GOURMET

2025.12.04

史上最強のバター最中、宇宙一美味しいチーズケーキ…岸博幸の最高の手土産4選

「本当に美味しいものは、地元の人が知っている」という岸博幸氏が推奨する絶対に外さない手土産4品とは⁉

最強の手土産は地元民の“推し”

これまでも多種多様な美味を紹介してくれている岸博幸氏。「手土産はエンタテインメント。エンタメで重要なのはサプライズ感とハッピー感」「情報はネットの口コミに頼らず信頼できる友人や知人から」など、選ぶ際の指針を披露してきてくれたが、今回紹介してくれたアイテムには、岸氏の地元、東京・千代田区の知る人ぞ知る銘品が3つ含まれている。

「地方に行くとその地の銘品をいただく機会が多いのですが、『さすが地元の人は良く知っているな』と感激します。だから僕も、自分が住んでいる千代田区で手土産にできるものをと探し、よく活用している3品含めて計4品を紹介します。『うちの近所なんですが、本当に美味しいんですよ』という言葉と共に、僕がふだんどんな時にその店を利用しているか、その店がどれほど愛されているかなど、地元ならではのストーリーも話せますしね」

知っているようで知らいないことも多い”地元“。次の週末は、隠れた銘品探しを楽しんではいかがだろうか。

岸博幸の究極の手土産4選

1.バター最中/栄泉堂(宮城)
史上最強のバター×あんこ×塩

バター最中
北海道産小豆、国産バター、フランス産ゲランド塩など素材を厳選。1度に2個迄購入可。[6個入り]¥1,600(栄泉堂 https://eisendo.base.shop/

地方再生をライフワークとし、自治体や企業との打ち合わせに講演会と、全国各地を飛び回っている岸博幸氏。手土産リストには、行く先々で出合ったその地の名産品や地元の人の情報を入手した美味しいものが年々追加されている。栄泉堂の「バター最中」もそのひとつだ。

店舗があるのは宮城県と福島県の県境に位置する伊具郡だが、岸氏は仙台を訪れる際は必ず足を延ばすほか、オンラインで取り寄せもするという。

「講演で仙台を訪れた際、お土産にいただいたのですが、一口食べて、そのおいしさに唸りました。香ばしい薄皮の中にあんことバターがサンドされていて、絶妙に塩が効いている。あんこ、バター、塩。これは最強の組み合わせですね。僕はあんこ好きで、いろんな最中を食べてきましたが、これを知ったら、もう他には戻れません。日本茶はもちろんコーヒーと合わせても、うまいんですよ」

あんこ×バターの組み合わせはここ数年でポピュラーになったが、栄泉堂が「バター最中」を発売したのは20年ほど前。2015年には、他社の類似商品との差別化をはかるべく、フランス産ゲランドの塩を隠し味にプラス。この狙いが当たり、たちまち人気は全国区に。常温はもちろん、冷やしたり、トースターで軽く温めたりと、食べ方のバリエーションがあるのも魅力だ。

「あんこ好きの方に贈ると間違いなく喜ばれますし、簡単に手に入らないあたりも、手土産にぴったりかと。息子も大好物で、残りひとつになると半分個にして、おいしさを分かち合っています。そのくらい、ありがたい味です」

2.バスクチーズケーキ/Tinc gana(東京)
有名シェフが手がける“宇宙一”の美味しさ

バスクチーズケーキ
「愛しい口どけ」を目指しただけあって、とろりとした食感は格別。[760g ]¥6,400(ジェロームシグネーチャーレシピ  https://jerome-cheesecake.com/ 

「近所にある行きつけのスペイン料理店のシェフが手がけるバスクチーズケーキは、圧倒的に美味しい。店が“宇宙一”と謳っているんですが、その通りだと思います。チーズが濃厚でスモーキーな香りが特徴ですが、ふだん甘党の人にもぜひ食べていただきたい。きっと虜になるはずです。

シェフは、ミシュラン3ツ星の『Sant Pau』でヘッドシェフを務めた人物だけあって、料理はどれもクオリティが高いんですが、なかでもこのバスクチーズケーキは別格ですね」

そう岸氏が太鼓判を押すのは、市ヶ谷に店を構えるモダン・スパニッシュの名店、「Tinc gana」のシェフ、ジェローム・キルボフの代表作「バスクチーズケーキ」。

スペイン・バスク地方のチーズや北海道産のフレッシュなクリームチーズなど厳選した食材を惜しげもなく使用したチーズケーキは、ホールの中から外側にいくにつれ、コクと香ばしさが強くなり、濃厚で複雑な味わいが口いっぱいに。チーズの酸味は控えめでクリーミーな甘さが際立つため、幅広い世代から支持されている。

