筋肉美をもつ女神シリーズ「マッスル美女」から、2024年のベスト5をまとめてお届け! ※2024年1月〜10月掲載記事を再編。
1.元スケート選手の美大生はなぜ、ボディビル大会で優勝できたのか
ボディメイクやフィットネスへの関心が高まる昨今、ボディビル大会に出場する女性たちが増えている韓国で、伝説的な“マッチョ・ウーマン”として知られているのが、今回紹介するファン・ヘミンだ。
韓国の美ボディ大会として有名な「マッスルマニア・コリア」大会で頭角を現し、2015年にアメリカのラスベガスで行われた「FITNESS AMERICA WEEKEND 2015」にて、女子フィジーク部門の頂点に立った。
女性らしさを維持しつつ、バランスの取れた筋肉と体型の美しさを競う女子フィジーク部門で、東洋のアジア人が生き残るのは難しいといわれている。そんななかで優勝した彼女は、当時話題になった。
3年後の「FITNESS AMERICA WEEKEND 2018」でも女子フィジーク部門で栄冠に輝くと、「神が宿った肉体」「ボディメイクの彫刻家」「世界1位のマッスル女帝」など、さまざまなキャッチフレーズで報じられた。
「恥ずかしいかぎりです(笑)。昔から体を動かすことが大好きだったことも、関係しているかもしれません。私はただ一生懸命にトレーニングを積んだだけです」
もともとは銀盤を駆け抜けるスケーターだった。5歳の頃からスピードスケートを始め、ジュニア時代にその名を馳せたエリート。だが、スケートリンクだけで過ごす青春に嫌気がさして、推薦確実だった体育大学には進学せず、スポーツとはまったく無縁の美術大学に進学した。
2.26歳、ガリガリだった人気インフルエンサーがマッスルボディを手に入れた理由とは
韓国のフィットネス専門誌『MAX Q 』の編集長によると、今回紹介するカン・ジウンは2024年注目のマッスルガールだ。
2022年の「WNGP南楊州ビキニオープン」で颯爽と登場し、2023年は「コリア・ベストクイーン・モデル選抜大会」でモデル賞を受賞。一躍話題の人物となり、『MAX Q』2024年2月号ではグラビア特集も組んで読者からも好評だった。
彼女は“Pink MilK”のアカウント名でTikTokやインスタグラムでは15万近いフォロワーを抱えるインフルエンサーでもある。1998年生まれ・26歳のカン・ジウンは言う。
「学生の頃から美術やアートなどクリエイティブな作業が大好きで、メイクアップ、アートマスク、ボディペインティングの資格も持っています」
多彩な才能を誇る女性だが、そんな彼女がなぜ美ボディを競う世界に飛び込むことになったのか。
「実は学生時代に地元のフィットネスセンターでアルバイトをしていたんです。受付や雑用が主な仕事だったのですが、一日の仕事が終わるとセンターに務めるトレーナーの方々から“一緒に運動しよう”と誘われて。それがきっかけでウェイトトレーニングを始めました」
誘われるがままにウェイトトレーニングを始めたというカン・ジウンだが、その効果に驚かずにはいられなかったという。
3.一流企業で働くママは、“レジェンド級マッスル美女”だった
美しく健康的な“マッスル美女”たちが続々と誕生する韓国のフィットネス業界で、いまだに語り継がれている“レジェンド”がいる。それが、今回紹介するオ・ユミだ。
色白の肌とバランスの取れたボディが印象的な“健康淑女”は、2015年のフィットネス大会「マッスルマニア・コリア」ではモデル部門1位、ミス・ビキニ部門4位となり、2017年には「マッスルマニア・コリア」でモデル部門やミス・ビキニ部門など、5部門で入賞を果たした。
このような実績もさることながら、その素顔とエピソードが凄い。釜山(プサン)大学の環境工学科出身のリケ女(理科系女子)で、韓国が世界に誇る大企業の電子会社で働くビジネスパーソン。それだけに2015年の「マッスルマニア」入賞時は「上司もビックリのマッスル美女が登場」(スポーツ紙『スポーツ京郷』)と、大きく報じられたほどだ。オ・ユミも当時について次のように振り返る。
