値上がり必至のワイン投資銘柄からこだわりのナチュラルワインまで、最新ワインのアレコレを一挙紹介! ※GOETHE2022年10月号掲載記事を再編。
2.個性派が勢揃い! 固定観念を覆す自然派ワイン5選
3.自然と調和するサステナブルなオーガニックワイン4選
4.サブスクリプションというワインの新しい楽しみ方!
5.日本ワインが今、熱い! 味もデザインも進化した注目の9本
6.1874年につくられたモナコの歴史的ワインセラーへ潜入取材!
7.知識と共にワインを楽しむ! 世界的メゾンの口福シャンパーニュ5選
1.ワインジャーナリストが厳選! 今後も値上り必至なワイン8銘柄
’90年代からワインを嗜んできた人たちが、近頃、決まっていうセリフが、「あの時飲まずに取っておけば……」。それもそのはず、当時20万円で買えた1989年のロマネ・コンティが、今や平均相場300万円である。
投資のプロに言わせると、ワインへの投資はすでに旬が過ぎたそうだが、ここにも挙げたシャルル・ラショーのアリゴテのように、時折、意外な銘柄が途方もない値段をつけるあたり、まだチャンスは残っている模様。
ワイン投資のポイントは、生産量の少なさ、熟成のポテンシャル、そして名声。そこで今後、値上がり必至の銘柄を、ワインジャーナリスト柳忠之氏が独断と偏見で厳選した。
たとえ予想が外れて値下がりしても、飲んで楽しめるのがワインのよいところだ。
[1] Charles Lachaux/Bourgogne Aligoté Les Champs d'Argent
アリゴテといえばふつう2000円程度の日常ワイン。しかし、ブルゴーニュの若手ナンバーワン、シャルル・ラショーのアリゴテは今や20万円に達する。彼はヴォーヌ・ロマネの名門、アルヌー・ラショーの跡取り息子でマダム・ルロワの信奉者。ファーストヴィンテージを蔵で樽から飲ませてもらったが、ものすごいパワーを感じた。
2.個性派が勢揃い! 固定観念を覆す自然派ワイン5選
自然派ワインが、格段に美味しくなった。過去の固定観念を覆すヴァン・ナチュールが続々と誕生し、昨今の日本でも自然派ワインのインポートや生産が定着しつつある。
「農薬を撒かない、畑を耕さない、野生の酵母だけで自力で発酵する、亜硫酸を極力入れないなど、ナチュールとそれ以外の決定的な違いは人為的介入の度合いによります」と語るのは、ワンダーラスト・ワインショップを営む茶原泰憲氏。
「当店でセレクトしているワインはどれもSO2無添加か、入っていても10㎖とごく僅か。どういうものをつくりたいかで、つくり手それぞれがベストな選択を模索しているので、個性も際立っています。蔵や畑の特徴なのか、その樽についている菌なのか。目に見えない味わいがあり、口にすればつくり手が先に思い浮かぶほど」
3.自然と調和するサステナブルなオーガニックワイン4選
持続可能性がひとつの指標となった昨今、地球環境を意識したワインづくりからも目が離せない。オーガニック×ヴィーガンワインを専門に扱うECサイト、マイベストセラーでは、動物性由来の原料を使用していないヴィーガンワインや、資源管理などの細かい審査を経てHVE認証を得た、サステナブルなワインを取り揃えている。
当サイトにてオフィシャルソムリエを務める大庭良輔氏曰く「酸化防止剤における添加量の制限の違いなどにより、ナチュールとは少し分別が異なりますが、遺伝子組み換えのブドウや化学肥料を使用しない、コラージュに動物性の素材を利用しない、廃棄物や資材は再利用するといった、サステナブルなワインづくりに取り組むワイナリーも増えています」
4.サブスクリプションというワインの新しい楽しみ方!
やりたいことを、やりたい時に始めよう……2021年3月、コロナ禍に抱いた志を機に、デジタル起点のフレンチグルメ&ライフスタイルブランド、ル・コントワールをパリにて立ち上げたペレイラ・アレクサンドル氏と秋山真純氏。個々に合ったワインやチーズを定期で届けるサブスクリプションを展開する一方、本場フランスのグルメ体験やカルチャーに触れられる場として、渋谷区宇田川町にアトリエをオープンした。
「日本ではチーズの種類も少なく、パッケージされているものばかりですが、目の前で切ったチーズは風味も全然異なるんです。そういう本場のチーズ体験ができる、好みを相談しながら見つけられる場所が日本には少ないと感じ、季節のお薦めや食べ頃のチーズを毎月提供するサブスクリプションを始めました。そして、チーズといえばワイン。大好きなワインにも携わりたいという熱が以前からあり、自然とワインのサブスクも手がけるにいたりました」(秋山氏)
5.日本ワインが今、熱い! 味もデザインも進化した注目の9本
和食に寄り添う味わいや地産地消の安心感はもとより、ここ10年、日本の風土に合った品種改良や製造技術の向上によって高品質の日本ワインが多数誕生。そんな“日本ワイン・ラバー”は年々増加、世界中の愛好家からも支持を集めており、それに呼応するように多くのメーカーが本腰を据えている。その代表格ともいえるのがサントリーだ。
日本ワインの魅力をもっと発信していきたいと、100年以上の歴史を有する自社ワイナリーを大規模リニューアル、新ブランド、サントリーフロムファームも2022年9月より立ち上げると発表。繊細なものづくりに長けた日本のワインとあって、唸る逸品に巡り合うまでの道中とともに、その進化を楽しみたい。
6.1874年につくられたモナコの歴史的ワインセラーへ潜入取材!
1864年にモナコで創業以来、世紀を超えて歴史を刻んできた老舗ホテル「オテル・ドゥ・パリ・モンテカルロ」の地下には、1874年につくられたワインセラーがある。
一般公開されていないゆえ普段は開かない秘密の扉を開き、エレベーターに乗り、薄暗い地下へ進むと入り口にたどりつく。案内人はホテル内レストランのマスターソムリエ、フィリップ氏。
「ここは世界最大のホテルワインセラーで、約1500平米に約35万本のボトルがあります。ラフィット、ペトリュス、ドン ペリニヨンなどの希少なヴィンテージワインも保管しています」
陳列されたボトルの数にも驚くが、美しいセラー内はまるで歴史を感じる世界遺産のようだ。
7.知識と共にワインを楽しむ! 世界的メゾンの口福シャンパーニュ5選
[1]クリュッグ:妥協なき男が生みだした唯一無二のシャンパーニュ
メゾンの創設者ヨーゼフ・クリュッグの夢から生まれた、唯一無二のシャンパーニュがクリュッグ グランド・キュヴェ。アッサンブラージュ(ブレンド)されるおよそ200のベースワインは、それぞれがオーケストラの楽器奏者のごとく個性豊かな音色を奏で、ひとつのシンフォニーとなって響き合う。
ラベルに刻まれたエディションナンバーは、メゾンがそれまでにグランド・キュヴェをリクリエイト(再現)してきた回数。最新のグランド・キュヴェは170エディションだ。
これは2014年収穫の葡萄からつくられたワインを中心に、11の異なる年のリザーブワインを含め、合わせて195種類ものベースワインをアッサンブラージュしたもの。使用された最も古いワインは、1998年のオジェのシャルドネという。