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2025.05.20

フィギュア界のレジェンド・高橋大輔が語る半生、羽生・宇野の台頭、恋愛体質【まとめ】

2023年5月に競技を退いてからも精力的に活動を続け、深化を遂げているフィギュアスケーター・高橋大輔の“今”に迫ったインタビュー記事をまとめてお届け! ※2024年2月、3月掲載記事を再編。

高橋大輔【まとめ】

1.【高橋大輔】ガラスのハートと言われた男は、いかに日本フィギュア界のレジェンドに上り詰めたのか?

高橋大輔

数々の「日本人初」のタイトルを手にし、現在の日本男子シングル全盛期の先駆けとして世界を魅了してきたフィギュアスケーターの高橋大輔。フィギュアスケートでは、引退しても1回までなら現役に復帰できるシステムがある。高橋は28歳で最初の引退を経験し、32歳で現役に復帰。そして2023年5月、37歳で競技に別れを告げた。

「1回目の引退の時は、何も目標がないまま引退してしまった。だから、そこでずっと動けずに立ち止まっていた感じがあって、どこにも向かえなかったです。引退がどういうものかもわかっていなかったので、単純に恐怖感もありましたね。

2回目は引退をする前から『次はこういう活動をしていきたい』という方向性が決まっていたので、ステージが変わったという感覚でした。1度引退を経験しているから、疲れたら思いきって休憩していいことも、引退をしたとしても物事は動いていくこともわかっていたので。

僕は、追い込んでボロボロになったら一度離れてみるのもいいと思っています。外から見ることで本当に続けたいのか、続けたくないのか、改めてわかることもあります」

そう軽やかに話す高橋だが、その競技人生はジェットコースターのように波瀾万丈だった。

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2.高橋大輔「若手の追い上げはイヤだった」極度の緊張、羽生・宇野の台頭、魅了するスケートに辿り着くまで

高橋大輔

極度の緊張症で、試合直前はよく顔面が蒼白になっていたり、最初のポーズで手が震えたりしていた高橋大輔の姿を、テレビで見たことがある人も多いだろう。「それは今も!(笑)」と本人は笑うが、それでも、世界を舞台に輝かしい結果を残してきた。

「自分で『結果を残している』とは思っていなくて……。やっぱりゆづ(羽生結弦)とか(宇野)昌磨とか、毎回、すごくちゃんとしているじゃないですか。僕はあんなに、毎回同じようにいい演技をするなんて、できたことがない。たまにボロクソな演技をしちゃうし、本番で何が出るかわかんないから。日本人初(バンクーバー五輪銅メダル)っていうのも、運も味方してくれたからだと思っています」

さらに「常に心強い味方が側にいてくれたのが大きかった」と高橋は続ける。

「僕の場合、周りの環境が良かったです。いい人たちがサポートしてくれた。思いきりひとつのことに向きあえる体制を作ってもらったからこそ、余計なことを考えずに競技に集中できたというのはあったと思います。それが邪魔する時もありますけどね。そこに僕が甘えちゃうから(笑)。誰もサポートしてくれる人がいなかったら自分でやるしかないから、ある意味今より強くはなれたかもしれないけど」

そう謙虚に言う高橋だが、とはいえ、世界の大舞台の氷上には、ひとりで立たなくてはいけない。そこで緊張をバネに最高の演技をするための、高橋流のメンタルコントロール術はあったのだろうか。

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3.高橋大輔「“当たり前”は怖い」。人生初のプロデューサー業で培った、意外な仕事術とは

高橋大輔

2024年、高橋大輔は2つの大きなアイスショーを抱えていた。1つは、1月に実施したこのインタビューの2週間後に公演を控えた新しいアイスショー「滑走屋」(福岡)、そしてもうひとつは6月に開催される「氷艶2024」(神奈川)だ。

「『滑走屋』は初めてすべてを自分自身でプロデュースをするアイスショーで、今回は振付けに、スケートの振付師ではない方を迎えました。スケートらしくない振付けをどうスケートで活かすかという面で、新鮮さを出していけたらなと思って。さらに今回は、アイスショーに出たことがないような選手も出るので、どうなるか本当に読めなくて(笑)。とにかく、一般のアイスショーではあまり見られない雰囲気のものをつくりたい、そこに一番力を入れています」

