放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。

「新社会人です。初めて『同期』という存在ができるのですが、うまく付き合っていけるかどうか不安です。上手にやっていくコツや、注意すべきポイントがあれば教えてください」という相談をいただきました。
まずは、ご就職おめでとうございます。
たしかに、社会人の「同期」は、これまで出会ってきた、同級生や同窓生とはちょっと違う存在です。
学生時代にはなかった「飛び級」のような出世もありますし、部活や合唱祭のように、みんなで努力して汗を流しても、人によって「給料」が変わってくる。それが「同期」なのですね。
芸人さんの世界でも、毎年、1000人を超える「同期芸人」が生まれます。
そして、「売れている/売れていない」が目に見えやすい業界でもあるので、嫉妬や妬みが生まれやすい職場とも言えます。
そこで今回は、僕が若い人材に伝えている、「職場の同期とうまく付き合っていく思考法」を、皆さんにもシェアしていきたいと思います。
「同期」は「そんなヤツじゃなかった集団」です。
まず、社会人の同期は、学生時代の「ズッ友」のような存在ではありません。
人柄や言動が「ずっと変わらない人たち」ではなく、「やがて変わっていく人たち」として付き合っていったほうが、心穏やかでいられます。
芸人さんも、新人の頃は「コントはやらない」や「絶対にYouTubeはやらない」と豪語していた同期が、コロッと魂を売ったりします。
それらは、しかるべき人生の変化なので、僕は最初の授業で――
「同期の言い換えは、『そんなヤツじゃなかった集団』だからね。言うこと・やることがコロコロ変わるのが通常運行だから、『そんなヤツじゃなかった!』と騒がず、『変わっていく』を前提に付き合っていこう」と伝えているのです。

1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。
「同期」とは「商店街思考」で付き合いましょう
「そんなヤツじゃなかった集団」とうまく付き合っていくには、「商店街思考」が有用です。
あなたの周りにいる同期や同僚は、みんな「この会社で働きたい」と考えて集まった人たちです。
例えば、立地や環境に惹かれて集まってきた「街の商店街」をイメージしてみましょう。
最初は、自分の得意分野で勝負したいと思っていますが、同じ「〇〇屋さん」が軒を連ねることはありません。
やりたいことが「パン屋さん」でも、競争に負けることもあれば、組合(会社)から方針転換を告げられることもある。
サンドウィッチ屋、ケーキ屋などにシフトチェンジする店主もいれば、別ジャンルの「〇〇屋」に変えて、商店街という共同体のなかで生きていく店主もいます。
これは会社内でも同じ。入社当初は、得意分野を活かしたい、磨きたいと思っていても、人事やライバルの存在によってシフトチェンジを余儀なくされていくのです。
入社時は、はにかみ屋だった同期が、いつの間にか「政治屋」になったり、めんどくさがり屋だった人が、窓際にやられて「なんでも屋」になったり、のんびり屋だった人が、頼もしい「技術屋」になったりと、それぞれが「〇〇屋」になっていくのです。
キャリアを重ねるごとに、皮肉屋、気取り屋、分からず屋、気分屋など、あなたをイラっとさせる同期が出てくるかもしれません。
けれど、それはすべて「生きていくため」。そんなときは商店街思考を思い出して、鷹揚に対応していきましょう。
「同期」は「錘(おもり)」であり「浮き輪」なんです
自分よりも業績がよく昇進していく同期は、何かと比べられるので、自分を沈める錘(おもり)のような存在に思えてきます。
僕も、同期にM-1王者が2組もいたので、スピード出世していく彼らのことが、目ざとい、歯がゆい時期がありました。
しかし、僕が離婚したり、仕事に行き詰ったとき、一緒にいたり、手を差し伸べてくれたのも同期で、彼らの存在によって心が浮上できたのです。
そこから学んだのは、同期というのは「錘」にもなるし「浮き輪」にもなるということ。
この二面性こそが同期の正体なので、うとましく感じることがあっても、ゆるやかに繋がっていったほうが得をするということなのですね。
ダジャレのようですが、以上の3点を「あなたの心と同期させて」、豊かに同期と付き合ってみてくださいね。
では、また来週、別のテーマでお逢いしましょう。

