スピック代表取締役社長の芝田崇行氏と、鎌倉インターナショナル代表取締役オーナーの四方健太郎氏。鎌倉つながりという関係のふたりを紹介する。

鎌倉とサッカー
芝田 こんな美しいスタジアムが鎌倉にできるなんて、本当に驚きしかないですね。
四方 2025年1月の完成まで、いろいろと相談に乗っていただいて、ありがとうございました。
芝田 シンガポールで初めて会ったのは、3年前になりますか。鎌倉からシンガポールに出ようとしていたら、共通の知人につないでもらって。
四方 僕は芝田さんについて何もインプットしないままで。こんなすごい人だったとは知らなかったんです。スピックのビタミンCサプリメント「Lypo-C」といえば、女性はみんな知っていて、びっくりしました。
芝田 僕はシンガポールに住んでいる鎌倉のサッカークラブのオーナーだと聞いて、もっとびっくりしました(笑)。でも、興味を持ったのは四方さんの行っているビジネスだったんですよね。海外で仕事をするためのグローバルマインドセット研修。
四方 若い社員に受けさせたい、と言われるのかと思ったら、芝田さんご自身が受けたい、と。
芝田 教室の座学とかじゃなくて、実際に言葉の通じないアジアの街に出て行って、自分の足で人の話を聞いて課題をまとめると聞いて、自分への必要性をすごく感じたんです。
四方 これだけの会社の社長が、自ら50歳で受けようとするって、素晴らしいと思いました。
芝田 一緒に受けたのは若い人ばかりでしたが、これではいけない、と気づきの連続でした。思いこみを消すことは難しいとわかっていましたが、清々しく捨てられましたね。
四方 研修の提供側としても、アンラーニングになる、というのは気づきでした。年齢が上がると、捨てないと新しい価値観は入っていかない、というのは、あるかもしれないですね。
芝田 この研修をきっかけに頻繁に会うようになって。地元ですから、自然な流れでサッカーチームも応援するようになって。
四方 不思議なんですけど、オーナーなのに、チームは僕のものだ、という感覚がないんです。役割として代表者をやってる。
芝田 でも、行動力はすごくてびっくりすることを次々にやってしまう。だから、みんな自然に巻きこまれていくんですよ。応援したくなります。
四方 いえ、皆さんもスタッフも本当に自分事としてクラブを大事にしてくださっていて。
芝田 スポーツには、底知れない力があるんじゃないかと改めて思っていて。今後もいろんなことをやっていきましょう。

四方 鎌倉市長が、スポーツで街づくりを、と言い始めましたよね。
芝田 一方で何か他にも社会にインパクトがあることをやりたい、という話もするようになって。
四方 実際にひとつ、実現しましたね。この春に募集した、大学生などの若い人が無償で我々の講座を受けられる「グローバルボイジャー」。
芝田 会社の研修としても素晴らしいと思ったけど、これは仕事に関係のない若い人が受けた方がいいと思ったんです。会社で行くと、どうしても業務になっちゃうから。でも、お金を出すのは難しいと思うので、費用はこちらで持つ。大学生が受けたら、本当に人生変わると思う。
四方 定員30人に、かなりの募集が来ているようですね。講座の開催は8月ですが、楽しみにしています。素晴らしい取り組みだと思います。
芝田 我々の世代が、若い人たちにどんな還元ができるか、ずっと考えていたんです。少しでも社会にインパクトや変化を与えられたら、と。
四方 僕自身がまさに18歳のときに海外に出て、衝撃を受けたことが今につながっているんです。
芝田 なんたってその後も、2010年にワールドカップ出場32カ国を巡る「世界一蹴の旅」に出ちゃったんですものね。
四方 そういう話にも芝田さんはちゃんと反応してくださるので、うれしいです(笑)。
芝田 若者をそんな行動力にかきたてちゃうスポーツって、やっぱりすごい。2人でいろいろ動いて、世界を変えていきましょう。

スピック代表取締役社長。1973年神奈川県生まれ。中央大学卒業後、1996年にスピック入社。2010年より現職。リポソーム技術に着目し、2015年に「Lypo-C」の販売を開始。台湾、シンガポールに現地法人を設立。

鎌倉インターナショナル代表取締役オーナー。1979年神奈川県生まれ。立教大学卒業。2002年、アクセンチュア入社。2007年より中国勤務。2014年、スパイスアップ・ジャパンに参画しシンガポール法人代表。2018年、鎌倉インテルFC創設。