「滑走屋」の新たな試みは、振付けだけに止まらない。出演者は、高橋が自ら地方大会に足を運び、成績にかかわらず魅力的な滑りをする選手をスカウトした。チケットの価格や演出方法も従来のアイスショーと違った発想で、ファン層の拡大に挑んだ。

「アイスショーは、会場に氷を張ったり有名スケーターを呼んだり、チケットが高額になってしまう傾向があります。でも、『滑走屋』は、なるべくいけるところまで価格を抑えました。開催地である九州は、スケートの試合やショーがたくさんある場所ではないので、生でスケートを見たことがない方がたくさんいると思います。慣れていない方に、2時間の公演は長いんじゃないか、1時間15分くらいの方が気軽に楽しめるのではないかと考え、時間を短くして公演回数を増やして。」

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4.高橋大輔が抱くカンパニー設立の夢。世界のメダル無くとも、スケートを仕事にできる時代に

高橋大輔

高橋大輔は、現役時代からあらゆる面で「スケーターの自分」ができることに尽くしてきた。倉敷や大阪のリンクが閉鎖の危機に陥った時は、署名活動などに協力。東日本大震災の時も世界選手権を控えながらもいち早く行動し、復興を願ったチャリティ演技会を立ち上げた。それは、トップスケーターとしての責務ではなく、高橋大輔という一人の人間としてやってきたことだ。そして2度の引退を経た今、再び、フィギュアスケートの可能性を広げるために動き出している。

「フィギュアスケートも然りで、基本的にスポーツは、試合で勝たないとメディアで取り上げてもらえません。でも今は、情報源がテレビや新聞からSNSなどに変わってきている過渡期にあると感じています。そう考えると、自分が今、『滑走屋』(高橋自身がプロデュースしたアイスショー。2024年2月に福岡で開催)でやろうとしているような、あまり興味がない人にも『ちょっと行ってみようかな』と思ってもらうやり方や、特定のスケーターのファンというより、スケートそのものが面白いと思ってくれる人を増やすことが必要かなと思っています」

一般的に、フィギュアスケートを目にするとしたらテレビの放送だ。しかし、テレビで見て強く印象に残った演技でも点数が出なかったりと、採点競技ならではのわかりにくさがある。そして選手側にとっても、現在のルールは点数を稼ぐために独創性を犠牲にせざるを得ない、技術寄りの演技構成になってしまうことが多い。

「今のルールは細かすぎると感じています。『点数を取るためにこの技をしなければいけない』『この技をした後にこの動きをしないと点数を稼げない』となっていることが多く、外から見ていて“みんな同じことをしている”と感じることも少なくありません。」

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5.昔は恋愛体質だったけど今は…!? 高橋大輔38歳のプライベートに迫る

スケートリンクで行う氷上練習は、競技に出場する現役選手が優先のため、プロスケーターたちの練習時間は深夜や朝になることが多い。高橋大輔も例外ではなく、氷上練習をするための不規則な生活、トレーニングなど、現役の頃とは生活リズムも身体の作り方も大きく変わったという。

「まず、スキンケアはめちゃくちゃやっています。清潔感が大事なので(笑)。食事も、以前は好き放題食べていましたが、今はコントロールしています。アイスショーが近づいてきたり、筋力アップをする時期はしっかり食べますが、なかなか身体を動かす時間が取れない時は1日1食。これは自分の身体に合っているからそうしています。僕、ストレスは徹底的に排除したいんですよ。揚げ物もお酒も大好きだし、我慢をしたくない。だから、その1回で、めちゃくちゃ食べます!

身体作りについては、氷上練習の時間を現役の時ほど取れないので、筋力トレーニングを増やしたりしています。パーソナルトレーナーをつけて、週2〜3回くらい。僕が求めているパフォーマンスに合わせてトレーニングメニューを考えてくれるので、全部お任せにしています。あとは忙しくて全然できていませんが、ダンスを習いに行ったりもしたいですね」

現在、アイスショーのプロデュースやマンションのリノベーション、寝具の開発など、多方面でセンスを発揮している高橋。忙しい毎日のなかで、どのようにインスピレーションを得ているのだろうか。

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TEXT=ゲーテ編集部

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