各界の第一線で活躍する仕事人が実際に通う、発想を豊かにし、仕事も人生も豊かにする“推しメシ”を紹介するリアル・レストランガイド【連載 新エグゼクティブが通う、本当に行きたい店】。ワンメディア・明石ガクトさん、フリーアナウンサー・宇賀なつみさん、GO・三浦崇宏さん。普段からおいしいもの情報を交換し合い、旨いものがあると聞けば東へ西へと足を運ぶという。一食たりともハズしたくない3人がおすすめする和食店とは。
圧がないこだわりの店
秋風が吹いてきたら日本酒の季節。美味しい日本酒にあうのは、やっぱり和食。
グルメで酒好きな彼らが教えてくれたのは、どぶろくだったり、薪火だったり、ちょっとひねりの効いた和食の名店だった。
明石 僕は日本酒が大好きなんですけど、最近プレミアム日本酒みたいなものもいくつか出てきているじゃないですか。そのなかのひとつ、なかなか手に入らないと言われている日本酒「新政」が日本で一番そろっている店が東京・西麻布の「EUREKA!」。
三浦 割烹? 居酒屋? どんな店ですか?
明石 小料理屋っていうのがいちばん近いかな。ここは日本酒ソムリエの千葉麻里絵さんという方がやっているんですが、どぶろくとブルーチーズのハムカツのペアリングとかを出してくれるんですよ。
宇賀 どぶろくとブルーチーズ? ハムカツ?
明石 想像するのが難しいと思うんですけど、口の中で完成する料理。要はブルーチーズハムカツをどぶろくというソースで食べる感じなんです。そういう感じで、さまざまなペアリングを楽しむことができるので、むしろ日本酒が苦手と思っている人にぜひ行ってほしい店です。他では飲めないような人気の日本酒も揃っています。
三浦 どぶろくとブルーチーズということは流行りの発酵ですね。僕が紹介したい和食の店は、発酵ともうひとつのトレンドである薪火を組み合わせた店、東京・渋谷の「SHIZEN」です。2023年の1月にオープンしたばかりですが、かなり話題になっています。
明石 行ったことある! あそこはすごい。
三浦 ちょっと大げさかもしれないけど、あの店に行くと料理って芸術と科学を組み合わせることで生まれるんだなと思うんです。國居優(くにすえゆう)さんという若い料理長なんだけど、実験的な料理でトレンドを抑えつつ、そして味ももちろん美味しい。
明石 魚のお造りの燻製みたいなのがすごく美味しかった。調味料をほとんど使わず、煙だけでこんなに美味しくなるんだと感銘を受けました。
宇賀 話を聞いているだけでお酒を飲みたくなります(笑)。
三浦 では、酒飲みの宇賀さんのおすすめを。
宇賀 私は「松濤 爛缶(らんぷ)」という店を推します。料理はおまかせなんですが、一品一品気が利いていて、こだわりを感じさせてくれる。
こだわりのあるお店って、けっこう圧が強かったりするじゃないですか(笑)。でもここはそういうのを感じさせない。美味しくて圧がない。こういう店が近所にあるといいなと思える店です。
三浦 宇賀さんはやっぱり和食のときは日本酒?
宇賀 ワインを飲むときもありますけど、「松濤 爛缶」だとやっぱり日本酒ですね。私、日本酒しか飲まないようなイメージがあるみたいですけど、なんでもいけます(笑)。ビールもワインも焼酎も好きです。
明石 最近のおすすめの日本酒とかありますか?
宇賀 そこはあまりこだわらないんです。地方に行って、その土地の日本酒を飲むのが好き。昔ながらのそこでしか飲めないようなお酒をその土地ならではの料理と一緒に飲むのが好きです。
明石 まさにテロワールだね。
三浦 最近は地方に行っても土地も季節も無視したような画一的な和食の店が増えてさみしいですよね。どこに行っても香箱蟹とか鮎とか(笑)。高級店に行けばキャビア、トリュフ、すっぽんにウニ。オールスターですよ。でも季節感もなければ地方らしさもない。どこでも食べられるような高級食材とかいらないんですよ。その土地の、その季節の、その職人だけの料理を楽しみたいなと思います。
宇賀 わかります。せっかく東京からここまで来たんだからって思いますよね。
三浦 サウナもそうなんですよ。その土地の水で入るのが気持ちいいんです。
宇賀 それはちょっと……わからないです。
ひねりの効いた和食店3選
1.EUREKA!
明石's Recommend
日本酒業界では知らぬ人のいないほどの存在、千葉麻里絵氏が2022年末に満を持してオープン。日本酒は常時300種類が揃い、ペアリングされる料理も充実している。
2.SHIZEN
三浦's Recommend
和食をベースに薪火を使って絶妙の火入れをし、そこに自家製の発酵食材などをあわせるオリジナリティあふれる料理を展開。締めに提供される炊きたての白米も人気。
3.松濤 爛缶
宇賀's Recommend
季節感あふれるコースは客と対話しながら内容を決める。こだわりの日本酒やナチュラルワインも充実。心地よい時間を過ごせる店として多くの常連客で賑わう。
■新エグゼクティブが通う、本当に行きたい店
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