35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第183回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
can’t recommendと言われても、がっかりしないでOK!?
オンラインで外国人の方に日本語を教える仕事を、本業の合間でしています。最初は英語で日本語を教えることで、自分の英語レベルも上がるのではと思っていましたが、現在は日本語レベルの高い生徒さんばかりがくるので、ほぼ英語は使っていません。ただただ改めて日本語の難しさを感じているだけの日々。けれど日本に興味を持ってくれる世界中の方と話せるのはとてもおもしろいことです。
レッスンを受けてくれた生徒さんは、私のプロフィールにコメントを残してくれます。それを見て、また新しい生徒さんがやってくるという仕組みなので、世界中の人にわかりやすいよう、多くの生徒さんが英語でコメントしてくれます。
その中で、以下のようなコメントがありました。
If you want to improve your Japanese writing, I really can’t recommend her highly enough!
「“If you want to improve your Japanese writing”だから日本語にすると『もし、日本語のライティングを改善したければ』かな。次は“I really can’t recommend her highly enough! ”だから『十分に彼女をレコメンド……』あれ、can’tだから『できない』ってこと!?」
それまでの文章ですごくレッスン内容を褒めてくれていたので『この先生はおすすめだ』と言ってくれるに違いないと思っていました。しかし最後の“can’t recommend(おすすめできない)”というところで非常にショックを受けました。
レッスンを毎回楽しそうに受けてくれるし、何より定期的に予約をしてくれるので、きっと楽しんでくれているんだろうと思っていました。なのに、コメントにひっそり“can’t recommend”と書くとは、なんと裏表のある人だ、そう思い、怖くて、怖くて、震えました。
けれど、よくよく調べてみたら、全然違いました。
Can’t 〇〇enoughで「これ以上〇〇できないくらい」という意味だそうです。つまり、「彼女のレッスンはおすすめしてもしきれないほどだよ!」という最上級の褒め言葉でした。
他にもこの表現ではこんな使い方があります。
I can’t thank you enough. (あなたには感謝してもしきれない)
You can‘t be careful enough in driving a car.(注意して運転してもしすぎることはない)
この、ドライブの例文を見た時、はるか昔、受験勉強で覚えた例文だったなと思い出しました。人に日本語を教えていないで、もっと英語勉強しないとな、という気がしてきました。
ちなみに似たような構文でこういうフレーズもあります。
Can’t agree more
例えば、何か意見を言った時に
I can’t agree more.
と言われたら、“can’t agree(賛成できない)”とは言っていますが“more”がつくことで「これ以上賛成できないくらい賛成」という意味になるそうです。
Can’tと否定系で言われたからといって、必ずしも否定でない場合があることをしっかり覚えておきたいです。
ちなみにcanとcan’tは英語力0.5だと発音が区別しづらく、聞き取りも発話も苦労します。しかし、can(できる) とcan’t(できない)ですから、ちゃんと聞き取れて言えないと、逆の意味になってしまうので非常に注意をしていました。
結果、発話する際はもう、can’tと言わず、can notとしっかり発音して強調することにしていました。しかももっとも伝えたい部分“not”にアクセントを置いて言うので、否定していることを強調しながら喋る嫌なヤツになっていたと思います。
けれど、「できない」ことを「できる」と取られて物事がすすむ方が大変なことなので、そこはもう諦めてcan notと言い続けていたことをふと思い出しました。
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連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。