インタビューを通じて、世間のイメージとは異なる一面を次々と見せてくれる杉村太蔵氏。「会食や飲み会にはほとんど参加しない」ことも、そのひとつだ。その理由を語ってもらう。連載第4回。【その他の記事はこちら】

芸能界では底辺でも、フリーランス界では頂点
2026年1月28日に発売された著書『杉村太蔵の「骨太」投資術』が絶好調だ。発売後数日で重々版が決定し、すでに7万部以上の大ヒットとなっている。その理由を推測するに、杉村氏が投資に関する自身の勝ちパターンを惜しげもなく公開すると同時に、「骨太の方針」を読み込んだ末に導き出した、値上がりしそうな株&ジャンルを具体的に紹介しているからだろう。
「20代、30代までは、『バカで軽薄なヤツ』というイメージ一辺倒でしたが、40代になってからは、『あれ、コイツ意外とちゃんとしたことを言っているな』と思ってくださる方が増えてきました。『杉村太蔵の「骨太」投資術』が好評なのも、僕の話にフラットに耳を傾けようとしてくださる方がいらっしゃるから。1年かけて、イチから自分で書いた本なので嬉しいですね。『GOETHE』のようなビジネスパーソン向けのメディアから取材のオファーをいただくことも、昔の僕ならあり得ないこと。本当にありがたいです」
世間の先入観を無理やりひっくり返そうとしても、反発心を煽り、敵をつくるだけ。それよりも、ゆっくりと時間をかけて、理解者を増やしていく。これもまた、太蔵流処世術と言えよう。
「どこの事務所にも属していない僕は、今も芸能界の底辺です。でも、フリーランス界においては頂点にいると、自信を持って断言できます。フリーランスの評価は“どれだけ稼いでいるか”と“次にまた声をかけてもらえるか”で決まります。僕は今、レギュラー番組だけで7本抱えていますし、投資でも勝ち続けている。人がどう評価しているかはわかりませんが、間違いなくフリーランス界のトップクラスにいると自負しています!
正直、フリーランスは孤独です。成功も失敗も、喜びも悲しみも、分かち合える相手がいないから、精神的な強さが必要な職業だと実感しています。それにこの業界で生き残るには、自分の価値を自分で上げ続けるしかない。仕事のオファーが来ることは大切ですが、ギャラが前よりも上がっているかどうかも、非常に意識しています」
年1回は“心の健康診断”を受ける
フリーランスとして生きながらえるには、実力はもちろんのこと人脈も重要だ。となれば、“社交”に勤しむ必要もありそうだが、杉村氏は会食や飲み会にはほぼ参加しないという。
「意外かもしれませんが、六本木や銀座のクラブもまったく行かないですね。夜、誰かと飲んだり食べたりして仕事につながるなんてこと、僕自身は一度もありません。飲みの席で得た情報をテレビでしゃべったことだってないですよ」
夜の社交を回避する分、一次情報にアクセスするなど知識のインプットに時間を使える。朝は5時に起床し、週2回は7時から8時までテニスで汗を流し、夜は家で食事をし、22時から22時半頃眠りにつく。杉村氏の生活は、すこぶる健康的で規則正しい。
「週末もテレビに出ているから、忙しそうに思えるでしょ。でも実は、週休2日制を貫いています。年末年始は10日ほど、夏は2週間の長期休暇も取っていますしね。仕事は一生懸命するけれど、ちゃんと休む。これも、僕のすごいところ(笑)。
人間ドックも毎年必ず受けていて、メンタルの病を抱えているわけではないけれど、心療内科にも年1回通っています。心はめちゃくちゃデリケート。心が弱っていても、自分ではなかなか気づけないから、心の健康診断のようなものですね」
自分の価値をアップデートすべく日々研鑽を重ね、心身のケアも万全。“杉村太蔵”が長きに渡って世間から求められ、フリーランス界の頂点に達している理由が見えてきた。最終回は、「これからの時代を生き抜くヒント」を教示してもらう。
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杉村太蔵/Taizo Sugimura
1979年北海道生まれ。筑波大学中退後、オフィスビルの清掃員を経て、外資系証券会社に勤務。2005年、自民党公認候補として衆議院議員選挙に立候補、当選(2009年7月で任期終了)。2010年7月、参議院議員選挙に立候補するも落選し、その後はタレントとして活動する一方、投資家としても手腕を発揮。2022年、地元である北海道旭川市に「旭川はれて屋台村」をオープン。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科後期博士課程所定単位取得退学。自身の投資術を綴った著書『杉村太蔵の推し株 「骨太」投資術』(文芸春秋)も好評。

