慶應義塾大学 名誉教授の山根節氏と、ウィルミナ代表取締役社長の幸村潮菜氏。ビジネススクールの先生と教え子というふたりを紹介する。

できるできる絶対うまくいく
幸村 慶應のビジネススクールに入学したのは、2008年。初っ端の授業が先生でした。
山根 いきなりの伊豆合宿。懇親会もあって、みんなすぐに仲良くなりましたね。
幸村 名物授業とは聞いていましたが、なるほど、これは大人気だと理由がわかりました。
山根 当時女性は1割ほど。幸村さんは目が大きくて、入ってくるとパッと雰囲気が明るくなる。そんな印象を覚えています。
幸村 勤めていた楽天を一度退社して、自費でのフルタイムの学生生活でした。当時の経営陣はMBAホルダーが多くて、その仲間に入るには学ばないといけない、と思って。
山根 覚悟が違いましたよね。ケーススタディの授業のために、猛烈に予習をしてもらわないといけないから。
幸村 いや本当に大変でした。必死で勉強していました。
山根 加えて、アフターファイブもみんなで行く。パブで盛り上がって、いろんな話をして。だから、性格とか、得意技とか、みんなわかっちゃう。これがそのまま卒業生ネットワークに育っていくわけですね。
幸村 ずっと年に一度はみんなで集まっています。そこに先生もおいでいただいて、いろんな報告もさせてもらったり、個別でも相談をさせてもらったり。先生はいつも応援してくださる。
山根 できるできる絶対うまくいくって、ね(笑)。エンカレッジするのが、教師の仕事だと思ってますから。
幸村 でも、先生からは本当に元気がもらえるんです。楽天を辞める時もそうだったし、スタートアップで仕事をするようになってからもそうでした。
山根 でも、幸村さんが経営トップになったと聞いた時は、これは嬉しかった。ずっと経営トップになれる人だと言ってきたから。
幸村 私自身はそうじゃないと思っていたんです。ナンバー2でいい、と。ところが、私に任せてみたいというチャンスをいただいて。
山根 やってみたら、面白いでしょう。僕自身も起業して13年間、会社をやっていました。
幸村 すべての意思決定の責任を負う。怖さもありますが、自分で決められるのは、大きな醍醐味です。ビジネススクールでの学びは、そのための訓練だったのだと改めて思いました。
山根 女性経営者は男性より思い切ったことをするものです。そこがまた楽しみなんです。
幸村 今後もご指導ください。

慶應義塾大学 名誉教授。1949年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。トーマツ、起業を経て、1994年慶應義塾大学ビジネススクール助教授、2001年教授。2014年〜2019年まで早稲田大学ビジネススクール教授。
山根 自分にはできないんです、という人、実は少なくないんです。でも、僕から見ると、絶対できるよ、って思う。
幸村 スタートアップで仕事をしていたとき、私の仕事ぶりをよく理解してくださっている人からのお声がけだったので、思い切って引き受けました。
山根 幸村さんは明るいし、優しいし、人をちゃんと立てるでしょう。だから、みんなエンカレッジされると思う。
幸村 振り返ると、先生の授業そのものに元気づけられていた気がします。古いケースじゃなくて、GAFAなど最新の事例を取り上げていました。やっぱりワクワクしました。
山根 若い人たちと夢を一緒に語るのが、何より楽しいんですよ。若い人にはこれからしかないから。でも、トライアスロンまでやるとは思わなかった(笑)。
幸村 この『GOETHE』のトライアスロンチームで初心者でも構わない、と募集していたんです。ダイエットにも健康維持にもいいな、と思って。
山根 お子さんも留学に送りだして。僕も息子を留学させてたけど。
幸村 実は先生から教わったことを忠実にやってきた気がします(笑)。あとは、先生の素敵なライフスタイルも目標にさせてもらったんです。
山根 いやほんと、止まらずにずっと走り続けているのが、素晴らしい。こういう教え子を持てたことは、教師冥利に尽きます。この先はぜひ、ビジネススクール出身者の女性のモデルケースになってほしい。
幸村 ちょっとおこがましいかもしれませんが、先生の期待に応えられるように頑張ります。

ウィルミナ代表取締役社長。1974年埼玉県生まれ。楽天創業期に参画後、2010年、慶應義塾大学ビジネススクール修了。スタートアップのCOOなどを歴任し、2022年より化粧品メーカー、ウィルミナの社長に就任。

