アスリート、文化人、経営者など各界のトップランナーによる、人生の特別講義を提供するイベント「Climbers(クライマーズ)」。その第9弾が、2026年6月8日、9日の2日間にわたって開催され、ビジネスパーソンを大いに熱狂させた。今回、歌手の郷ひろみさんによる特別講義を一部抜粋して掲載。すべての講義を聴くことができるアーカイブ配信はこちら。※7月22日(水)7:00〜7月28日(火)23:59までの無料限定公開。申し込みは画面内下の「無料で視聴登録する」より。

100点満点のステージはあり得ない
1972年にデビューして、来年(2027年)で芸能活動55年を迎えます。「これだけ長く活動しているのだから、何か特別な努力をしているのだろう」と言われますが、特別なことはあまりないんですよ。ただ、「最高の瞬間をつくるために、最高の備えをやっていく」というのを徹底しているだけです。
僕は歌手ですから、コンサートや番組の収録の前に入念なリハーサルを行います。ビジネスパーソンでしたら、プレゼンの前に資料を何度もチェックし、本番のための練習をしておくでしょう。それと同じことです。
重要なのは、その準備を100%の力でやるかどうか。今年(2025年)、全国ツアーで40公演を行います。各公演の内容はほぼ同じですが、公演前のリハーサルでは常に100%の力を出し切ります。これは僕の持論ですが、60%の力でリハをやれば本番のステージは良くて60点にしかならない。80%の力でリハをやれば、良くて80点。100%の力でリハを行ったときに、はじめて本番が100点満点になる可能性ができるんです。
でも、自分のステージが100点満点だったと感じたことは一度もありません。約2時間のステージを終えると「ここの歌い方がちょっとダメだった」などと、反省点が必ず出てくるんです。だから、良くて99点。その“マイナス1点”を埋めるために、次の日もリハーサルに臨みます。99点で満足してしまった瞬間に人間の成長は止まってしまいます。
最高の瞬間をつくるための「備え」には、週3回の筋トレも含まれています。筋トレを続けるコツは目標を低く設定すること。目標を高く設定してしまうと、最初のうちはクリアできても、なかなか継続できません。「苦しくてもやってやろう」というモチベーションは徐々に落ちてしまいますから。
ですから、僕はあえて目標を低く設定してスタートする。その目標を軽くクリアできるようになったら、ハードルを少し上げてみる。その繰り返しが継続の秘訣です。
戦う相手は他人ではなく自分自身
人と比較しない意識も大切です。あの人に「負けているな」と劣等感をもつ自分が嫌だし、「勝っているな」と優越感に浸る自分も嫌いです。だから、人と比較するのではなく、頭の中で自分自身を戦わせます。「筋トレをやった自分」と「筋トレをやらなかった自分」を比べて、どんな差が生まれたのかを想像する。勝ち負けというものは常に自分の中にある。他人に求めるものじゃないんですよ。
2002年から約3年間、僕は芸能活動を休止して渡米しました。その理由は「バラードが歌えなかった」からです。90年代、『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』『言えないよ』『逢いたくてしかたない』というバラード3曲を続けてリリースしました。ファンの反応は上々でしたが、自分では「うまく歌えていない」と感じていたんです。
その気持ちのままで歌い続けることは、ファンに対しての裏切り。バラードを自分のものにするまでは日本に帰らない。そう決心して、アメリカに渡りました。3年後、「歌えるようになった」と感じられた日に帰国を決めたのです。
戦う相手は他人ではなく自分自身。僕は自分に勝つために、これからも最高の備えに取り組んでいきます。
郷ひろみ/Hiromi Go
1955年福岡県生まれ。1972年NHK大河ドラマ『新・平家物語』で芸能界デビュー 。同年8月シングル『男の子 女の子』で歌手デビュー。『お嫁サンバ』『よろしく哀愁』『言えないよ』『GOLDFINGER'99』など数々のヒット曲を送り出している、日本を代表するポップスシンガー。
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2026年7月22日(水)7:00〜7月28日(火)23:59までの無料限定公開。申し込みは画面内下の「無料で視聴登録する」より。