2025年8月には東京・新富町に、「JÉRÔME Kissa Café  GINZA EAST」をオープン。このバスクチーズケーキと共に、バリスタが淹れる本格コーヒーが堪能できることも覚えておきたい。

3.ジンジャーシロップ/孝芳堂(東京
生姜愛が詰まった九段生まれ

ジンジャーシロップ
昔の薬瓶をイメージしたというボトルも秀逸。1本でジンジャーエール7、8杯分になる。お湯やミルクで割ってもOK。「甘口」「辛口」「極辛」各 [200ml ]¥3,500(孝芳堂https://www.drinkkohodo.com/ 

東京のど真ん中、千代田区九段南でスペシャルなジンジャーエールを1本1本手作りしている工房がある。2022年、生姜に魅せられた若き店主が立ち上げた「孝芳堂」がそれだ。

「素材を厳選し、丁寧につくられたジンジャーシロップを炭酸水で割ると、表現はおかしいかもしれないけれど、クラフトコーラのようなジンジャーエールになります。甘いものが苦手という方への手土産には、これを選ぶことが多いですね。珍しさもあってか、非常に喜ばれます」

開業前の数年間、素材となる生姜の産地や加工のしかた、合わせるスパイス、製造方法など、店主が試行錯誤した末に行き着いたのは、高知県の土佐生姜と瀬戸田レモン、クローブやシナモン、カルダモンといった9種類のスパイスを合わせた「ジンジャーシロップ」。

炭酸水で割ると、生姜のえぐみを極力抑えて旨味を最大限引き出した「甘口」はすっきり爽やかなジンジャーエールに、“荒ぶる生姜感”を意識したという「辛口」はスパイシーでフルーティーな風味に、生姜の量を増やした「極辛」は爽やかさとパンチが両立した味わいにと、三種三様の楽しみ方が可能。

「実は、『Tinc gana』でも、孝芳堂のジンジャーシロップを使ったドリンクを扱っているんですよ。名シェフも認める味なんです」

4.松風/宝来屋本店(東京
創業明治元年、老若男女に愛される和風ぼうろ

松風
他に22袋入、28袋入、43袋入、58袋入があるので、用途に合わせて選びたい。[14袋入]¥1,188(宝来屋本店 https://wagashi.houraiya.co.jp/ 

岸氏が推すもうひとつの地元の銘品が、靖国神社の向かい側に佇む和菓子店「宝来屋本店」の看板商品、「松風」。明治元年の創業以来150余年にわたり、季節の上生菓子から饅頭、どら焼きといったふだん使いの和菓子、進物品などを展開し、地元に愛され続けてきた老舗が、創業100年を記念して生み出したロングセラーだ。

「あんこ好きな僕は、お饅頭やどら焼きなどあんこ系もよく買いますが、手土産に重宝するのは『松風』。和風ぼうろみたいなお菓子で、美味しいうえに軽くて、価格も手頃。この味が苦手という人はいなんじゃないですか。どこにでも、安心してお持ちできます」

砂糖、小麦粉、卵、でんぷんを使った素朴な焼き菓子は、飽きのこない味わいで、おめでたい松葉の形状も手土産向き。創業明治元年という重みも、受け手への印象に残るに違いない。

岸博幸/Hiroyuki Kishi
1962年東京都生まれ。1986年に一橋大学を卒業後、2006年まで通商産業省(現経済産業省)に勤務。現在は大学院教授や企業・団体の社外取締役のほか、メディアでも活躍している。2023年夏、多発性骨髄腫罹患を公表。 “人生の期限”を意識したことで変わった人生観、仕事観などを綴った『余命10年』(幻冬舎)も話題に。

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=、杉田裕一(人物)

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2026年1月号

つける悦びを知るLUXURY WATCH

GOETHE(ゲーテ)2026年1月号表紙

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2026年1月号

つける悦びを知るLUXURY WATCH

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2025年11月25日に発売となる。今回の特集は、“つける悦びを知る、とっておきの時計”。表紙には三代目J SOUL BROTHERSの岩田剛典が登場!

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

GOETHE LOUNGE ゲーテラウンジ

忙しい日々の中で、心を満たす特別な体験を。GOETHE LOUNGEは、上質な時間を求めるあなたのための登録無料の会員制サービス。限定イベント、優待特典、そして選りすぐりの情報を通じて、GOETHEだからこそできる特別なひとときをお届けします。

詳しくみる