PERSON

2026.09.29

ベンチ外、CB起用…長友佑都は森保一監督をどう思っていたか

39歳で5大会連続ワールドカップ出場を果たしたDF長友佑都(FC東京)。8年以上共闘した、森保一監督のことを中心にインタビューを行った。2回目。

ベンチ外、CB起用…長友佑都は森保一監督をどう思っていたか

『された』という感覚は全くなかった

2022年カタールワールドカップ後から2026年北中米ワールドカップまでの期間、長友佑都の代表キャリアは決して平坦なものではなかった。

世代交代の波が押し寄せるなか、日本代表に招集されない時期が続く。久々に招集されてもベンチ外ばかり。さらに、ピッチに立った際も、長年絶対的な自信を持ってきたサイドバックやウイングバックではなく、不慣れな3バックのセンターバックとして起用された。

外から見れば、森保一監督からの厳しい「テスト」でプライドを傷つけられているのではないかと思われる状況だった。しかし、長友自身の内面は、驚くほど澄み切っていた。

「ベンチ外に『された』とか、センターバックに『された』とか、森保監督から『された』という感覚は全くありませんでしたし、自分の実力でそうなったとしか思っていませんでした。実力があれば試合に出ていたでしょう。もちろん試合に出ることを目指しながらも、客観的に自己評価できていたので、自分の実力不足だと受け止めてやっていました」

2026年北中米ワールドカップでも長友の出場時間はスウェーデン戦の15分間だけだった。それでも「ワールドカップでの出場時間が短かったのはもちろん自分の問題です。自分に実力があれば出られました」と振り返る。

長友の言葉には驕りや環境への言い訳が一切ない。「監督のせいで出られないという気持ちや恨みみたいなものは一切抱かなかった」と語り、センターバック起用すらも「長友だったらできるのではないかという期待から試された」と前向きに解釈していた。この客観性とプロフェッショナリズムこそが、彼がトップレベルで生き残り続ける理由である。

なぜ、前を向き続けられたのか

一方で、なぜ長友は不遇とも言える状況でも恨みを抱かず、前を向き続けられたのか。その答えは、彼が森保監督に向ける絶対的な信頼にある。2022年カタールワールドカップの前にも「外されても恨まない」と語っていた長友は、その理由をこう明かす。

「森保監督の人間性が自分の気持ちをそうさせました。森保監督は人格者だと思っているので、どんな状況になっても、感謝する気持ちにさせてもらえたと思っています」

結果として、長友は2026年北中米ワールドカップのメンバーに選出される。その瞬間の喜びと安堵は、過去のどの大会よりも大きかった。

「北中米ワールドカップのメンバーに入れてもらったことは感謝しています。本当にどうなるか分からないと思って、発表のときは緊張感がかなりありました。その26人に選んでもらえたし、スウェーデン戦でピッチに立たせてもらえたというのは、本当に感謝でいっぱいです」

思えば、大舞台でのヒリヒリするような起用は、2022年カタールワールドカップのスペイン戦でもあった。負ければグループリーグ敗退という極限のプレッシャーのなか、森保監督は長友を先発のピッチに送り出し、日本は歴史的な逆転勝利を収めた。

「スペイン戦のような難しい試合で自分を先発に選んでくれたのは、ずっと忘れられないですね。あのとき自分を選んでくれたというのには感謝しかありません」

2018年ロシアワールドカップで森保コーチが入閣して以来、2人は8年という長い月日を共に戦ってきた。「一緒に深いプロセスを、ストーリーを歩んできました」と語る長友は、指揮官との絆を極めてスピリチュアルな言葉で表現する。

「前世でも一緒に日の丸を背負って戦っていたんじゃないかというぐらい、切っても切れない深い縁を感じます。森保監督が大事にしている部分は、自分が言うのもおこがましいかもしれませんが、似ているような気がします。日の丸を背負うことの重み、責任と誇りを感じる部分もそうだし、国歌を歌う時の森保さんの涙も含めて、似ていると思いますね」

胸に手を当て、目頭を熱くして国歌を歌い上げる指揮官とベテラン選手。その魂の共鳴が、日本代表の根底を支え続けていた。

※取材日は2026年9月3日。

TEXT=ゲーテ編集部

PHOTOGRAPH=松尾/アフロスポーツ

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