2024年に一番読まれたグルメ記事ベスト5とは。 ※2024年1月、2月、6月掲載記事を再編。
1.Ushimaru|中田英寿が「行く価値がある」と断言する、“千産千消”の千葉の一軒家イタリアン
九十九里浜からほど近い千葉県山武市ののどかな田園の中に建つ一軒家レストラン。打矢健シェフは漁業、農業、酪農の盛んなこの土地に惚れこみ、生産者と密に関わりながら徹底した地産地消でここならではの味を追求。希少価値の高い美味を求めて全国からゲストが訪れる。
食材はすべてシェフ自ら採りにいき、海や畑からインスピレーションを得てその日の料理が決まる。品数は15品前後。伊勢海老、カレイ、蟹など調理前まで生簀で泳がせている。オーナー夫妻はサービスを務め、会話も楽しい。駐車場あり。
2.予約困難な鮨店が週一で出張! 長嶋一茂が麻布十番にオープンする秘密のBARとは
「実は湯河原に僕が惚れこんだお鮨屋さんがあるのですが、半年先まで予約が取れないんです。食べたい時に行けないのが嫌で、もし僕が何かしらの店をやったらそこで握ってくれる? と大将の平河さんに聞いたら『週に1回なら!』、と言ってくれて。“週1 鮨店、普段バー”というスタイルを思いついたんです」
空間デザインはグラマラスの森田恭通氏にオーダー。
「大規模な店舗デザインが多い森田さんがこんな小さな物件をやってくれるのかな? と恐縮しつつお願いしたのですが、流石ですね。このとおり、とても素敵な空間をつくってくださいました」
森田氏の感性の邪魔をしたくなかったので要望はいっさい言わずにお任せしたそうだが、一茂氏がハワイの海が好きという嗜好も汲み取って、夜の砂浜を思わせる幻想的でムーディな雰囲気に仕上げられている。
3.秋元康が「胃袋から湧き出る欲望を抑えられない」と語るカレー&餃子とは?
ゲーテ本誌の人気企画、ゲーテイストでは“美食四兄弟”の次男として、幅広いジャンルの店を紹介。「1日1食たりとも無駄にはしない」というほど、食べることに並々ならぬ情熱を注ぐ秋元康氏の本能を揺さぶる、最上級のB級グルメとは?
「カレーとか町中華とか、焼肉もそうですが、僕のなかにB級グルメというものはありません。もちろん、親しみを込めた呼び方のひとつだと思っていますが、職人や料理人が全身全霊でつくる食べものをそんなふうにカテゴライズすることはあまりしません。
たとえば、町の中華屋さんで皮から丁寧につくられる餃子やじっくり時間をかけて煮込んだカレーをB級というのはなんだか違和感があります。もし、僕のなかでB級グルメというものがあるのだとしたら、それは目の前にあったら手が伸びてしまうような、本能が欲する料理なのだと思います」
最近、心を揺さぶられた店として教えてくれたのは、JR錦糸町駅からクルマで10分ほどの場所にある「緑町 生駒」。店構えは気さくな町中華そのものだが、夜はなんと来年の3月まで予約がびっしり埋まっているというから驚きだ。
4.フレンチの巨匠・三國シェフがリピートする最上級ラーメン
札幌グランドホテルから帝国ホテルを経て、20歳にして駐スイス日本大使館料理長に就任、その後は「ジラルデ」「トロワグロ」「アラン・シャペル」など数々の世界最高峰の三つ星レストランで腕を磨く。
30歳の時にオープンした「オテル・ドゥ・ミクニ」は、日本国内はもちろんのこと、世界各地からトップシェフやグルマンが押し寄せる日本を代表するフランス料理店となった。
そんな日本フランス料理界を牽引してきたフレンチの巨匠、三國清三氏にとってB級グルメは、「日常の味」。ふだん非日常の料理を手がけているからこそ、食べたくなるという。
「日常のおいしさが、非日常の料理をつくる活力になっているんだもの。B級という言い方はしっくりこないんだけど」と言いつつ、まず挙げてくれたのは、帝国ホテルでの修業時代、先輩に連れられて初めて訪れてから50年近く通い続ける「日比谷 芳蘭」の味噌バターラーメン。
「丼が大きくて、スープが濃厚で、バターのコクが効いている“ザ・道産子”な味噌ラーメン。味もほぼ変わっていないから、故郷だけでなく、死に物狂いで頑張っていた修業時代も思い出させてくれるんですよ」
5.飲食業界のカリスマが通い続けるラーメン&カレー…最上級のB級グルメ3選
飲食業界のカリスマ、稲本健一氏が今回挙げてくれた3店のうち2店は、自身が30年、40年と通い続ける“歴史のある”店。
「移り変わりの激しい飲食業界で何十年も店を守り続けていられるのは、味や接客に定評があるから。その歴史を安価に体験できるのだから、ものすごくお得。B級ではなく特級、いや、最上級グルメですよ」
そのひとつが、「飲んだ後の〆は、たいていここのラーメン」と足繁く通う「博多麺房 赤のれん 西麻布本店」。創業1978年、東京における豚骨博多ラーメンの先駆けとされる人気店だ。
「まず水餃子でビール中瓶を1本飲んだ後、ミニラーメンをオーダーして食べる。これが、もう20~30年続くルーティーンですね」
稲本氏いわく、「豚肉に多く含まれるアラニンと小麦粉に豊富なグルタミン酸は、アルコール分解に必須の栄養素」。おなじみの“飲んだ後にラーメン”というのは、理にかなっているというわけだ。
「つまり、B級グルメとお酒は切り離せない関係ということ。もっとも、それは後づけで、通う一番の理由は、おいしいからですけどね(笑)」