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2026.09.14

多くの芸人がやってるライバルとの壁打ち…年間1000本の企画を生む人気作家が、芸人から学んだ2つのクリエイティブ法

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。

多くの芸人がやってるライバルとの壁打ち…年間1000本の企画を生む人気作家が、芸人から学んだ2つのクリエイティブ法

「桝本さんのを読んで、明石家さんまさん、令和ロマンら芸人さんのスキルが、職場でもたくさん活かせることを知りました。私は企画職なのですが、芸人さんのスキルを企画に活かせたりはするのでしょうか?」という質問をいただきました。

拙著を読んでいただきありがとうございます。18歳で芸人さんと働く業界に入り、劇場、メディア、そしてシェアハウスと、彼らと共に過ごしてきました。

今でも年間1000本を超える企画を創出できているのは、芸人さんから学んだ会話術やコミュニケーション力を、自分なりに咀嚼し、日々のビジネスに応用してきたからだと思っています。

そこで今回は、僕が溜めてきた知見の中から、『芸人さんのスキルを企画に活かす方法』をシェアしていきたいと思います。

芸人の「読む・見る・知る」の先にあるスキル

良質な企画を生みだすためには、良質な情報をインプットしていく日々の「学び」が必要です。

しかし、クリエイター学校の講師をしていると、多くの人が本やネット記事をたくさん読んだり、専門性のある動画コンテンツをたくさん見たりすることを「学び」と捉え、「情報力が高まった」と満足していることに気づきます。

芸人さんのインプット法は「読む・見る・知る」では終わりません。

彼らは手に入れた情報や知識を、第三者に「なあ、知ってる?」と伝達する行為を日夜しています。

そして、この「伝達する」が、芸人さんの企画力(ネタづくり)につながっているのです。

真の学びとは、暗記や情報収集だけでは完成せず、手に入れた知識を自分なりに理解して、自分の言葉で第三者に伝えてみることで、はじめて「使える武器」となります。

例えば、旅をしながら働いて報酬を得る『おてつたび』が流行っていますが、多くの人は「こんなマッチングサービスがあるんだ」と知って、そのまま終わります。

しかし、芸人さんは「なあ、知ってる?」と、他者に自分の言葉で語ることで、おのずとビジネスの特徴や魅力を理解していきます。

そして、「泊まる場所は?」「報酬の支払手段は?」「ドタキャンされたら?」など、相手に質問されることで新たな学びと新視点が生まれていきます。

こうした伝達を繰り返していくうちに、ふと「おてつたびに来た若者と地元の農家のコントが作れそうだな」と、情報が企画に変わる瞬間が訪れるのです。

ただ読む・見る・知るだけでは、企画の創出につながるアイデアには結びつきません。

「使えるかも」と感じた情報は、同僚や友人など身近な人でよいので「自分の言葉にして語ってみる」を実践してみてくださいね。

芸人の壁打ち相手は「ライバル」

企画を考えるとき、独りでクリエイションする人もいれば、上司や先輩に壁打ちをお願いする人、チャットGPTと壁打ちをする人など様々なタイプがいます。

以前の僕は、すべて独りで企画を創出していましたが、35歳を過ぎたあたりから生産ラインを見直しました。

きっかけは、M-1王者になったチュートリアル徳井くん、スピードワゴン小沢くんとシェアハウスを始め、一流芸人の意外なネタづくりの手の内を知ったことでした。

ある日の晩、一緒にご飯を食べていると、「こんなネタ考えているんだけど、どうかな?」と一人が切り出し、ライバルであるはずの2人が共作の漫才をこしらえていったのです。

これは同居人に限らず、多くの芸人さんの間で行われている不思議なクリエイションでした。

芸人さんは、賞レース王者や冠番組などのポストを争うライバルでありながら、そのライバルが壁打ち相手にもなる独特の文化があるのです。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

この手法は企画職でも活かせるのでは?と考え、同世代のライバル作家に壁打ちをお願いしてみたところ、やはり質の良い企画が生み出せることが分かったのです。

同僚や同期は手の内を知られたくないライバルですが、お互いの手札をオープンして、考えかたやアプローチ法を開示していくと、何気ない手札がブレイクスルーにつながる切り札になることがあります。

皆さんも、周りにいるライバルをうまく活用してみてはいかがでしょうか?

では、また来週、別のテーマでお逢いしましょう。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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