SMBCコンサルティング 代表取締役社長の田中良一氏と、大樹オンユー・インシュアランス・マネジメント 代表取締役社長の矢部隆明氏。高校の同級生という関係のふたりを紹介する。

同じような歩み
田中 え、ネクタイしてくるとは思わなかった。
矢部 なんか、この対比も面白いと思って。高校時代から田中はお洒落だったもんな。
田中 早稲田大学高等学院時代、クラスも部活もまったく違ったのに。
矢部 軟式野球部だったね。田中と同じクラスにサッカー部の仲間がいて紹介された気がする。
田中 大阪から出てきたけど、珍しがられて、友達ができるまであっという間で。
矢部 15歳から下宿しているなんて驚きで。部活帰りによく押しかけていたな。ぜひ来てね! みたいな雰囲気を出していた。
田中 出してない(笑)。
矢部 でも、嫌な顔はいっさいしなかったよね。いつ行っても、誰かがいた気がする。
田中 ひとりでいることはあまりなかったな。おかげで卒業する時には、大家さんからもう出ていってくれと。しょうがないから大学入学で引っ越しして。
矢部 引っ越し先にもよく行ったな。お金がなくなるまで遊んじゃっても、田中の家まで行けばなんとか泊めてもらえる、と。何度も救われたなぁ。
田中 試験前は人の出入りが増えていた気がする。
矢部 大学3年で田中がまた引っ越した時は、周囲で騒ぎになった。誰にも言わずに引っ越ししたから。
田中 さすがにひとりになりたいと思って。それでも、矢部だけは来てたね。
矢部 何かあったら田中の家に行く。とにかく信頼関係しかなかった。
田中 就職してお互い離れたけど、元気か、なんてしょっちゅう電話してきたりして、人懐っこさは変わらなかった。でも面白いのは、社会に出てから同じように歩んできたことかも。金融の会社に入ったのもそう。
矢部 あちこち転勤してるのに同じ勤務地だったり。遊びと学びの情報交換は45年ずっと変わらない。お陰で気づきとご縁が広がった。
田中 役員になって、常務になって、子会社の社長に出て。しかも、まったく同じタイミングだったりする。
矢部 そういえば、そうだね。
田中 身体もちょっと悪くしたりして、同じような悩みを抱えながら、ここまで来てる。
矢部 仕事柄、厳しい場面もいろいろあったから。
田中 そういえば、会う時はいつもふたりだな。ほんと、話が尽きなくて、いつまでも喋ってるのは、昔と同じだな(笑)。

SMBCコンサルティング 代表取締役社長。1965年大阪府生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、1987年住友銀行(現三井住友銀行)入行。梅田法人営業第一部長、執行役員、常務執行役員などを歴任。2022年6月より現職。
矢部 田中はいろんなことをちゃんと覚えているよね。ちょっと紹介してほしい、みたいな話も、前それ言ってたよね、みたいにセッティングしてくれたり。
田中 僕が銀行で、矢部は生命保険会社で、お互い忙しかった。それでも年に1回はご飯を食べたり、ゴルフをやったりしてた。
矢部 そういえば、部下の若い独身の社員同士の食事会をやったことがあったね。
田中 ああ、出会いの場になるんじゃないか、って。
矢部 こっそり田中の評判を部下の人に聞いたんだけど、めちゃめちゃ良かった。人柄の良さだな。
田中 そんな話を聞いてたのか(笑)。
矢部 大阪に2度、転勤になったけど、ちょうど田中も関西にいて心強かった。偶然にも共通のお客さまがおられて、3人で食事に行ったことがあったね。
田中 矢部はいい感じの関係を築いているんだな、と感じた。
矢部 感謝しているのは、50歳のとき。一緒にご飯を食べようと会ったときに、胃カメラをやったことがない、と言ったら驚いて、先生を紹介しようか、と言ってくれて。
田中 そんなことがあったな。
矢部 田中も胃カメラをやってるんだと思って、受けてみたら胃がんが見つかって。田中は命の恩人だと思っている。
田中 良かった。でも、今がセカンドキャリアだとすると、次にサードキャリアがあるわけで。それがどうなるかが、実は楽しみ。
矢部 もうすでにプランを持ってるわけ? 田中らしいな。
田中 それも含めて、これからもよろしく!

大樹オンユー・インシュアランス・マネジメント 代表取締役社長。1965年神奈川県生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、1987年三井生命保険(現大樹生命保険)に入社。2018年執行役員、2020年大樹生命常務執行役員を歴任。2022年3月より現職。