秋口の装いは抑制的な色合いほど雄弁だ。黒、グレー、ベージュに精緻な意匠が映える。日本ブランドならではの精緻な完成度を今こそ。人気スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。

1.ジュンヤ ワタナベ マン|既成概念を軽々と超え、洒脱さが映える再構築
今秋冬のジュンヤ ワタナベ マンのテーマは“THE BEST, DRESSED”。単にドレスアップするというだけでなく、ブランドのこれまでのスタイルをアップデートするという意味を持つ。ウールナイロンツイードのダブルのチェスターフィールドコートに、フェイクレザーなどをパッチワークしたアイテムも、テーマを象徴するアイテム。

2.コモリ|黒の奥行きと育つ風合いをセットアップで静かに愉しむ
コモリの新作のブラックデニムは、表面を起毛し、柔らかくありつつも、デニムのタフさを保持。古着のようでなく、真新しい感じもしない風合いが、ブランドの矜持を物語る。2着のジャケットは、ともにコットンネルの総裏つき。シルエットのバランスも秀逸。

3.コム デ ギャルソン・オム ドゥ|緻密な技巧をしのばせた知的な遊びを端正に着る
コム デ ギャルソンのシグネチャーともいえるポリエステル素材に製品後加工をほどこしたセットアップ。ピンストライプのように入ったシルバーのラメ糸や、2着を重ね着しているようなフェイクレイヤードの前身頃など、精緻なテクニックも満載。

4.ビズビム|無骨さの奥に宿る上質をレザーの風格とともに満喫
フランス製ベジタブルタンニンゴートレザーを用いたビズビムのカバーオールジャケットは、ウォッシュ加工とダメージ加工でニュアンスを加味した逸品。ガーメントダイとクラッシュ加工を施した超長綿のチノパンともしっくりなじむ。

5.オーラリー|極上素材が描きだす軽快なカジュアルエレガンス
繊細でしなやかなテクスチャーが美しいオーラリーのダウンブルゾンは、上質なベビーカーフを極限まで薄くした軽やかなレザーで仕上げた傑作。超極細番手の梳毛糸(そもうし)を使用し、環境に配慮した防縮加工を施したウールビエラ生地を使用した2タックパンツとのコンビネーションも秀逸。

6.サカイ|新たな均衡を創出する進化し続けるクリエイション
ベルトによって襟を立ち上げたり、寝かせたりと、シルエットに変化をつけられる仕様に。MA-1を想起させるミリタリーの要素に、斜めに配したジップポケットやフラップポケットなどのユーティリティディテールを組み合わせ、機能性とデザイン性を融合。サカイのお家芸である「破壊の美」をさらに探求し、新たな価値を創造する最新コレクションからのピックアップ。

7.ヨウジヤマモト|静謐な迫力を湛える1着が唯一無二の風格を誘う
“ワードローブの再解釈”をテーマに、より細部に光を当てた今季のヨウジヤマモト。ラグランスリーブのコートは、ほどよく肉感のあるヘリンボーン生地に、ニードルパンチ加工で豊かな表情をプラス。それだけで存在感のある佇まいが完成する、風格のある1着だ。

8.ジェイエムウエストン|構築と流麗が織りなす前衛のニュークラシック
ソウシオオツキのドビー生地を用いたセットアップは、ラペルをオーバーターンしたジャケットに、奥行きのあるドレープを生みだすインバーテッドタックパンツが、独特な表情を添える。


