サッカー元日本代表としてワールドカップ3大会に出場した本田圭佑が、創業メンバーとして参画する次世代スポーツアパレルブランド「mgh」の世界展開に意欲を見せている。2025年6月にブランドを立ち上げ、今夏から本格始動。シンガポール1部FCジュロンで現役選手を続けながら、解説者、投資家、実業家としても活躍する本田が、新たな挑戦への勝算を語った。

本田圭佑「僕らはアリ」。世界ブランドに挑む勝算
本田圭佑が手がけるスポーツアパレルブランド「mgh」がターゲットとするのは、アスレジャー市場だ。アスレチック(運動)とレジャー(余暇)を組み合わせた造語で、エクササイズやフィットネスで着用するウェアを普段着として楽しむスタイルを指す。ここ数年で市場は急速に拡大している。
mghは着心地のいい生地と無駄を排したシンプルなデザインが特徴。高品質ながら価格を抑えたアイテムで勝負する。
本田は競合についてこう語る。
「元々あるスポーツメーカー全般が競合になる。彼らが巨人なら、僕らはアリみたいなもの。ここからどうやって認識していただくか。スピードが最も重要だと思っている。ものづくり自体は何十年と変わっていない。でもマーケティングやコミュニティの作り方はSNSの発展で変わった。僕らはそっちで革命を起こし続けないといけない」
スタートアップ企業ながら、2026年夏の本格始動に合わせて、日本のセレクトショップ文化を牽引してきたビームスとのタッグも実現。8月7日から一部店舗などで先行販売を開始する。
「サッカー×ビジネス」が本田圭佑最大の強み
現役選手としてプレーを続ける一方で、本田はさまざまな事業を展開してきた。
2012年にスタートした自身プロデュースのサッカースクールは国内外約60校、約5000人の子どもたちが通うまでに成長。2016年からは本格的に投資を始め、国内外300社以上のベンチャー企業に出資してきた。
さらに、育成年代向けの4人制サッカー「4v4」を考案し、全国大会やアジア10ヵ国が参加する国際大会を開催。将来的には世界大会の開催を目標に掲げる。
こうしたピッチ外での経験こそが、新ブランド展開の武器になるという。本田は自身の強みをこう分析する。
「サッカーとビジネスマンの掛け算を10年以上やってきている。これを引き続き武器にしたい。mghを世界に広めるうえで僕のやれることは語り尽くせないほど多くある。国によっては、その国のインフルエンサーを巻き込んで一緒にマーケティングするとか、コミュニティを作っていくとか。一般的なスポーツブランドのスタートアップとは違う認識でいる。どんどんアイデアを出していきたい」
現役選手としても挑戦は終わらない
もちろん、本田の挑戦はビジネスだけではない。
ワールドカップ北中米大会では解説者として存在感を発揮。「マジうざい」「イケイケドンドン」など、地上波の生中継とは思えない率直な言葉で“本田節”を披露し、大きな話題を呼んだ。
大会後には、日本代表監督人事を巡り、自身のSNSに「僕を1年試してみてください。アジア杯で負けたら問答無用でクビでいい」と投稿し、大きな反響を呼んだ。
一方で、選手として現在はシンガポール1部FCジュロンに加入。日本、オランダ、ロシア、イタリア、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、アゼルバイジャン、リトアニア、ブータンに続く11ヵ国目のとなる新天地。
「一番成し遂げたいことはリーグで優勝すること。かなり難しい挑戦になるが、必ず成し遂げたい」
かつて自身の出身地を「アース」と表現したこともある本田圭佑。サッカーとビジネス、その両輪で世界に挑み続ける姿勢は、今も変わらない。

