軽井沢に邸宅を持つということは、その希少な自然をも味方にするということ。軽井沢での暮らしは、人生をいかに豊かにするのか──。今回は、経営者X氏の邸宅を紹介する。【特集 偏愛リゾート軽井沢&熱海】

木の香りや鳥のさえずりに耳を澄ます、高台の邸宅
建物は傾斜地に建ち、広いテラスが張りだすようにレイアウト。ここにいると、まるで森の中に浮いているようだ。
「このテラスが一番のお気に入りの場所です」と笑顔で語るのは、都会で複数の会社を経営する実業家のX氏。
「“別荘地”は日本各地にありますが、自分が別荘を持つなら、軽井沢以外に候補はなかった。実はこの別荘を手に入れる前から、軽井沢駅に近いエリアにマンションを借りていて、そこに何年も通う間に、すっかり軽井沢に魅了されてしまいました」
どうせなら家族や社員も使える別荘を建てたいと思い立つも、自分自身の仕事は多忙を極めて打ち合わせもままならず、さらに昨今、職人の手も足りず完成までは数年かかるといわれて二の足を踏んでいた。
しかし縁あって、軽井沢の人気設計事務所エムズ・アーキテクツと知り合い、自社で土地から開発した完成間近の物件として、ここを紹介されたという。
「とにかく石や木など素材使いが上手くて、美しい。ひと目で気に入りました。立地も歴史あるエリアですし、適度に隣家の存在がわかる距離感も気に入ってます。誰もいない山中だとちょっと寂しいですから(笑)」
国内外を忙しく飛び回るX氏にとって、“タイパ”の点でも軽井沢は理想だという。
「新幹線で通えることは、大きなアドバンテージです。例えば金曜日、東京で会食を終えてから、新幹線の最終便で軽井沢に行くこともあります。東京駅から軽井沢駅まで約1時間ですから、月曜日の朝イチの新幹線でそのまま出社することもできます。または連休の最終日の高速道路はどこでも混むでしょ。だったらゆっくりワインでも飲んで、最終の新幹線で東京に帰ることもできる。そういった移動の自由も、軽井沢の魅力です」
暮らして気づいた軽井沢の実力
軽井沢=避暑地のイメージがあるが、別荘を構えたことで冬の軽井沢の楽しさも知ったそう。
「寒さは厳しいけど、凛とした空気感がある。木立がつくりだす景色は綺麗で、人が少ないので静かです。寒ければアウターを着こめばいいし、室内には薪ストーブもありますから。上手に燃焼させるにはコツがいりますが、だいぶ慣れてきましたよ」
自分らしい軽井沢での過ごし方を探しながら、ここでの滞在を楽しんでいるX氏。趣味や仕事を通じて、軽井沢仲間のネットワークも広がっているそう。
「東京でやる会食とは、心の距離が違うんです。“家の近所で集まって食事をしている”感覚。ご近所同士で食事して、帰って、また次の日に一緒にゴルフに行く。それだけなんです」
ただし、集うのは素敵なレストランであり、帰る家は自然に囲まれた美しい邸宅……。それが軽井沢での暮らしなのだ。
別荘地として歴史や伝統がありながら、商業施設やホテルなどの開発も進む軽井沢は、古い文化と新しい文化が上手く融合する場所でもある。だからこそ、この地に新しい風を吹かせようとX氏は考えている。
「仕事を通じて知り合った人々を招くサロンをつくりたいと思っています。日本なら軽井沢が、候補地の筆頭でしょうね」
軽井沢に別荘を持つ。それがゴールではなく、ここでの時間をどう楽しむのかを考える。それがX氏を笑顔にさせる。
My Favorite Place
1.Restaurant Naz
「ぺアリングのノンアルコールが素晴らしい。料理との相性が抜群で何度でも通いたい」
2.ロクリ
「地元の方々にも愛される洋食屋さん。毎回食べるのがパスタ。ポテトサラダも美味しい」
3.武田そば 風林茶屋
「家族皆、好みが違うので蕎麦屋の食べ歩きをしますが、年越しそばはここで買ってます」
この記事はGOETHE 2026年7月号「総力特集:偏愛リゾート最前線!」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら






