総合格闘家の朝倉海氏と、UMITO代表取締役社長の堀鉄平氏。“若き格闘家と格闘家兼実業家”というふたりを紹介する。

見返りのない支援で
堀 前田日明さんが主催されていた総合格闘技大会「THE OUTSIDER」に途中から参戦してきたんだよね。
朝倉 堀さんは第1回から出られていて、僕からすればテレビの中の人でした。不良たちを倒す弁護士って、すごいな、と。
堀 その後、日本対韓国の対抗戦の日本チームで一緒になって。当時は豊橋に住んでいたけど、東京の合宿に来てくれて。
朝倉 あの時は格闘技のことより、堀さんの家だったり、会社、堀さんの生き方そのものがとにかく衝撃でした。
堀 東京に出てきなさい、と伝えたよね。僕は不動産はじめ自分の目利きを信じてきたけど格闘家も同じで、海くんの格闘技のセンスは別格だと感じてた。これでは豊橋で練習相手もいなくなるから、出ておいで、と。
朝倉 いいコーチに習って、強い格闘家と練習したら日本トップになれる選手だと言ってもらえて。ただ、当時は会社にも勤めていましたし、格闘技1本に絞ることはなかなかできなくて。
堀 2年くらいかかったかな。
朝倉 ずっと負けていなかった、というのもありました。でも初めて負けた時、このままじゃ上にいけないと、すぐに堀さんに連絡をしました。9年前ですね。
堀 東京でジムを持っているので、最初は正社員で働きながら、だったね。駅前でジムのティッシュ配りとかもしてもらったら、すぐなくなったりして(笑)。一方で、トレーニングもしっかりできるようにした。
朝倉 東京に来ると決めた時、やるなら世界でトップを目指そう、最強を目指そうと思いました。そんな僕の面倒をずっと見てもらえて。格闘技だけじゃなくて、生きていくためのさまざまなアドバイスも貴重でした。
堀 海くんは手堅い性格だから、ぜんぜん心配してなかった。
朝倉 でも、堀さんになんのメリットも見返りもないじゃないですか。ファイトマネーの一部を取るわけでもないし、僕を何かに利用することもしない。
堀 純粋に格闘技ファンなんで、才能あるなら応援したいというピュアな気持ちです。実際、RIZINでも王者になって、世界最強といわれるUFCでも派手なKOで勝っちゃうんだから。
朝倉 恩返しのしようがなくて、どうやって返せるか、いつも考えています。お酒もやめました。最高峰の世界では、そんな生活をしていたら勝てないぞ、と思うようになりました。
堀 うん、日本の宝だから。これからが本当に楽しみです。

総合格闘家。1993年愛知県生まれ。小学校から空手を始める。2012年総合格闘家としてプロデビュー。2017年よりJAPAN TOP TEAMに所属。2023年、第6代RIZINバンタム級王者。2024年、UFCデビュー。
朝倉 そういえば、UMITOの広告をよく見かけるようになりました。相変わらず、事業もどんどん成功されていて。
堀 いやいや、聞いたけど、海くん、UFCでファイトマネーの他にもらった特別ボーナスを、セコンドをはじめチームのスタッフに全部配っちゃったって。いくらだっけ?
朝倉 1600万円です。感謝の気持ちです。
堀 全部、渡しちゃった? いやそれ、なかなかできることじゃない。それだけスタッフを大事にしているってことだね。
朝倉 いえ、これも堀さんという師匠の背中を見せてもらったことが大きいです。
堀 僕はちょっと方向をアドバイスしただけ。あとは自分でやってきたんだから。
朝倉 恩人のおかげです。堀さんの事業の成功は、もちろん頭のよさや人柄もあるけれど、この人に恩返ししたい、この人のために頑張ろう、と思っている人がたくさんいるからだと感じているんです。
堀 海くんはフィジカルもすごいけど、本当に頭がいい。総合格闘技って、打撃だけでもレスリングだけでも寝技だけでもない。スクランブルでいろんなことが同時に起こる。とにかく頭をフル回転させないと絶対に勝てないスポーツだから。
朝倉 とにかくチャンピオンになることが、僕にとっては堀さんへの一番の恩返しになると思っています。その景色を一緒に見たいです。
堀 うん、今はその目標に向かって集中することが大事。僕のことはまったく気にしなくていい。そんなことは忘れて、とにかく頂点を目指して頑張ってほしい。

UMITO代表取締役社長。1976年愛知県生まれ。中央大学法学部卒業。弁護士、元格闘家。JAPAN TOP TEAMオーナー。「海と共に過ごす別邸」UMITOは全国各地のUMITOをシェアで所有し相互利用できる事業を展開。

