日本を代表するスタイリスト・野口強が選ぶ、2024年の6つの最上級をまとめてお届け! ※GOETHE2024年2月号掲載記事を再編。【特集 最上級主義2024】
1.ゴローズ、希少なアンティークコインを用いた、コンチョベルト
デニムスタイルに風格を添えるコンチョベルト。そもそもは飾り金具のついたレザーベルトを指すが、年代物の古いコインを用いたゴローズのコンチョは、とりわけ別格の存在だ。
「このコンチョベルトは、アンティークコインのなかでも希少価値の高いモルガンダラー銀貨を丁寧に叩いて、バックル側から13個並べたもの。コインは発行初年度の1878年から1890年までの一年刻みで順に並んでいて、そのどれもが状態がとてもいい。バックルのイーグルの彫金の仕上がりともあわせて、今、日本で手に入るであろうコンチョベルトの最上級です」
2.カリスマスタイリスト・野口強が惚れた、ブリオーニの上品タキシード
フォーマルな場面に華を添えるタキシードは、本来ならオーダーで誂えるのが理想。ただそれには時間と予算が限られるのと、初心者は汎用性の高いベーシックなデザインを選びがち。グラマラスで艶のあるスタイルを狙うなら、プレタポルテのサイズを微調整するのも選択肢のひとつ、と野口氏は語る。
3.「これぞ革ジャンの頂点!」多くのレザーを着た野口強が惚れた、ルイズレザーズのヴィンテージライダーズ
「これまで数え切れないほどのレザージャケットに袖を通してきたけれど、革ジャンの頂点といえるのはこれ」と野口氏が語るのは、1892年創業の英国最古のモーターサイクルウェアブランド・ルイスレザーズの代表的モデル「サイクロン」の1970年代ヴィンテージモデル。
4.野口強が驚愕した、ロエベの最上級ジーンズ
ロエベの2024春夏メンズコレクションのランウェイに登場したデニムパンツは、スーパーハイウエストでフレアシルエット。そんな大胆さに加え、パンツの全面には極小のラインストーンがびっしりと配置。ライトを乱反射し、眩(まばゆ)い光を放つ。
「なによりも、デニムでこういうものをつくろうとする発想がすごい。つくろうと思って、実際に作ってしまう胆力と高い技術もしかり。モデルが穿いてランウェイに出てきた姿を見た瞬間に、やられたと思いました」
5.世界で最も希少なコットンを使用したショーツ
西インド諸島産のシーアイランドコットンは、世界中で最も希少なコットンとして知られる。シルクのような光沢、カシミア然とした柔らかさ、ウール並みの耐久性を併せ持ち、なめらかな肌触りで、カットソーやTシャツなど、多くのラグジュアリーブランドに採用されてきた。
そのシーアイランドコットンのなかでも、さらに最高級といわれるバルバドス産、それも完熟した手摘みの綿花のみを収穫し、エクスクルーシブで快適なアンダーウェアに仕上げているのがヅィメリの「286 シーアイランドコットン」だ。
6.1500万円! リーバイスのヴィンテージデニムジャケット
「ヴィンテージデニムの魅力は、ひとつとして同じものがなく、それぞれの表情がまったく異なっているところ。原料の糸から作り、当時の織機やミシンを使って再現しようとしても、近いものはできても、同じ風合いには決してならない。さんざん言われてきていることですけれど、それがヴィンテージデニムの醍醐味たるゆえんだし、最も惹かれるところです」