まだまだ謎に包まれた男、福田淳(あつし)。なぜだかいつも周りの人間から頼られ、案件を持ち込まれ、奔走する。そして常に国内外を飛び回り、一日一日を本気で楽しむ。多岐にわたる企業の経営を担い、タブーをタブー視せず、変化を模索する男の人生哲学とは? 第19回目は経営者にとって健康な口内環境。その根源的な価値について。

1965年大阪府生まれ。連続起業家。スピーディグループCEO(現任)、STARTO ENTERTAINMENT創業CEO、ソニー・デジタル・エンタテインメント創業CEO。世界19ヵ国での出版事業、日本でタレントエージェント、LAでアートギャラリー運営、リゾート施設展開・無農薬農場開発、スタートアップ投資など世界中でビジネスを展開する。最新刊に『結局、熱狂できる人がうまくいく。』があり、著書多数。
やっぱり経営者は歯が命。21本のジルコニアの奮闘
「福田さんって歯が綺麗ですね」と言っていただくことがよくあります。STARTO ENTERTAINMENTを設立してマスコミを騒がせた時も、サンジャポで「なんでこんな歯が綺麗なの?」って特集されてしまいました。自分で言うのもなんですが、そのとおりなんです。だって僕は歯はもちろん、もっと言えば口のマネジメントにそれはもう命をかけていますから。
僕の口の中には24本の歯があります(皆さん、自分の歯の本数をご存知ですか?)。そのうち3本がインプラント、21本はジルコニアです。自分の口の形に合う理想の歯並びから逆算して歯の形を整え、ジルコニアで今の歯ができあがっています。ざっと計算すると1000万円以上かかってしまいました(人工ダイヤモンドと呼ばれるほどの硬度!)。
「歯を整えるために1000万円以上をかけた」と言うと、たいそうな道楽に聞こえるかもしれません。でも僕にとっては、クルマや時計よりも歯のほうが優先順位が高いんです。だって、歯がなければ食べられません。食べられなければ生きられないし、よしんば生きられたとしても、美味しいものを美味しいと思えない。そんなのは悲しい。だから僕は本気で「歯が命」だと思っているのです。
少しお金に余裕ができた人が、まず欲しいと思うのはクルマや服というのはわかります。でも、歯がガタガタのまま超高級車に乗っていたら「順番が逆かも?」と思ってしまうんです。
家も歯も定期的な点検・メンテナンスが大事
僕は子供の頃、甘いものばかり食べていて虫歯がたくさん、いわゆる「味噌っ歯」でした。だから大人の歯が生えてきた時、「今度こそ、こいつらを守らなければ」と思ったんです。それでも30代前半までは悪くなったところを都度直す程度。経済的に余裕が出てきた30代後半でやっと「口の中の設計をし直そう」と決めたんです。そこで先ほど申し上げた、理想の歯並び、噛み合わせを研究し、それをジルコニアで整えたというわけ。
そしてこのジルコニアは入れたら一生放置できるわけではありません。これまで20年ほどの間で状態に合わせて3本、作り直しました。年齢とともに歯茎や骨の状態は変わるので、調整し続ける必要があります。けれど家だって建てたら終わりではないですよね。屋根も壁も、点検しなければ傷む。それと同じことをしているだけなんです(歯も歯茎も根も半年ごとに検査!)。
海外で折れまくる鬼門の左前歯
そんな僕にも1本、どうしても状態が整わない歯がありました。左側の前歯です。根っこから悪いので、そこはジルコニアをせず治療を続けていました。いわば僕の口の中の鬼門です。
そして40歳の頃だったでしょうか。ラスベガスで事件が起きました。飲んで騒いで、翌朝目を覚ましたら左の前歯がない。記憶もない。まるで映画『ハングオーバー!』みたいな状態(どんなに酔ってもホテルには帰っていた。プロ!)。同行者も記憶を失っていたため何があったのか、歯はどこに行ったのかは最後までわからずじまい。それでもその日のうちにラスベガスの歯科医院を探し、仮歯を入れてもらって事なきを得ました。
