GOURMET

2026.06.27

京都「研野」が料亭として始動。数寄屋造りで愉しむ、極上の四季と懐石を体験

街の賑わいから距離を置き、美食に浸る。山の緑や川の流れ、自然の理を身近に感じる。閑静な地で次なる章を綴る新名店から、今回は京都・上高野の「研野(けんや)」をご紹介しよう。

「研野」の叉焼
京都のもち豚を味噌床で2時間漬けこみ、客前で香ばしく焼き上げる叉焼はスペシャリテ(料理はすべて夜の¥30,000~のコースの一例)。

川のせせらぎと深緑を愛で日本料理の神髄に触れる

叉焼など意外性のある料理を加えた割烹コースで、2021年に鮮烈なデビューを果たした日本料理店「研野」。2026年5月、高野川添いの自然豊かな地で、料亭として新たな一歩を踏みだした。玉砂利が敷かれたアプローチから川沿いの石畳を辿ると、その先に数寄屋造りの館が姿を現す。かつて、義太夫節(ぎだゆうぶし)の三味線の名手が避暑に訪れた由緒ある邸宅を、店主の酒井研野氏が3年の歳月をかけ、格調高い料亭に改装したものだ。

「夏は蛍、秋は紅葉と京都の四季を肌で感じられる館で、お客様をお迎えするのが夢でした」

細部にまで美意識を貫いた建築に添うようにと、料理もまた、風雅な八寸を軸とした懐石コースへと進化を遂げた。

輪島塗の器に上品に盛られる酒肴(しゅこう)は、鮎の一夜干しや焼万願寺唐辛子の鮨など、地の食材をふんだんに使ったもの。

「丁寧な料理で、食材が持つ個性や旨みを引きだし、日本料理の最上を目指します」

特別な日やもてなしの場にふさわしい個室では、涼やかなガラス鉢に盛られた料理を取り分けるなど、親身な工夫も凝らされる。かつての「研野」を知る人も、初めて門をくぐる人も穏やかな時間に引きこまれる。

研野/Kenya
住所:京都府京都市左京区上高野下荒蒔町12-3
TEL:075-468-9944
営業時間:12:00~、18:00~(一斉スタート)
定休日:日・月曜、火曜の昼
座席数:カウンター9席、個室2室(2~20名)
料金:コース昼¥22,000、夜¥30,000~
TableCheckにて要予約

TEXT=中井シノブ

PHOTOGRAPH=高嶋克郎

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