レストランを愛してやまない秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2024」から、日本料理をピックアップ! ※GOETHE2024年7月号掲載記事を再編。
1.水右衛門 虓|メディア取材は最初で最後! 伝説のシェフが一人で賄う、4席限定の日本料理店
兵庫・芦屋で「食材を活かし切る天才」と熱狂的なファンに支持されていた『DOHVA(ドーヴァ)』を閉め、2018年に上京。『銀座 盡(じん)』として再スタートし、瞬く間に予約困難店に。その後、若手を育てることを目標に2021年、16席の『虎ノ門 虓』をオープンさせた。ここも2年先まで予約が埋まる人気ぶりだったが、若手の独立を促すべく2023年末で閉店。そしてこの3月、九段にてひとりで料理を作る4席のみの『水右衛門 虓』を開いた。
今までの顧客に不義理だと思われて店が傾くことになったとしても、それは料理人としての評価だと決めて誰にも招待状を出さず、ひっそりとオープン。しかし、情報が自然と漏れ、顧客から問い合わせが殺到、2026年末まで満席に。現在予約は受付けていない。
カウンターは6席あるが、開放しているのは1日4席のみ。ちなみに『水右衛門 虓』のメディア取材は、今回のゲーテイストが最初で最後とのこと。2024年2月『素材に挑む 虎ノ門COHの料理』を上梓。
2.ななかぐら|秋元康の心を一瞬で摑んだ、女性店主が営む神楽坂の会員制和食店
商売繁盛や学業成就を願い、全国から参拝者が訪れる神楽坂の赤城神社。そのすぐ近くの小さなビルの1室で女性店主が営む『ななかぐら』は、飾らない料理で常連の心を和ませる会員制の和食店だ。季節の食材をさり気なく盛りこみ、自然体で紡がれる滋味に気分が安らぐ。
“神楽坂の茶屋”をコンセプトに、会員制の店としてオープン。7周年を機に現在の場所に移転。年内はすべて予約で埋まっているという人気ぶりで、新規会員の募集は受付けていないが、過去に予約をしたことがある場合のみ、HPから問い合わせが可能。
3.わたなべ|中田英寿が「センスの塊」と絶賛する、白金高輪の日本料理店
店主の渡邊大将氏は人気居酒屋『件』で経験を積んだ後、さまざまなジャンルの食べ歩きの体験を生かして三軒茶屋で居酒屋『鈴しろ』を開店。好評を博したが、自分の料理を突き詰めるべく5年で店を畳み、異ジャンルの人気店での研修を経て、2021年に『わたなべ』を開業。おまかせコースは約13品。
コースの〆には炊きこみご飯のほかに、卵かけご飯、カレーなどの食事も用意。店主の渡邊氏が『わたなべ』を開業する前に研修を受けたのは、代官山のフレンチと青山の中国料理の名店。異なるジャンルのエッセンスを今の料理に反映させた。
4.御成門はる|伝説の『京味』出身、瞬く間に予約困難になった日本料理店
20歳で『京味』に入り、故・西健一郎氏の下で基礎を学んだのち、『銀座 朱雀』で経験を積み、『くろぎ』を経て2019年、34歳で独立。2021年にはミシュラン一つ星を獲得し、瞬く間に予約の取れない人気店となっている。
「できるだけ目の前で調理して、できたての美味しさを味わってほしい」というのが信条の小川氏。食材を最大限に生かし、最もよい状態で提供する。料理に対しても訪れるゲストに対しても実直に向き合う姿は好感度が高く、愛されキャラとして顧客の心を掴んでいる。