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2026.03.23

怖がって行動できない、若手の積極性を引き出す2つの助言【NSC人気NO.1講師の育成術】

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、「令和ロマン」「エバース」「ヨネダ2000」をはじめ、多くの教え子を輩出した桝本壮志のコラム。

怖がって行動できない、若手の積極性を引き出す2つの助言【NSC人気NO.1講師の育成術】

「4月から、新人を束ねるリーダー職になる者です。芸人さんのように、どんどん前に出て行く積極性は、どうすれば身につけられますか? 若手の積極性を高めるコツがあれば教えてください」という相談をいただきました。

新人や部下には、ミスを恐れず積極的にアクションを起こしてほしいもの。

しかし、周囲や上司の顔色をうかがうばかりで、なかなか手足を動かせない若手の姿を見るのが、春の風物詩ですよね。

吉本NSCは、これまで数多くの売れっ子芸人を輩出してきましたが、誰もが最初から積極性があったわけではありません。

前にもふれた、卒業間際になってアクションを起こし始めたヨネダ2000のように、多くの生徒が「なかなか積極的になれない自分」と向き合いながら成長していったのです。

そこで今回は、僕が約1万人の生徒たちに実践してきた、「若手の積極性を高める方法」を、じっくりシェアしていきたいと思います。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。「令和ロマン」をはじめ、教え子は1万人以上。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。

アクションのあとの「リアクション」まで想像させる

まず、新人であれベテランであれ、積極的になれない人の胸の内には「怖さ」があり、その「怖い」という感情の送り主は「分からない」です。

アクションを起こそうとしても、自分の発言や行動が、合っているのか? 上司の意に沿っているのか? どんなメリットがあるのか? 失敗したらどれくらい叱られるのか?など、分からないことだらけ。

そんな部下を、「もっと積極的になれ」「主体的に動け」と叱咤しても、怖さは増すばかりなのです。

そこで僕は、「アクションを起こす」重要性だけでなく“アクションを起こしたあとの「周囲のリアクション」までをイメージさせること”を大切にしてきました。

例えば、舞台に使う大道具と小道具を指して、生徒たちに「倒れたときの音の大きさ」をイメージしてもらいます。

すると彼らは、「大道具の音は大きく、小道具は小さい」と答えてくれるので、こんなイメージを共有させていきます。

  • ①大道具は大物芸人、小道具は若手芸人に置き換えることができる。
  • ②大物のミスや失態は大きな音で広範囲に伝わるけど、小物(若手)のミスや失態は影響範囲が小さい。
  • ③つまり、周囲にとっては小さなダメージに過ぎないということ。
  • ④小さなリアクションしか起こらない「小物の時期」だからこそ、恐れずにやってみる価値があるんじゃないか?

このように、アクションだけでなく、そのあとのリアクションまでをイメージさせると、若手の「分からない」が払拭され、合っているか? 意に沿っているか? どれくらい叱られるか? が消えていき、「どんなメリットがあるか?」だけが羅針盤として残るのですね。

アクションのあとの「ポジション」も想像させる

積極性が見えない部下に対して、上司が言ってしまいがちな言葉は、「なぜ?」です。

「なぜやらない?」「なぜやろうとしない?」「なぜ分からない?」など、行動に移せない原因を「なぜ問答」によって探ろうとするリーダーが多くいます。

僕の知見だと、この問答は逆効果になるので、早めに手放し、代わりに「もし」を使うことをおすすめします。

例えば、積極性がない若手に、「もし、アクションを起こして成功したら、君はどんな活躍ができそう?」と聞いて“「アクション」のあとの「ポジション」をイメージさせていく”のです。

手足が動かない原因ではなく、ベストパフォーマンスができたときに手に入りそうな、組織内での地位・評価・対価といった未来のポジションを想像させていくと、部下はおのずと、「そうなるためには、何をしていくべきだろう?」という思考にシフトチェンジしてくれます。

そして、自発した行動原理によって積極性も生まれていくのですね。

2年前の大阪NSCの教え子で、入学当時は積極性のない生徒がいました。

彼は、前述のような2つのメソッドによって、眠っていた積極性を見せてくれるようになり、最後は「首席芸人」となって巣立っていきました。

彼はいまでも、東京に来たときは「ご飯に連れていけ」と連絡をしてくれます。

最近は、「ホテル代も出してくれ」という、良からぬ積極性を出しはじめましたが、入学当時を知る僕にとっては、誇らしくて頼もしい存在なんです。

では、また来週、別のテーマでお逢いしましょう。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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