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2026.07.30

たった一度の失敗で、自己嫌悪になってしまうのを治したい【アドラー心理学で解決⑥】

何度言っても部下が自分で考えて動いてくれない。きちんと説明したはずなのに、同じことを何回も聞かれる。褒めても響かない、任せても考えない。そんな「上司の悩み」をアドラー心理学で根本から解決。著書『「アドラー」だから自分で動ける部下が育つ 上司の教え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部抜粋。短期連載6回目。

たった一度の失敗でも、自己否定に陥ってしまうのはどうすればいいか【アドラー心理学で解決⑥】
Unsplash ※写真はイメージ

判断を誤っても、失敗は糧になる

「教える」という立場になると、いつもうまくやらなければいけないと気負いがちです。

しかし、判断ミスや気持ちが空回りすることは当然あります。

野球の場合も、チームのエースだからといって絶対にエラーをしない、打たれないことはありえません。常に100点を取るのは不可能なのです。

責任感が強い人ほど、たった一度の失敗で「自分にはもう人に教える資格がない」などと自己否定に陥ったりしますが、それでは何も解決しません。

大事なのは失敗を悔やむことではなく、前に進むための建設的な改善策を見出すこと、つまり、「ソリューションフォーカス」のアプローチです。

「どんな状態になるのが望ましいのか」
「ここまでうまくいっていることは何か」
「今の自分にできることは何か」

このような視点は、「教える相手」だけではなく、自分自身の課題に向き合うときにも必要です。

アドラー心理学では、「ライフスタイル(性格・人格や人生の選択の傾向)が表れるのはピンチのときだ」という言い方をします。

これは困難に直面したときにこそ、その人の本質や行動の傾向が表れやすいということを意味しています。

つまり、大きなピンチに直面した際ほど悪い癖が出てしまうなど、対応を誤りやすいということです。

良い関係を築くための努力をコツコツと重ねていたとしても、ピンチのときにその土台が崩れてしまう可能性だってあります。ただ、取り返しがつかないわけではありません。あなたの言動が原因で、相手との関係にヒビが入ってしまったのだとしたら、素直に自己開示をしてみてください。

「先日は冷静さを失ってしまい、強く言いすぎてしまいました。申し訳ありません」
「このまま嫌な空気にしたくはないのです。どうすればうまく改善できるか、一緒に考えてもらえませんか」

こうした自分の素直な気持ちを伝えてみるのです。

恥ずかしさや情けなさはあるかもしれませんが、大事なのは相手を信頼して、率直に伝えることです。

普段から「横の関係」が築けていれば、必ず再構築はできますし、むしろ関係が深まることもあります。

いつだってその場所からリスタートできる。

そう信じていれば、失敗は必ず糧になります。

TEXT=永藤かおる

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