割を果たしてくれたおかげで実績をあげています。

そうなると、経営者としては何か次のステージがあった時には、彼女に任せてみたいと思いますよね」

自分の意にそぐわない部署でも、実際に経験してみなければわからないことは多い。そして、そこで成果を出すことができれば、その経験は次のステージにつながっていく。

「自分では動かせない人事に悩み続けるより、異動先で何ができるかに集中する。そこで成果を出せば、必ず次につながるはずなんです」

希望していなかった仕事でも、そこで成果を出すことで、思いがけないステージが開けることがある。

思い描いていたキャリアとは違う場所にこそ、これまで知らなかった自分の可能性が隠れていることもある。異動をどう受け止めるかは、会社から与えられた辞令ではなく、その後の自分の行動によって変えられるのだ。

安藤広大/Kodai Ando
識学 代表取締役社長。1979年大阪府生まれ。早稲田大学卒業。大学時代はラグビー部に所属し、勝敗と向き合う厳しい環境で4年間を過ごす。NTTドコモ入社後、営業としてキャリアをスタート。上場企業への転職を経てマネジメントに携わるなかで、「人のやる気」や「人間力」に依存する組織運営に限界を感じ、識学と出合う。誤解や錯覚を排した明確なルールと仕組みによるマネジメント理論に強く共感し、事業部の立て直しでその有効性を実証。2015年に株式会社識学を設立し、創業4年足らず(3年11ヵ月)東証グロースに上場。現在は延べ5,000社以上の組織改革を支援している。組織マネジメントに関する著書は『リーダーの仮面』などベストセラー多数。「がんばっている人が、正しく報われる組織を増やしたい」という思いが、識学の根底にある。

TEXT=牛丸由紀子

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