GOURMET

2022.08.29

名匠の器で美食を味わう贅沢。広尾の日本料理「日日の料理 びおら」

美しい器使いはそのまま店のセンスを表す。なかなか目にすることのできない骨董品や現代作家の作品は、店を訪れる楽しみのひとつに。今回は2022年7月にオープンした“目と心の保養”になる広尾のレストランをご紹介。

日日の料理 びおら

おつまみ各種¥550~(1品)。お茄子といんげんの胡麻和えや大分県・姫島村のひじきの煮付け、酢の物など。“とっくり”はルーシー・リーの作品。

日常を豊かにする大人の食空間

「美は細部に宿る」とは、料理界でもよく言われることだが、日常の延長線上で“手仕事の美しさ”に触れることができるのが、7月にオープンした「日日の料理 びおら」だ。

オーナーで料理監修を手がける後藤加寿子さんは、茶懐石の第一人者と言われた母のもとで幼い頃から、日本の伝統美を身近に育ち、自身も大学在学中は陶磁器の研究を専攻。料理家として、現代の家庭料理や日常の食卓になじむ器使いなどを提案してきた。ともに店を守り立てる娘のすみれさんは「子供の時から母が家族に作ってくれた料理を多くの人に楽しんでいただけたら嬉しい」と話す。

日日の料理 びおら

アジフライ¥1,320。器はエリザベス女王もひと目惚れしたという朴英淑氏の作品。

日日の料理 びおら

びおらラーメン¥1,980。動物性食材を使わずにコク深い味わいに仕上げている。

昼は3300円、夜は8800円のコースに加え、アラカルトでのオーダーも可能。後藤家に縁の深い食材を使い、丁寧に調理された料理はポテトサラダやだし巻き玉子といった一品からアジフライなどの揚げ物、炊きたてご飯に締めの麺までバラエティ豊か。料理を盛りつける器は、尾形乾山や永楽善五郎といった日本の名匠の作品や韓国の“白磁の女王”朴英淑氏をはじめ、海外の作家のものを織り交ぜて使用。センス溢れる空間で器を愛で、料理を楽しむ時間が心を豊かにしてくれる。

日日の料理 びおら

尾形乾山や西岡小十など日によってさまざまな酒器が登場。実際に触れることで器の魅力をより深く感じることができる。

日日の料理 びおら

丹波で400年以上の歴史を持つ朝倉山椒を将軍家に献上する際に用いられた壺。

日日の料理 びおら

木や土の温もりを生かした空間。

日日の料理 びおら
住所:東京都港区南麻布4-12-4 プラチナコート広尾1F
TEL:03-6277-3522
営業時間:11:00~14:30、~16:00(喫茶)/18:00~L.O.21:30
定休日:水曜、木曜昼
席:26席、個室1室(6席)
料金:夜のおまかせコース¥8,800

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=上田佳代子

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