2025年テスラを追い抜きBEV(電気自動車)の世界販売台数で首位に立ったBYD。日本市場に向けた第5弾モデルは初となるプラグインハイブリッド「SEALION6」。ミッドサイズSUVながら前輪駆動モデルなら300万円台、4WDでも400万円台という驚きのプライシングを掲げており、その仕上がりを確かめてみた。

国内導入初のプラグインハイブリッドモデル
国内市場向けとしては初となるPHEV(プラグインハイブリッド)「SEALION6」が日本に上陸した。BYDというとこれまで日本ではテスラのようなBEV(電気自動車)専門ブランドとして展開していた。
しかし、市場動向を鑑みて方針転換を行ったというわけだ。日本ではあまり知られていないが、BYDはトヨタにも先駆け2008年に世界初の量産PHEVを発表しており、2025年の世界販売においても約半数をPHEVが占めている。

「SEALION6」は全長4775mm×全幅1890mm×全高1670mmのミッドサイズSUV。メルセデス・ベンツGLCやBMW X3などと同等のボディサイズだ。
ラインアップは、前輪駆動と四輪駆動の2モデルでモノグレードのシンプルな構成となっている。

エクステリアは車名に「SEALION(アシカ)」とあるように、海洋生物をモチーフとしたもの。
ちなみにBYDのデザインチームを率いているのはアルファロメオやアウディのデザインダイレクターを務めたドイツ人デザイナーのヴォルフガング・エッガー氏であり、どこか欧州車を思わせる。インテリアは元メルセデスのデザイナーを登用しており、中国メーカーというよりはグローバルブランドの様相を呈する。

インテリアは12.3インチのデジタルメーターとダッシュボード中央に15.6インチの高精細大型ディスプレイを採用。音声操作が可能な最新のインフォテインメントシステムを搭載し、infinity10スピーカーオーディオシステムやワンタッチ開閉式パノラマサンルーフなどすべてが標準装備となっている。

独自のハイブリッド技術を搭載、驚愕のプライシング
今回試乗したのは前輪駆動モデルだった。
パワートレインは、最高出力72kW/最大トルク122Nmを発揮する1.5リッター直列4気筒エンジンと、最高出力145kW/最大トルク300Nmのモーター、そしてバッテリーメーカーを出自とするBYDが得意とするリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(容量18.3kWh)を組み合わせたもの。

独自のハイブリッド技術である「DM-i(デュアルモード・インテリジェンス)」は、日常シーンでは 内燃エンジンを発電用として使用しEVとして走行するいわゆるシリーズハイブリッド。
高速巡航時など一定の条件においては効率の良い内燃エンジンによる走行も行うというもの。EV走行距離は100km、ハイブリッド燃費(WLTCモード)は22.4km/Lとなっており、満タン、満充電からの航続距離は1200kmに到達するという。
日本仕様はわざわざレギュラーガソリン対応へと変更されている。
EVモードでもハイブリッドモードでも基本的にモーターで駆動するため、動き出しは滑らかで静粛性が高く、日常の速度域で内燃エンジンの存在を感じることはあまりない。高速道路での合流時などアクセルペダルを一気に強く踏みこむようなシーンでは、加速が追いつかずエンジン音が大きくなることもあるが許容範囲だろう。

回生ブレーキは、シフトセレクターにBレンジなどもなく、センターディスプレイ上でスタンダード/ハイの2段階で調整が可能。どちらも減速度に大きな違いがなくもう少し差別化が欲しいところだが、おそらくこのあたりはユーザーから声があがれば年次とはいわず早いサイクルでアップデイトされるだろう。

乗り味などに際立つ個性のようなものは感じられなかったが、逆に不満に思うところもなかった。
しかし、人気のミッドサイズSUVで、質感も使い勝手も十分。プレミアムオーディオやパノラマルーフまで標準装備しており、オプションがまったく必要ない。それでいて398万2000円という価格は驚くほかない。
さらにCEV補助金15万円(2026年4月1日登録〜)と、自治体の補助金(東京都の場合、ZEV補助金が最大60万円)も適応される。2025年12月の発表以来、国内の累計受注台数は1000台を超えたというのもうなずける出来だった。
問い合わせ
BYD JAPAN TEL:0120-807-551

