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2026.07.28

トップの成果を出しても、評価すべきではない社員とは【識学15】

営業成績は誰よりも優秀。でも、会議には平気で遅刻し、報連相もしない――。しかし、「成果を出しているから仕方ない」と目をつぶっていないだろうか。実は、その”特別扱い”こそが組織全体の生産性を下げ、会社を弱くする原因になると識学の安藤広大氏は指摘する。短期的な成果よりも、長期的に強い組織をつくるために必要な考え方とは。【その他の記事はコチラ

「営業成績トップだから注意できない…」そのエース社員が会社を壊している理由【識学15】

「営業成績トップだから注意できない…」そのエース社員が会社を壊している

営業成績は抜群にいいけれど、“報連相”を怠ったり会議には悪びれず遅刻をしたり――。あなたの会社にそんな社員はいないだろうか。

周囲から見れば組織の秩序を乱しているにもかかわらず、「成果を出しているから」とエース社員として扱われるケースは少なくない。

「それは許してはいけない状況です。結局その人だけのルールが許されているということは、組織のルールがまったく機能していない証拠です。

例えば営業社員が10名いる​なかで、1.5倍の売り上げを出すエース社員がひとりいたとしましょう。

しかし、その社員を特別扱いした結果、残り9人の生産性が20%下がれば、組織全体では1.8人分の成果を失うことになります。0.5人分の成果を得る代わりに1.8人分を失うのでは、本末転倒です。個人に依存した状態が続けば、それ以外の人たちの成長を妨げることになり、長期的には絶対損をすることになります」

とはいえ、その人のやり方を変えさせることで営業成績が悪くなることを危惧するマネジメント層もいるはずだ。

「識学がコンサルをしている企業でも、そういうパターンは少なからず存在します。圧倒的な営業力があるとか特別な人脈があるとかで、マネジメントは『今辞められたら困る』と思っている。でもこれまでの僕らのコンサル経験から言えば、そういう人が辞めたとしても、業績は上がる会社ばかりです。

会社のルールがあってないようなものだと落胆していたまわりの社員にとっては、ルール破りの社員がいなくなったり評価されなくなったことで、本来のルールを信じることができるようになるんです」

エース社員への依存が組織を弱くする

「スポーツの世界でもよくありますよね。いくらスタープレイヤーがいたとしても、彼がめちゃくちゃなことをやっていたら、統制が効かなくなりチームワークは構築できない。結局は弱いチームになってしまうのは、プロ野球などの実例でも思い当たるはずです」

これはひとりのスタープレイヤーだけの話ではない。やり方はともかく成果は出す、面倒な雑務は他の人に投げるが成績は良い、あるいは仕事を頼みやすい社員を、組織として重宝したり評価したりしていないだろうか​。

「それでは組織とは言えません。個人依存が高まれば高まるほど、組織そのものが属人化してしまう。それは明らかにマネジメント側の問題です。

組織内でなんらかの改善を図ろうとしても、まず組織のルールが機能しなければ前進しません。今は成果が出ていても、組織として拡大することは困難なんです」

成績は良くてもそこには組織の未来はない。長期的に見れば、組織のルールを形骸化させ、人材育成を止め、組織全体を弱体化させる。マネジメント側の能力のなさを露呈しているだけと言えるのだ。

成績がいい社員を特別扱いすることは、一見すると合理的な判断に見える。しかし真に強い組織とは、スター社員ひとりに依存する組織ではなく、誰もが同じルールのもとで成果を出せる組織なのである。

安藤広大/Kodai Ando
識学 代表取締役社長。1979年大阪府生まれ。早稲田大学卒業。大学時代はラグビー部に所属し、勝敗と向き合う厳しい環境で4年間を過ごす。NTTドコモ入社後、営業としてキャリアをスタート。上場企業への転職を経てマネジメントに携わるなかで、「人のやる気」や「人間力」に依存する組織運営に限界を感じ、識学と出合う。誤解や錯覚を排した明確なルールと仕組みによるマネジメント理論に強く共感し、事業部の立て直しでその有効性を実証。2015年に株式会社識学を設立し、創業4年足らず(3年11ヵ月)東証グロースに上場。現在は延べ5,000社以上の組織改革を支援している。組織マネジメントに関する著書は『リーダーの仮面』などベストセラー多数。「がんばっている人が、正しく報われる組織を増やしたい」という思いが、識学の根底にある。

TEXT=牛丸由紀子

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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