CAR

2026.04.23

最もラグジュアリーな2シーターオープンカー「メルセデス・マイバッハSL」【試乗】

「メルセデス・マイバッハ」ブランドとして初の2シーターオープンモデル「メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ」に試乗。最新の技術と職人の技を駆使してラグジュアリーに仕立てられたマイバッハならではの乗り味とはいかに。

【試乗】もっともラグジュアリーな2シーターオープン「メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ」

マイバッハ第4のモデルは2シーターオープン

メルセデス・ベンツにはいま2つのサブブランドが存在する。モータースポーツ由来でスポーツ性能を高めたモデルには「メルセデスAMG」、そして、上質な素材を用いた最上級モデルには「メルセデス・マイバッハ」のブランドが冠せられる。

このブランド名は、1900年代にV12エンジンを生み出したエンジン製造会社「マイバッハ・モトーレンバウ」を興したエンジニアのヴィルヘルム・マイバッハに由来する。同社はのちにメルセデスの傘下となり、2014年以降はメルセデスの最上級ブランド「メルセデス・マイバッハ」としてその名が使われている。

【試乗】もっともラグジュアリーな2シーターオープン「メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ」
ボディカラーはガーネットレッド(メタリック)とオパリスホワイトマグノ(マット)の設定。

現在、メルセデス・マイバッハにはSクラス、GLS、EQS SUV、の3モデルがある。「SL680モノグラムシリーズ」は、第4のモデルであり初の2シーターオープンモデルだ。

ベースとなるのはメルセデスAMG SL63だが、あちらがパフォーマンス重視であるのに対して、こちらは微に入り細に入りラグジュアリーな仕立てとなっている。

【試乗】もっともラグジュアリーな2シーターオープン「メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ」
専用グリルをはじめクロームのパーツをふんだんに使用。ヘッドライト内部にはローズゴールドのアクセントが配されている。

フロントまわりではマイバッハ独自のクローム仕上げのラジエーターグリルを採用。垂直の細いルーバーを用いており、輪郭はマイバッハのロゴと共に光り輝く仕掛けとなっている。グリル下部のエアインテーク、そしてAピラーもクローム仕上げに。ボンネット上には3ポインテッドスターのマスコットを配置し、その延長線上にクロームメッキのモールがまっすぐにのびる。

【試乗】もっともラグジュアリーな2シーターオープン「メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ」
ボディサイズは全長4695mm、全幅1915mm、全高1365mm、ホイールベース2700mm。

リアまわりでは、テールライトに立体的なドットデザインがあしらわれている。リアバンパーにはクロームトリムと専用デザインのディフューザーを採用し、水平バーを備えた専用のテールパイプトリムが、エレガントさを強調する。

ルイ・ヴィトンもかくやの全身“モノグラム”

そしてマイバッハであることをもっとも主張するのが、車名にもあるモノグラム。ちなみにモノグラムとは、2つ以上の文字を組み合わせてつくられた記号のことで、それをあしらった古典的なデザイン手法としてはルイ・ヴィトンなどが有名。Mの文字を2つ重ねたダブルMと呼ばれるマイバッハのエンブレムは、本来、マイバッハ・モトーレンバウ社の頭文字だが、現在のメルセデス・マイバッハとしてもつじつまが合う。

このモノグラムを車体のさまざまな箇所にあしらっている。特に目をひくのがオプション品のボンネット。非常に手間のかかった工程によってつくられており、まず1層目にベースコートとクリアコートを塗布し手作業で研磨。 次に最新の塗装技術ピクセルペイントを用いてマイバッハパターンをプリント。その後さらに2度のクリアコート塗装と手作業による研磨を経て、最終のクリアコート仕上げを実施。合計4層のクリアラッカーと3回の研磨工程によってマイバッハパターンの奥行きを表現しているという。オプション価格は100万円というが、工芸品と思えばそれも納得だ。

ソフトトップ、そしてトップを格納した際にあらわれるダブルスクープのトノカバー、そしてドアトリムのアッパー部分にも一連のものとしてモノグラムを配置している。

インテリアはドアパネル、サイドシル、センターコンソール、シートなどあらゆるところに植物由来のなめし加工を施した純白のナッパレザーが張り巡らされている。フロアマットまで真っ白で土足で乗り込むのがためらわれるほど。まさにラグジュアリーな空間である。

シート表皮には凝ったフローラルデザインの模様が施されており、背後のスペースにまですべて同じホワイトレザーを使用。ダッシュパネルの上部やステアリングはブラックレザーで、エクステリアと同様の2トーン仕様となっている。インフォテインメントシステムなどはベースのAMG SL63と同様の縦長の12.3インチタッチ式ディスプレイを採用。メーターのディスプレイなどにはマイバッハ専用のグラフィックが用意されている。

パワートレインは、AMG SL63譲りの4リッターV8ツインターボエンジンに9速ATを組み合わせたもの。最高出力585PS、最大トルク800Nmに変更はない。駆動方式も同様に4MATIC(4WD)だ。

極上の乗り味を実現する“マイバッハモード”

【試乗】もっともラグジュアリーな2シーターオープン「メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ」
4リッターV8ツインターボエンジンは最高出力585PS、最大トルク800Nmを発揮。車両本体価格は3650万円。

そしてドライブモードは「コンフォート」「スポーツ」「インディビジュアル」に加えて専用の「マイバッハ」モードが用意される。これを選択するとサスペンションは最も柔らかい設定となる。さらにエンジンやトランスミッションの動作にまで配慮して、より音や振動を抑えるように調整され、静粛性が向上し非常に快適な乗り心地を実現する。

足回りには油圧制御によりロールの動きを瞬時に補正するACTIVE RIDE CONTROLサスペンションを標準装備。専用のダンパーとスプリングもよりソフトなものに変更されている。21インチの大径タイヤを装着していたが、路面の凹凸を滑らかに吸収してくれる。

ソフトトップは骨格部に吸音材を多用するなど徹底した遮音対策が施されており、閉めてしまえばクーペと錯覚するほどの静かな車内空間をつくりだす。またマフラー内部にもリサイクル可能なグラスファイバー製インレイを採用することで静粛性を高めている。

もちろん基本はメルセデスAMG SL63なので、スポーツモードを選択すれば、スポーツカーのような走りも可能だが、このモデルにはあまり似つかわしくない。マイバッハの名を冠しているとおり、ゆったりと優雅にクルーズするのがふさわしい。最新技術と匠の技を融合してメルセデスが実現した究極のラグジュアリーオープンなのだ。実はすでに2026年モデルは完売という。世界情勢は不安ながらも富裕層ビジネスは活況のようだ。

TEXT=藤野太一

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