ボビー・オロゴン氏の価値観や仕事観に迫ったインタビュー記事をまとめてお届け! ※2025年5月掲載記事を再編。

1.「置き忘れた数百万円が戻ってきた」タレント兼実業家、ボビー・オロゴンが日本に滞在したきっかけ

若い頃から貿易商である父親のビジネスを手伝うために、さまざまな国を訪れていたボビー・オロゴン氏。父とともに取引先のひとつである日本を初めて訪れたのは、約30年前のこと。それまでも、何度も訪れていた父親から日本の魅力は聞いていたが、初来日時に日本にどっぷりとハマるきっかけとなった出来事があったという。
「ある日すごく疲れていて、バスの中にバッグを置き忘れてしまったんです。気がついた時にはバスが走り去った後。もうパニックですよ! だってバッグの中に、お父さんから買い付けのために預かってきた、数百万のお金が入っていたんですから。もうダメだと本当に落ち込みましたよね。ところがなんと、そのお金がすぐに戻ってきたんです。しかも、1円も取られることなく。びっくりでしょ。他の国じゃ絶対考えられない、日本は天国なんじゃないかと思ったよ(笑)」
その後再来日し、本格的に日本に滞在することを決めたのだが、ビジネスの師でもある父親には当初反対された。
「お父さんは、日本にいたら自分の頭を他の人のために使うことになるんじゃないかって心配したんです。要は、ただのサラリーマンになってしまうんじゃないのかと。もちろんサラリーマンになるのも悪いことじゃないけれど、お父さんは根っからの起業家。それこそ、ビジネスは世界を救うものだというぐらいスケールの大きな考えの持ち主だから、自分の頭を使って自分でビジネスをしなければ意味がないと言っていたんだと思います」
2.投資の成功体験は3歳。投資家ボビー・オロゴン、起業家の父から受けた英才教育とは

もともとビジネスをするために日本を訪れたボビー・オロゴン氏だったが、実際に投資を始めたのは、いつどんなきっかけだったのだろうか?
「今考えると3歳ぐらいだったと思います (笑)。僕の兄貴がやんちゃ小僧で、僕のご飯を勝手に食べちゃうし、貯金していたお小遣いも油断すると全部使われちゃう。そこでお金を手元に残さないよう、ハムスターに換えたんです。雄と雌で買ったのですが後に子どもを産んで、それが売れたんですよ。お金で何かを買って、それがお金を生む。まさに人生で初めての投資の成功体験でした」
子どもなりのやり方で確実かつ安全な方法で利益が生みだせることを知ったボビー少年。物を生む価値、お金を生む価値を実践的に学んでいった。
「うさぎも買いましたね。ハムスターよりも多産だから、もっと利益率が高い。その後もどんどんグレードアップしてニワトリやヤギ、牛も購入していきました。ただ、鶏は学校から帰ってきたらお母さんが鍋の材料にしちゃったことがあって、ちょっと悲しい気持ちになりました(笑)」
3.投資家ボビー・オロゴン「1年の半分近く海外を飛び回っている」その理由とは

ここ数年、1年の半分近く海外を飛び回っているというボビー・オロゴン氏。そのほとんどが投資をする国の事前調査だという。
「つい最近もインドに行きましたが、投資をするからには、まずその地を知るべき。数字上のデータではなく、自ら足を運ばないと。誰かに聞いた情報だけで動くのでは、自分は納得できないんです」
現地に赴くにあたっての膨大な事前調査も人任せにせず、自らチェック。もちろん税金や法律などいろんな問題も出てくるが、そんな障壁も自分自身のチャレンジと捉えている。
もちろん日本にいても海外への投資はいくらでもできる。「でも、それではいい買い物はできません」とボビー氏は語る。
「だって数字だけみていて、アドレナリンが出ますか? 僕はそんなのじゃワクワクしない。海外に行くことで、その土地の文化やマーケットを肌で感じることができる。それなのに、何も知らずに海外の株を買ってその値が上がったと喜んでいる投資家はまだ甘い。数字だけみて喜んでいるのって、僕は“小さい泥棒”って呼んでいるんですよ(笑)。単に数字を盗んでいるだけみたいでしょ。投資にリスクはつきものですが、実際に現地を見ることで、いいリスクを見分ける肌感も身につくのではないかと思います」