アスリート、文化人、経営者など各界のトップランナーによる、人生の特別講義を提供するイベント「Climbers(クライマーズ)」。その第9弾が、2026年6月8日、9日の2日間にわたって開催され、ビジネスパーソンを大いに熱狂させた。今回、デザイナーのコシノジュンコさんによる特別講義を一部抜粋して掲載。すべての講義を聴くことができるアーカイブ配信はこちら。※7月22日(水)7:00〜7月28日(火)23:59までの無料限定公開。申し込みは画面内下の「無料で視聴登録する」より。

アクシデントは「面白い」と思って乗り切る
私は3姉妹の真ん中で、幼い頃から「ほかの2人の姉妹と同じことをしたくない」という思いを強く抱えていました。同じことをやって勝負を競うのではなく、新しいことを誰よりも一番早く成し遂げたい。そんな競争心が身についています。
高校卒業後、東京に出て文化服装学院に入学しました。そこでも「デザインの分野でも一番を取りたい」という思いが強かったですね。19歳のときに新人デザイナーの登龍門といわれる「装苑賞」を史上最年少で受賞しました。
そして当時はとにかくパリに行きたかったんです。「今行かないと一生行けない」と思って、必死に渡航費用を貯めました。貯金が40万円になって、24歳のときにそのお金でパリに渡りました。
1978年にパリ・コレクションに初参加。それから22年間、コレクションへの参加を続けました。今振り返ってみると、数々のハプニングが思い出されます。一度、ショーで使う靴をイタリアで作りましたが、その靴がコレクション前日になっても届かない。急遽、モデルの足に金箔を貼り、裸足で歩こうと計画。最終的には当日の朝になって靴が届き、予定通り参加できましたが、いい勉強になりましたね。人は追い詰められたら、「何とかしよう」とアイデアが湧いてくるものです。
パリコレではモデルが来ないこともありました。前日にフィッティングもリハーサルも済ませていたのに、当日の朝にモデルが来ないんです。電話をかけてもつながりません。でも、モデルの順番は飛ばせない。全体の構成に影響して、ややこしいことになってしまいますから。そこでお客様の中からモデルになりそうな人を探して、替わりをつとめてもらいました。
同じようなアクシデントを経験したビジネスパーソンの方、いっぱいいらっしゃるでしょう。ビジネスには思わぬアクシデントが付き物です。私はそうしたアクシデントを、ポジティブな思考で乗り切ります。アクシデントをトラブルや試練と捉えるか、それとも「このハプニング、面白い」と思って向き合うか。思考の持ち方が大事なんです。
未来から見れば今日の自分が一番若い
私は著書にも書いていますが、「人生って“前”しかない」と考えています。過去は変えられないのだから、前だけを向いて生きるしかない。過去にこだわるなんて、時間がもったいないです。
過去に発言したことよりもいいアイデアが浮かんだら、どんどん変えるべき。相手から「この前言っていたことと違うじゃないか」と責められても、「その通りですけど、過去の案と今の案のどちらを取りますか」と答えればいい。そうなったら、相手はいいほうの案を取りますからね。過ぎたことに固執しないで、真っさらな前を向く。未来はゼロだから、何とでもなるんです。
年齢を気にしないことも大切です。未来から現在を見れば、今日の自分が一番若い。明日よりも今日の自分が確実に若いんです。ですから、何事も今日からスタートするという意識を持ってください。「明日からやる」とか「今度やる」という考えは捨てたほうがいい。成功の第一歩は、「今日この瞬間に何をやるのか」ということ。大きな成功をつかむには、その連続しかありません。
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2026年7月22日(水)7:00〜7月28日(火)23:59までの無料限定公開。申し込みは画面内下の「無料で視聴登録する」より。
コシノジュンコ/Junko Koshino
1978年パリコレクション初参加。以後、22年間にわたりパリコレに参加。北京、NY(メトロポリタン美術館)、ベトナム、キューバ、ポーランド、ミャンマーなど世界各地でファッションショーを開催し、ファッションを通じた文化交流に尽力。また、オペラなどの舞台衣装、ユニフォーム、インテリア、花火のデザインまで幅広く手がける。2025年大阪・関西万博のシニアアドバイザーを務め、2025年度「文化勲章」受章。

