エグゼクティブとワインの関係とは? 経営者やクリエイターが愛してやまない偏愛ワインをまとめてご紹介! ※GOETHE2022年10月号掲載記事を再編。
2.DRC、ルーミエ、ドーヴネetc. 敏腕経営者がたどりついた至高のワインとは?
3.「銀座もとじ」の2代目 泉二啓太が語る、呉服とナチュラルワインの共通点
4.女優・大地真央との結婚式でも! デザイナー・森田恭通のシャンパーニュ遍歴
1.ラオックス会長・羅 怡文が譲り受けた貴重かつ膨大なワイン・コレクションとは
「それは約10年前のこと。もともとワインは好きで折にふれ嗜んでいましたが、縁あって、とある紳士の貴重かつ膨大なワイン・コレクションを一括して譲り受けることになったのです。それはもう垂涎の素晴らしいラインナップで、まさに運命的な出会いでした──」
銀座四丁目交差点にほど近いビルにある会員制「CITY CLUB OF TOKYO」にて、その創設メンバーのひとりであるラオックス会長の羅怡文氏はゆったりと語り始めた。
「長らく食に興味があり、グルメであることは自負していました。10年前のあのコレクションとの邂逅以降は“美食と美酒=ワインのマリアージュ”に目覚め、飲んではまた新たに購入して、の繰り返しです」
2.DRC、ルーミエ、ドーヴネetc. 敏腕経営者がたどりついた至高のワインとは?
DRC、ルーミエ、ドーヴネ、ジャッキー・トルショー……。名だたるつくり手のヴィンテージ・ブルゴーニュが揃う元麻布の会員制ワインバー&レストラン「ROZAN」。在庫はおよそ4000本。総額にして億を超える在庫を抱えるワイン愛好家垂涎の店だ。
領家航氏はこの店の共同オーナー。本業はデジタル・マーケティングだが、20年ほど前からワイン、とりわけブルゴーニュワインの虜になっていた領家氏は、本格的なフランス料理とブルゴーニュ古酒の品揃えで名をはせた「ボン・ピナール」のオーナーが引退を考えていると知り、友人と店を引き継ぐことを決意。2022年5月に「ROZAN」と名前を替えてオープンした。
「飲み頃を迎えた最高の状態のワインと料理のペアリングを提供したいんです」
3.「銀座もとじ」の2代目 泉二啓太が語る、呉服とナチュラルワインの共通点
「ソムリエもうちの商売も、商品の魅力を伝える職人であるという点は同じ。その1本のワインの背景にあるストーリーを聞くことで、さらに美味しく感じられる。やはりそういう商いを心がけなきゃいけないと気づかせてくれるんです」
東京銀座の呉服店、銀座もとじの2代目である泉二啓太氏は、再開発プロジェクトによって賑わいをみせる日本橋兜町にあるいきつけのビストロ「Neki」のカウンターでそう話し始めた。
そもそもワインとの出会いは、高校卒業後にファッションを学ぶためにロンドン、そしてパリで延べ6年間を過ごした留学期間中のことだった。
「イギリスにいた時に、よく飲むものといえば紅茶とビールだったのが、フランスへ移ると自然とカフェオレとワインに変わっていったんです。外食をしても、友人のハウスパーティに招かれても、出てくるものはワインがほとんど。でも産地や葡萄の品種、製造方法なんて、当時は正直何も知りませんでしたね」
4.女優・大地真央との結婚式でも! デザイナー・森田恭通のシャンパーニュ遍歴
森田さんといえば、やはり普段からお酒はシャンパーニュですよね?
「あちこちでそう言われますが、基本、お酒は料理に合わせて選ぶので、何でも飲みますよ」
そう笑ったデザイナーの森田恭通氏。しかし話を進めると、豪華なエピソードが次々と。
「結婚式がそもそもシャンパーニュ地方のモエ・エ・シャンドンの迎賓館でしたからね(笑)」
迎賓館であるトリアノンはモエ・エ・シャンドン社が世界中のVIPをもてなす特別な場所。15年前の2007年、モエヘネシーの日仏両社長の好意により、妻で女優の大地真央さんとの挙式会場として、迎賓館の特別貸切が実現できたという。
「挙式翌日、セラーの見学にメゾンを訪れたところ、1807年7月26日、ちょうど200年前の同じ日にナポレオン皇帝が遠征先からモエ家に立ち寄り、4代目ジャン・レミー・モエが出迎えてセラーを案内したという記念プレートを見つけたから驚きました。200年前ですよ」