ところがその左前歯はその後も海外に行くたび折れました。根から悪かったんです。ニューヨークでカリカリベーコンを食べて折れ、バンコクで折れ、シンガポールでポキッと、最後はドバイで折れました(世界歯医者ランキング作れます)。
ラスベガスの歯医者さんは元男性の美人女医(名前はケン)。ドバイの歯医者さんはイギリス人の腕利き、鬼門の歯もその方々のおかげでしばらく持ちました。けれども、結局一番の名医は日本にいました。永田町・武田歯科医院の武田孝之先生です。ここで根を時間をかけて綺麗に治しインプラントにしていただき、左前歯の呪いをやっと断ち切ることができました。
歯のトラブルに限らず、多くの人はどこかしらが悪くなってから病院に行きますよね。症状があって初めて「治さなければ」と考える。でも僕は、何も起きていない時にこそ手を打ちたい(左前歯は症状が出てしまったけれど)。未病の段階から手を尽くすことが大事だと思っています。なので定期的通院とメンテナンスは欠かしません。もっと言えば普段の歯磨きにも注力します。
といっても特別なものは使っていません。歯ブラシはオムロンの電動歯ブラシ「OMRON 音波式 HT-B324」、歯磨き粉はフッ素入りのものを、舌ブラシはサムコスのプラスチックのもの、舌磨きはピュオーラだし、フロスはライオン「DENT.EX」です。どれもAmazonで買っています。歯磨きは毎食後、5分以上。毎日の筋トレが重要なように、歯と向き合う時間も非常に重要だと思っています。
瀬戸内寂聴さんは、毎朝5時にお寺の門を掃き掃除されていたといいます。入り口を清潔に保つことで、お寺もご自身も整えていたのでしょう。それと同じと言ってはおこがましいかもしれませんが、僕も「口」という身体の入り口をできるだけ完璧に整えておきたいのです(口内ケアが、内臓を元気にすると医学的裏づけもあります)。
実は最近、歯だけにとどまらず、ついに口蓋垂(こうがいすい・通称「のどちんこ」です)にまで処置をしました。イビキがあることがわかって、専門医に相談したところ、「口蓋垂が人の2倍ある」ことがわかったのです。大きな口蓋垂が気道に立ち塞がっているため、夜、息をするたびに口蓋垂が震え楽器のようないびきになってしまうのだとか。そこで、思いきってこの口蓋垂を切除しました。この連載の取材日は切除から2日目、まだ術後の痛み止めを入れている状態なので、その成果が見られるのはあと数日後となりそうです。
話を歯に戻しましょう。僕はかつてマスコミに取り上げられたプロフィール写真がニカッと歯を出して笑っているものだったため、取材の時にカメラマンから、「いつもの、歯を見せたスマイルをください」なんて言われてしまいます。
まぁ不自然な表情なんで、小っ恥ずかしいような気も。それでも普段から、歯を隠さず、大口で笑えると人生を思いっきり謳歌できます。大口を開けて笑っている人を見たらなんだか心が近づきますよね。やっぱり歯は命。そう言い切っていいんじゃないかなって思うのです。
Editor’s Note|熱海がこれから大きく変化する!?
本誌7月号「癒やされる軽井沢 エネルギー溢れる熱海」特集をきっかけに熱海に興味を持ったという福田さん。なんとすでに熱海の物件を購入し、周辺のリサーチも進んでいるそう。
「現在、ドローンタクシーがドバイなどで準備され始めています。これが日本に入れば熱海を拠点に西伊豆、修善寺などに飛べて周辺の土地の価値も変化してくるかもしれません。東京は駅前の文化ですが、地方はそうではない。技術の進化とインバウンドの流入とともに、駅がなくアクセスが悪かった土地が大きく変貌するかもしれませんね」


