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2026.06.11

74歳で二刀流、85歳でアイアンマン優勝…骨折もすぐ治る脅威の93歳【和田秀樹対談③】

93歳の現役最高齢トライアスリート・稲田弘さんと和田秀樹さん。肉体の壁、医療の壁を超えて走り続けるふたりの“超人”対談。稲田弘3回目。【対談記事はコチラ

74歳で二刀流、85歳でアイアンマン優勝…骨折もすぐ治る脅威の93歳【和田秀樹対談③】

60、70歳から第二の人生を歩めるか

和田 定年前まではお付き合いはあるけど、会社を辞めると一気に減ってしまう、というのが一般的です。ところが人生は、定年後も長く続くんですよ。60代70代で新しく友達をつくっても全然問題ない。というか、そっちのほうが長続きするんですよね。

稲田 そうですね。その点、僕は恵まれていたんでしょうね。60歳のときに定年で仕事を辞めて、70歳で女房は死んじゃったけど、トライアスロンを始めて新しい仲間もできた。おまけにね、74歳のときにはNHKから声を掛けてもらって、再び働き始めたんです。

和田 それはすごい。

稲田 正規の職員ではなく嘱託ですけど。国際放送局、いわゆるラジオジャパンというところで、ラジオの国際放送でニュースを担当してくれと言われまして。

和田 国際放送のニュース。

稲田 はい。以前は記者だったのでニュースづくりは片手間でやる仕事でしたが、そのときの仲間がね。プロデューサーの人から番組づくりに関わってほしいと声をかけられたんです。

和田 トライアスロンと仕事の二刀流ですね。

稲田 そうなんです。仕事を再開した当初は毎日出勤してフルタイムで働いたんです。でもトライアスロンもやりたいでしょ。だからだんだん日数を減らしてもらってね。それでも国際放送の仕事は一応、85歳まで続けました。

和田 すごいですね。

稲田 85歳のときにはアイアンマンで優勝もしました。

和田 アイアンマン。ハードなレースですよね。

稲田 はい。トライアスロンの一種なんですけど、水泳3.8㎞、バイク180.2㎞、ラン42.195㎞の合計226㎞のレースです。そのアイアンマンの年齢枠で世界チャンピオンになりまして。

和田 すごいとしか(笑)。

和田秀樹/Hideki Wada
精神科医・幸齢党党首。1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒業後、同大附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、和田秀樹こころと体のクリニック院長に。35年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『80歳の壁を超えた人たち』『幸齢党宣言』など著書多数。

お酒少し飲む、たばこは吸わない

和田 お酒やたばこはやらないんですか?

稲田 たばこは昔、40歳の頃にね、吸ったことあるんですよ。もう50年も前だけど(笑)。

和田 昔はみんな吸ってましたからね。

稲田 気管支炎になってね。医者に死ぬぞと止められたんです。僕が吸っていたのはパイプたばこ。今はあまり見かけないでしょ。

和田 昔は職場に結構いましたよね。お酒は飲むんですか。

稲田 お酒は少しです。元々、家系的にあんまり飲めないんです。だけど僕は記者だったので取材先で酒を飲む機会も多い。だから一生懸命に練習をして飲めるようになりました。今はジョッキ1杯のビールぐらいは飲みますけど。それ以上は飲めないですね。

和田 コーヒーはお好きみたいですね。

稲田 はい。好きなんだけど、カフェインが多いからね。今、止められてるんです。

和田 医者から?

稲田 いや。トライアスロンのコーチからです(笑)。

和田 トライアスロン一筋って、まさにそういうことですよね。

病気はしない。ケガは無数にしてる

和田 失礼ですが、持病とかそういったものはありますか。

稲田 全くないです。だけどこの前、珍しく風邪をひきました。子どものころ以来です(笑)。

和田 やっぱり免疫力が強いのでしょうね。これはね、医者も学者もみんないい加減なところだと思うんだけど。コロナ騒ぎのときに「年寄りは危ない。死にやすい」って言ってたでしょ。でも本当は、年寄りが危ないのではなく、免疫が落ちていることが危ないんですよ。だからそもそも免疫力の高い若い世代は、コロナでは死んでいません。

稲田 そうでしょうね。僕はコロナにもなっていないですよ。

和田 実際はね、コロナにはみんな、感染してるはずなんですよ。だけど症状の出ない人がいる。ウイルスに感染しても、発病するかどうかは、本人の免疫力次第なわけです。

稲田 免疫力が強いと、感染しても発症しないということですね。

和田 はい。食事をしっかり摂って、十分に寝て、適度に運動していると免疫力が上がります。そういう人は病気になりにくい。

稲田 なるほど。僕は病気はしないけど、ケガは無数にしてます。骨折なんて全身あちこちにね。何度もしてますよ。

和田 若いころからですか。

稲田 いえいえ。トライアスロンを始めてからです。

和田 じゃあ70歳を過ぎて? それで何度も骨折してるって、それまたすごい話です(笑)。

稲田 ほとんど自転車の転倒です。いや、全部そうですね。肩とか肋骨、腰。もう全身、いろんなところを骨折しています。

稲田弘/Hiromu Inada
現役トライアスリート。1932年大阪市生まれ。早稲田大学卒業後、NHKに勤務し、社会部記者として活躍。70歳でトライアスロンに初挑戦。2011年に78歳でアイアンマン世界選手権に出場し、2012年、2016年、2018年の3回、年代別世界王者タイトルを獲得。現在も現役選手。著書に『やれば出来る92歳のアイアンマン、世界を駆ける』。

和田 稲田さんには医学の常識が通用しない。一般的に、お年寄りは骨折したら一気に弱るなんて言われているけど、衰えるどころか強くなってる(笑)。

稲田 いやいや。やっぱりガタは来てますよ。

※4回目に続く

TEXT=山城稔

PHOTOGRAPH=鈴木規仁

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