「コンテスト出場はもちろん、体作りに励んでいたことも職場には秘密にしていたので、ニュースで報じられる私を見て同僚たちもビックリしたようです。体作りを秘密にしていたのは、“仕事もせずに運動にばかり精を出している”という偏見を持たれたくなかったから。
受賞後には“いつの間にそんな立派なカラダを作り上げたの?”と驚かれましたが、当時は朝6時半に起床、7時~7時半に朝食、7時半~8時に出勤して8時半から就業、11時半~12時に昼食、17時〜17時半に夕食、18時半に退社、19時〜20時に帰路について20時半~23時にトレーニング、23時~0時でポージングやウォーキング練習、午前1時に就寝といったスケジュールでした。
ビジネスパーソンなら、細かな“時間管理”と“選択と集中”に徹することは当たり前のことですよね (笑)。私は自分の体作りでもそれを徹底しただけですよ」
4.現役看護師が心身ともに疲弊し、筋トレにハマった結果…
現役の看護師でもあるキム・ユンジ。体の弱かった祖母を中学1年生の頃から看病するようになり、「寄り添い誠心誠意を尽くすことで、弱った人が健康を取り戻していく姿に喜びとやり甲斐を感じて看護師になりたいと思った」という。
その夢を実現するために看護学科のある大学に進学し、夜通し勉強を続けて国家試験にも合格。念願叶い看護師になったものの、現実は甘くはなかった。
日勤と夜勤を繰り返し、時には徹夜勤務もある日々。2020年からは新型コロナウイルス感染症のパンデミックもあって、コロナ病棟に臨時派遣されることもあった。まさに朝から晩まで業務に追われる毎日で、気がつくと体が危険信号を発していたという。
「全身の筋肉量が減って下腹部がポッコリと出た、典型的な痩せ型肥満の体型になっていたんです。重いものを持ったり、ちょっと走っただけで息切れしてしまうほど、体力も落ちていました。学生時代はバレーやバドミントン部の部長も務めるなど、スポーツ好きだっただけに、ショックでした」
患者たちの健康を管理する立場にあるはずの看護師が、自らの健康も管理できていなかった。ユンジはすぐに食生活を改め、看護師の業務スケジュールに支障がない範囲でできる体力強化方法はないかと考えた。
5.「短所だった大きなヒップが長所になった」元軍人がハマった美ボディ作り
韓国には同姓同名が多い。「キム(金)」を筆頭に、「イ(李)」「パク(朴)」「チェ(崔)」「チョン(鄭)」など名字が限られており、名前をつけるにあたって“音”を重視するため、かぶりやすいのがその理由だ。例えば女子プロゴルファーのイ・ジョンウンも5人以上もいて、区別するために「イ・ジョンウン1」「イ・ジョンウン2」といった具合に表記するほど。
韓国のフィットネス界にも同姓同名の“マッスル美女”がいる。今回紹介するイ・スジがその人だ。以前に本欄で紹介した“ハガネのママ”もイ・スジという名前だが、今回紹介するイ・スジには“hipzzzy”というニックネームがある。
「まだ完璧ではありませんが、自分の体の部位の中で最も気に入っているヒップと、私の名前である“スジ”を組み合わせ、ちょっと可愛らしくするために、語尾がジからジィ〜になりました。ファンたちがつけてくださったニックネームです」
仁川(インチョン)にあるフィットネス・スタジオに務めるマネージャーでありながら、インスタグラム(@hipzzzy)のフォロワーは10万人を超える彼女。ボディメイクに興味を持ち始めたきっかけは、ボーイフレンドだった。
「ウェイトトレーニングをはじめて、かれこれ13年ぐらいになります。始めたきっかけ? 当時付き合っていた彼が筋トレ好きで、それを横で見ていた影響もあって自然とジムに通うになりました。気づけばジムが職場になっているのだから、不思議ですよね」
もとは制服を着る職業に従事していたという。制服がある職業と言えばキャビンアテンダントか看護師などが思い浮かぶが、彼女から返って来た答えは意外な言葉だった。