CAR

2026.03.10

「アルファ・ロメオ×フェラーリ」のコラボが買えるのは、いよいよラストチャンス!

生産終了が噂されていたアルファ・ロメオの4ドアセダン、ジュリアの生産延長が発表され、アルフィスタからは拍手喝采が沸き起こっている。

大変革期の波に揺れるミラノの名門

いよいよこれが、本当にラストチャンスになりそうだ。

2年ほど前から、アルフィスタと呼ばれるアルファ・ロメオ愛好家の間では、「いまのうちにジュリアを買っておいたほうがいい」という言葉が挨拶代わりのようになっていた。というのも、ぞくぞくするようなエグゾーストノートを奏で、胸のすくようなハンドリングを味わわせてくれる“本物”のアルファ・ロメオは、4ドアスポーツセダンのジュリアとそのSUV版であるステルヴィオが最後になると目されていたからだ。

写真は、2025年11月に46台が日本市場に投入された限定モデルのアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・エストレマ。エストレマは、イタリア語で「究極」という意味を持つ。

アルファ・ロメオのほかにプジョー、フィアット、ジープなどなど、14ものブランドで構成されるステランティスという巨大自動車メーカーにあって、アルファ・ロメオの立ち位置には変化が求められていた。ミラノの名門には、より多くの販売台数が見込まれるコンパクトカーに移行すると同時に、電動化の先頭に立つという方針が示されたのだ。

ジュリア/ステルヴィオの後継モデルも電気自動車になると予想され、それが「ジュリアを買っておけ」につながったのだ。

2015年に発表され、2017年より日本に導入されたアルファ・ロメオ・ジュリアは、「名門復活」というメッセージが込められたモデルだった。具体的には、効率に優れるFF(前輪駆動)ではなく、操縦性やハンドルの手応えといった官能性を重視したFR(後輪駆動)のレイアウトを採り、高性能版のクアドリフォリオにはフェラーリの息がかかったV型6気筒ツインターボエンジンを搭載した。

余談ではあるけれど、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリはもともとアルファ・ロメオのドライバー出身だから、両ブランドのコラボには特別な意味がある。

話を戻すと、ジュリアというのは高級で美しいだけでなくサーキットでは無敵、つまりケンカも強い貴公子というアルファ・ロメオの原点に立ち返ったモデルなのだ。

アルファ・ロメオ・ジュリアの特徴は、エンジンを縦に置き、後輪を駆動するレイアウトを採用していること。もしかすると最後の後輪駆動・内燃機関のアルファ・ロメオになるかもしれない、という思いがアルフィスタの心をかき立てる。

クアドリフォリオとは四葉のクローバーの意味で、1920年代のアルファ・ロメオのレーシングマシンに幸運を願うシンボルとしてあしらわれたという由緒正しいものだ。はたして、アルファ・ロメオ・ジュリアのクアドリフォリオ仕様は、2025年9月に生産を終了している。

こうして、FRレイアウトとフェラーリ製V6エンジンを組み合わせたジュリエッタは、自動車業界の変革の波に飲み込まれて消えてしまう運命にあった。ところが──。

猶予は2027年までの1年間

「あぁ、やっぱりあのとき、ジュリアを買っておくべきだった……」と悲嘆する方も少なくなかった2026年3月、アルファ・ロメオは中止していたヨーロッパにおけるジュリア/ステルヴィオの受注を再開すると発表した。ディーゼルエンジン搭載モデルは廃番になったものの、クアドリフォリオも含めた両モデルのガソリンエンジン搭載モデルは、2027年まで生産が継続されることになったのだ。

BEV化が延期され、内燃機関モデルの販売が継続された背景には、ヨーロッパで高級電気自動車の需要が伸び悩んでいる事実があるという。クアドリフォリオに乗り続けたいというアルフィスタたちの願いが届いたのではないか、というのはクルマ好きの妄想だが、アルファ・ロメオは実用車ではなくパッションを高ぶらせてくれる存在。このブランドを支えてきたマニアの声が多少の影響を与えたとしても不思議ではない。

1954年に、アルフォ・ロメオの「ロメオ」とシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をかけて、「ジュリエッタ」というモデルが生まれた。その後、ジュリエッタの姉という位置づけでジュリアという名称のモデルが登場した。つまり、デビューは妹のジュリエッタのほうが早かったのだ。
100年以上にわたって、アルファ・ロメオの高性能モデルの象徴として使われているクアドリフォリオ(四葉のクローバー)。インテリアにもこのエンブレムが使われている。

ちなみに、「ヨーロッパにおける」と記したけれど、日本市場でどうなるかについての正式発表は本稿執筆時点では行われていない。ただし日本のエンスージアスト(熱心なクルマ好き)が長年にわたるアルファ・ロメオのよき理解者であることには疑念の余地がない。朗報を待ちたい。

参考までに、2025年11月に日本市場で46台の限定販売されたアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・エストレマは、モータースポーツで大活躍するアクラポビッチのエグゾーストシステムが装着され、標準仕様より10ps増しの最高出力520psを誇った。これから発表されると推察する日本仕様の“ファイナル・エディション”には、はたしてどんな演出が用意されるのだろうか。

限定モデルのジュリア・クアドリフォリオ・エストレマのエグゾーストシステムは、レース界の名門であるアクラポビッチ製。チタン製のマフラーとカーボン製のテールパイプフィニッシャーが組み合わされている。
黒く塗られたブレーキキャリパーとアルミホイールの組み合わせが精悍な印象を醸している。

ローマの南、約130kmに立地するカッシーノ工場でジュリア/ステルヴィオの生産が再開されるのは2026年4月。アメ横の閉店セールと違って、この1年が本当に最後のチャンスになるはずだ。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・エストレマ
全長×全幅×全高:4635×1865×1435mm
ホイールベース:2820mm
エンジン:2.9ℓV型6気筒ツインターボ
トランスミッション:8段AT
駆動方式:後輪駆動
エンジン最高出力:520ps/6500rpm
エンジン最大トルク:600Nm/2500rpm
価格:クーペ ¥14,470,000

問い合わせ
Alfa Contact TEL:0120-779-159

サトータケシ/Takeshi Sato
1966年生まれ。自動車文化誌『NAVI』で副編集長を務めた後に独立。現在はフリーランスのライター、編集者として活動している。

TEXT=サトータケシ

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