作り手である時計師やコンセプターの顔が見え、彼らが理想とする時計製作に真摯に向き合う。今、熱心な時計コレクターの視線は、独創性が際立つ独立系小規模メゾンに向けられている。今回は、「ビバー」を紹介する。【特集 人生を豊かにするLUXURY WATCH】

共同創業者。1975年にオーデマ ピゲに入社し、時計界のキャリアをスタート。オメガの社長を務めていた1982年にブランパンを再興し、機械式時計復権に貢献した。2004年ウブロCEO、2014年LVMHグループ時計部門プレジデントに就任。2023年より現職。
時計界の生ける伝説の、理想を形に
ブランパンを復活させ、ウブロを大成功に導いた時計界の名伯楽、ジャン-クロード・ビバー氏の次なる一手は、自身のブランドの創設であった。そして2023年、3つのゴングが備わるカリヨン ミニッツリピーターとトゥールビヨンを統合した超複雑モデルで衝撃のデビューを飾った。
そして一昨年には、中3針のタイムオンリーウォッチ「オートマティック」をリリース。この第2作目が、シンプルな機構だからと侮ってはいけない。極めて上質なマイクロローター式の極薄自動巻きであり、全パーツに伝統的な手仕上げを徹底して行き渡らせたうえで、ブリッジに見事なギョーシェ装飾を施しているのだから。
パーツ製造はサプライヤーに委ねているが、ムーブメントの主要パーツはデュボア・デプラ社、ヘアスプリングはニヴァロックスなどいずれも超一流揃い。
「パーツはそのまま使うことは決してなく、自社で仕上げ直しています。そしてどのムーブメントも、2度組みしています」
工房には、名だたるメゾンで腕を磨いた時計師が集結。ビバー氏の理想を、形にしている。
ビバー|ビバー オートマティック ツートーン
小ぶりなケース、セクターダイヤルとシンプルな中3針は上質なヴィンテージ感を湛える。ムーブメントの地板とブリッジは高級時計の古典に倣い、18金製とした。それもパラジウムの含有率を高め、白さが際立つ独自のWGである。

この記事はGOETHE 2026年8月号「総力特集:人生を豊かにするLUXURY WATCH」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

