Plan・Do・See 代表取締役社長の浅葉翔平氏と、松葉屋 代表取締役社長の小島鉄平氏。異業種コラボなふたりを紹介する。

ホテルと盆栽
浅葉 1年ほど前になりますか。カッシーナで行われたパーティーにお見えになっていて。
小島 盆栽でコラボレーションしたことがあり、お声がけをいただいたんです。名刺交換をしないでいたので、浅葉さんが何者なのか、存じ上げなくて。
浅葉 場違いにもひとりだけパーカーで行ってしまいましたし。
小島 すると何人かを誘ってくださり、行きつけのお店に連れて行っていただいて。僕の前に座られて、率先してカラオケを歌っていい雰囲気をつくり、なんとも素敵な人だな、と。
浅葉 話も盛り上がりましたね。
小島 日本という国をもっとカッコよくしたい、日本の素晴らしさをもっと知ってほしい、という話に大いに共感して。考え方がすごく似ていたんです。
浅葉 僕は鉄平さんのことは存じ上げていましたので(笑)。
小島 翌日、長いメールが来て、こんなホテルを運営していると書かれていて、えっ、と思って。そうしたら知人から、昨日、浅葉さんと食事されましたよね、と連絡があって。社長だと聞いて、びっくりしました。
浅葉 京都でとあるプロジェクトを一緒にやってもらいたくて。
小島 でも、会社ですから担当者とかいろいろあるでしょうに、それをすっ飛ばして。
浅葉 めんどくさいじゃないですか(笑)。そのほうが早いですから。元の建物が歴史的建造物なので、絶対に盆栽がマッチすると思ったんです。最近では、インバウンドのウェディングも増えていて、間違いなく海外の人にも支持されるな、と。
小島 僕らはちょうど京都に拠点をつくろうとしていて、こういうところでやってみたいな、という施設をリストアップしていたんです。まさにそのいくつかを運営する会社から声がかかったので本当に仰天したんです。
浅葉 それから「鉄平さんと知り合いになった」と話すと「会いたい」とすぐに手を挙げた仲間たちがたくさんいて、埼玉のアトリエにもお邪魔しました。
小島 カンヌでも会いましたね。国際映画祭のジャパンナイトの前日の、クローズドな食事会で。
浅葉 招待されていた人が、ビッグネームばかりだったので、これ大丈夫かな、と思っていたら、鉄平さんが一緒だと聞いてホッとしました。
小島 それにしても、本当にびっくりなご縁になりました。こんな出会いもあるのが楽しい。
浅葉 これからも日本のためにできることを、一緒にやっていきましょう。

小島 日本に対してのプライドだとか、日本のこれからのビジョンだとか、素性はわからないのに本当に尊敬できる考え方を持っているな、と最初に思っていたんですが、後で素性を知ったら、そりゃそうだな、と(笑)。
浅葉 日本って、言語が一緒で、文化が一緒で、これカッコいいねが一気に伝わるんです。でも、世界ではこうはいかない。世界的なブランドって、もっと深いところで思想的にブランディングしますよね。だから、どんな人にも伝わるカッコよさがあると思うんです。
小島 でも、実は日本にも、そういう深さがちゃんとあるわけですよね。
浅葉 そうなんです。鉄平さんを見ていると、生き方とか、家族を大切にする姿勢とか、人に対するあり方みたいなものが、滲み出るブランドのようなんです。だから、誰が見てもカッコいいと思う男の人になる。
小島 光栄です。
浅葉 ふたりで食事をしたとき、お箸を目の前に横に置く意味を教えていただいて。食べるとは、命をもらうことなんだ、と。最近では、一緒に食事する人みんなに言っています(笑)。
小島 盆栽というのは、置き手紙だと僕は思っているんです。過去の人たちが、どう作りたかったのかが、目の前の盆栽を見ればわかる。同じように日本の歴史を知れば、先人たちがやってきた素晴らしいことがわかる。そういうものを復活させることが、日本人としての誇りを取り戻すことにつながると思っています。日本が元気になれば、世界が元気になると本気で思っているんです。
浅葉 僕らの世代で、もう一度、日本を発信していきましょう。

1986年京都府生まれ。立命館大学卒業後、2009年にPlan・Do・See入社。ダイニング、ウェディングプランナー、人事部長、Plan・Do・See Global社長などを経て、2024年4月より現職。

1981年千葉県生まれ。盆栽プロデューサー。アパレルバイヤーが盆栽の歴史の深さや美しさに魅了され、2015年にTRADMAN’S BONSAIを結成。世界的ブランドと度々コラボし、2016年より現職。