西野さんのビジネス書最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』は、Amazon書籍総合第1位、オリコンBOOKランキング1位となる話題書。“ビジネスパーソンが目を離してはいけない人物”の筆頭である西野さんは、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の宣伝活動の裏で、人気美術館の「事業再生」も始めていた。ここに、新たなビジネス常識が生まれつつある。他の事業にも通じることが次々と出てくるので、西野さんの言動をリアルタイムに観察するどうかは、ビジネスパーソンの未来を左右する。今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今回は【美術館をつくる】というテーマでお話ししたいと思います。
第247回
一過性の話題作りは、“参加”ではなく“消費”を生むだけで、“粗探しの対象”にも!? 今の時代に求められているのは、「完成された成功談」でなく、失敗や試行錯誤を含んだ「現在進行型のリアリティ」だ!
一過性の話題作りは、“参加”ではなく“消費”を生むだけで、“粗探しの対象”にも!? 今の時代に求められているのは、「完成された成功談」でなく、失敗や試行錯誤を含んだ「現在進行型のリアリティ」だ!

“現在地を正直に共有する”という進め方
『河口湖 音楽と森の美術館』の運営を少しずつ引き継いでいます。
引き継ぎの初期段階で、「このタイミングで美術館名も大きく変えますか?」という提案をいただきましたが、現在の名前は、これまでこの場所を守り続けてきた先輩方の歴史そのものです。
加えて、現時点ではまだ館内コンテンツに十分に手を入れられているわけではありません。
そんな状況で、必要以上に“リニューアル感”だけを演出し、期待値を先行させることには違和感があったので、「まずは名前を変えずにいきましょう」とお返ししました。
これは裏を返せば、「まだ、その期待に見合うだけの状態には到達していません」という、極めて率直な自己申告でもあります。
けれど実際に美術館へ足を運んでくださったお客様からは、「この場所がこれからどう変わっていくのか楽しみ」という声を多くいただいていて、結果として、“現在地を正直に共有する”という進め方は間違っていなかったと感じています。
言い換えるなら、「完成品を見に来る」のではなく、「育っていく過程を味わいに来てくださっている」という感覚です。
逆に、今の時代において危ういのは、「オープンに合わせて大々的に煽る」というやり方かもしれません。
もちろん、一時的に話題にはなるでしょう。ですが、その熱量は往々にして“参加”ではなく“消費”を生みます。そして期待値だけが先行すると、コンテンツは「一緒に育てるもの」ではなく、「粗探しの対象」になってしまう。
だから今は、背伸びをせず、変化のプロセスそのものを共有していくことに価値があると思っています。
華やかさよりも、まずは基礎体力を整えるフェーズ
最近は、『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』を届ける日々もそうですが、「完成された成功談」よりも、失敗や試行錯誤を含んだ“現在進行形のリアリティ”に面白さを感じています。
厳密に言えば、今、美術館で取り組んでいるのは「新規事業」ではなく「事業再生」です。
ゼロから理想形を作るのではなく、すでに存在している課題や負債や構造も含めて引き受けた上で、「さて、ここからどう立て直すか?」を考える仕事です。
今はまず、出血を止める。
その上で、集客と収益を改善していく。
華やかさよりも、まずは基礎体力を整えるフェーズです。
僕自身、講演会やビジネス書、コンサルティングなどで散々“経営”について語ってきた立場なので、ここで結果を出せなければ説得力がありません。
ある意味では、「経済評論家が実際に起業する」ようなものだと思っています。
でも、どうせ挑戦するなら、そのぐらい緊張感のある方が面白い。
失敗すれば信用を失うかもしれない。だからこそ、そこにリアリティがある。
何歳になっても、そういう崖沿いを歩きながら、うまくいったことも、うまくいかなかったことも含めて、皆さんと共有していきたいと思っています。
これから重要になるのは、「誰が語っているのか」
最近の小さな発見でいうと、美術館内のコーヒーを100円値上げしても、販売数がほとんど変わらなかったことです。
もともとは“地元価格”で設定されていたのですが、スタッフにとっては日常の場所でも、お客様にとって美術館は「目的地」です。
そこで価格を“観光地基準”に調整してみたところ、購買行動にはほとんど影響がありませんでした。
「提供する側の感覚」と「訪れる側の感覚」は、必ずしも一致しない。
これは、他の事業にも通じる重要な示唆だと思っています。
そして、次に仕掛けようとしているのが、美術館の改修やアップデート費用を集めるための「事業投資型クラウドファンディング」です。
今回は、いわゆる“出資型”ではなく、「貸付型(融資型)」で進めようと思っています。
つまり、返済義務を負う形です。
特に、まだ銀行から十分な信用を得られない若い世代に向けて「資金調達には、こういう方法もある」ということを、実例として提示できればなぁと思っております。
おそらく、来月頃にはスタートできると思いますので、その際はまたお付き合いいただけたら嬉しいです。
AI時代に入り、「情報そのもの」の価値は急速に薄れていくと思います。
これから重要になるのは、「誰が語っているのか」。
そして同時に、「いつの時代に試し、結果を出した知見なのか」という時間軸です。
だから僕は、“成功した後の事後報告”ではなく、立ち上げから迷走まで含めた現在進行形を、そのまま共有していこうと思っています。
最新のお知らせ
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』が、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で特別上映決定!
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■ミュージカル「えんとつ町のプペル」密着ドキュメンタリー【BackStory】
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■NEWS! コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、海外の映画祭で続々受賞!
【 フォトフィルム国際短編映画祭(トルコ)】
・ 最優秀作品賞(Best of Best Festival Film)
・ ストップモーション部門最優秀賞(Best Stop Motion)
【オーフス映画祭(デンマーク)】
・最優秀短編アニメーション賞(Best Animated Short)
【デザートスケープ国際映画祭(アメリカ・ユタ州)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【ハリウッド短編映画祭(HOLLYWOOD SHORTSFEST 2025)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【札幌国際短編映画祭(日本)】
・最優秀作曲賞(Best Original Score)
・アニメーション特別表彰(Special Award for Animation)
【ニューポートビーチ映画祭(アメリカ)】
・ アニメーション短編部門審査員賞(Jury Award for Best Animated Short)
【グローバルステージ・ハリウッド映画祭(アメリカ)】
・最優秀短編映画賞(Best Short 2024)
■NEWS! 第97回アカデミー賞(米)の短編アニメーション部門のショートリストに選出されました!
監督:堤大介(トンコハウス) 脚本:堤大介氏と西野亮廣の共同制作 プロデューサー:松本紀子(ドワーフ)
西野さんの『ボトルジョージ』に対する想いとは? こちらをチェック!

■コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の専用劇場、『ボトルジョージ・シアター』がグランドオープン!

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イベントのお知らせ
『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
- 5月22日(金)に大阪
- 5月28日(木)に福島
- 6月8日(月)に愛知
- 6月13日(土)に山梨
- 7月4日(土)に山梨
- 7月5日(日)に山梨
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。

